GOOD DESIGN AWARD

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2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
建築構造 耐震要素 [S+W ハイブリッド耐震パネル]
事業主体名
株式会社平成建設
分類
産業領域のための空間・建築・施設
受賞企業
株式会社平成建設 (静岡県)
受賞番号
13G100912
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本構造システムは、EU圏では主流の木積層パネル(マッシブホルツ)を活用し、鋼構造体と木を組み合わせた、国内初「ハイブリッド耐震パネル」である。マッシブホルツのメリットとして低質木材の有効活用が可能な点があり、国産杉材を使用することで間伐材の大量消費に貢献できる構法となっている。また木部は荷重を受けず水平力のみ負担するため、耐火建築物において木部のあらわしが可能であり、且つ乾式工法のため施工性にも優れ、工期短縮にも有用である。簡易に施工できる耐震パネルとして、既存建物の耐震補強としての使用も考えられる。国内林業活性化、低炭素社会への配慮、都市木造化への一手として、非常に有用な構造システムである。

プロデューサー

平成建設 逸見康彦、奥村賢史

ディレクター

Arup 柴田育秀、笹谷真通、後藤一真、藤原圭吾

利用開始
2013年10月
販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

建築物の表層は、特に耐火性能を求められた場合、多くが人工的な不燃材料(コンクリート、鉄、石膏ボード、ガラス等)となり、身体性からはほど遠いソリッドな物質形成となっている。本システムでは構造体で露出される部分が木そのものなので、木肌の癒し効果や杉の新鮮な香り、色合の柔らかさなどにより、利用者に親近感を与え、落ち着ける空間を提供することが可能である。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

構造体としては水平力を負担する圧縮材であるが、形としては細材ではなく壁に近いため、大面積を構成することができるのが本システムの特徴の1つ。よって、高い断熱性や調湿性など、木そのものが持つ生活を快適にする性能を損なわず、そのまま発揮することができる。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

施工の流れは、鋼構造柱梁→木パネル建込→隅部接合金物にて締付の3段階となっており、施工現場においても「建て方工事が容易」な乾式工法である。また既存建築物への「あと施工」が可能な工法であり、かつ施工中の騒音も最小限であるため「居ながら施工」が可能。同時にコンクリートや鉄骨補強材よりも軽量であることから「短工期での耐震補強工事」にもポテンシャルを持っている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

柱梁などのラーメンフレームと比べ、面で木を大量に消費する構造システムであることから、CO2固定源としての建築物の付加価値をより高めることが可能である。このことは、戦後植林した樹木が活用期を迎える日本社会にとって有用な一手であり、かつ木材自給率を50%以上に高める公共建築物指針とも合致した価値観とも言える。樹種も国産スギ材で計画しているため、間伐材活用には最適なシステムである。

ユーザー・社会に伝えたいこと

戦後日本は耐火建築物を求めたが、復興期の大量伐採による森林資源枯渇、それに伴う国土の荒廃を懸念し、非木造化へと舵を切った。その結果、鉄筋コンクリートや石膏ボード等人工的不燃材が建物の表面を覆い、天然素材を用いた空間は特殊で高価になり、更に日本固有の木造の進化は中断している。都市の木造化が叫ばれ始めている今、木建築文化、伝統を再構築できるのではないか。本システムがその小さな一歩となれば幸いに思う。

審査委員の評価

「木の塊」を意味する木積層パネル(マッシブホルツ)と鋼構造体を合体した「ハイブリッド耐震パネル」である。国産杉の間伐材を集成材としてパネルをつくっているため、重厚感があり、仕上げ材としても十分な質感がある。乾式工法であるため、工期も短く施工性も良い。耐震性能の不足した建物の耐震補強としても使用可能である。パネルと鋼材の間の隙間が地震時の動きの逃げにもなっており、かつ軽さも表現できている。質感は重厚、全体の印象は軽やかな不思議な製品である。具体的に使用されるのが楽しみな製品であり、今後の発展が期待できる。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

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