GOOD DESIGN AWARD

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CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン・未来づくりデザイン賞

受賞対象名
佐世保の実験住宅 [ハウステンボススマートハウス]
事業主体名
ハウステンボス株式会社
分類
住宅・住宅設備
受賞企業
東京大学 生産技術研究所 野城研究室 (東京都)
東京大学 生産技術研究所 川添研究室 (東京都)
東京大学 生産技術研究所 馬郡研究室 (東京都)
ハウステンボス・技術センター株式会社 (長崎県)
吉田重機工業株式会社 (長崎県)
受賞番号
13G090827
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

ハウステンボスにつくられた、省エネルギー化が実現する新しい暮らし方を検証していくための実験住宅。躯体をつくってから設備を入れるという通常の思考によらない建築である。20×50mmの鋼管は建物の構造であり、かつその中を流れる熱媒によって温熱環境をコントロールするデバイスとなる。窓際に設置した放射柱によって、大村湾を抜ける自然のそよ風が、温度を調整されつつ室内に入り込む。その心地よい微風の状態こそが目指す空間の質である。放射柱は、佐世保の風景の原点ともいえる造船技術によってつくられた。地域の動的な風景の中で建築をつくること、それがこのプロジェクトの目指すところである。

プロデューサー

ハウステンボス株式会社 野城智也(東京大学生産技術研究所教授)

ディレクター

川添善行(東京大学生産技術研究所講師)、馬郡文平(東京大学生産技術研究所特任講師)

デザイナー

原裕介、吉武舞、田中雅之、石川典貴、廣見秀行、廣澤秀眞、松繁宏樹、渡邉攝子(東京大学川添研究室)、生部雄一郎(ハウステンボス・技術センター株式会社)

竣工
2013年4月
販売地域

日本国内向け

設置場所

長崎県佐世保市ハウステンボス町

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

この建物にはエアコンがない。豊かな自然の中では、窓を閉め切って室内の空調をコントロールするのではなく、自然なそよ風を取り入れて開放的に暮らしたい。エアコンのような気流暴露の不快感のない、身体と直接熱をやりとりする放射冷暖房を用いることで、冷房時は通常よりも高い温度設定(暖房時は低い)で、省エネルギーながらも心地よい体感温度を可能にした。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

テーマパークという立地上、多くの人の目に触れる機会がある。建築の力を楽しく伝えるということを主眼におき、例えば柱の中に水が通っているということへの単純な驚きを、エネルギー問題への興味や、地域の産業への理解に繋げたい。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

入り組んだ湾、海際まで迫る山々。海に広がるドックと鉄を打つ音。それが佐世保の風景の原点である。しかし、年々減少する船舶建造量は、この佐世保の風景を空洞化しつつある。動的な風景の中で建築をつくるべく、地場の産業と連携して新しいものづくりを行った。プロジェクトを通じてハウステンボスを中心に地域産業全体が活気づくこと、同時に建物のデザインにも地域の固有性が発露されることを願っている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

空調熱源は海水熱利用ヒートポンプ、給湯熱源には太陽熱ヒートパイプを用いた。また様々な発電機器の実験の場でもある。AI制御された視える化は、空調負荷や建物性能自体を総合的に可視化するシステムである。全体のシステムの目新しさだけではなく、長期的に計測を続け、地域に根ざしたベストプラクティスかつシンプルな暮らし方を提唱していく。今後も進化し続ける技術を受け入れるプラットフォームとしての建築である。

ユーザー・社会に伝えたいこと

これからの社会においては、最新の技術に人間の暮らしを合わせて行くのではなく、個々人の暮らし方に即して、技術を細やかにチューニングしていくことになるだろう。このプロジェクトでは、優れた製造技術をもつ造船業との連携の中で、既成概念の枠をはずし、新しい、柔らかな技術の獲得を目指した。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

ハウステンボスリゾート
ハウステンボスリゾート

審査委員の評価

ハウステンボスに作られた省エネルギー化の実現と環境制御機器の検証のための実験住宅。窓際に設置された実に細い鋼管が、構造として働きながら、かつ温熱環境をコントロールするためのデバイスとなっているところが非常にユニークである。鋼管の中を熱媒が通ることで放射柱として働き、海からのそよ風が温度調節されて室内環境をコントロールするという。通常の空気を掻き回す方式によらない温熱環境の制御が実現されていて心地良さそうである。この鋼管の製造には地元佐世保の造船技術が生かされているという。このプロジェクトはハウステンボス全体のスマート化、省エネルギー化の為の実験の場であるが、地元の産業の活性化に繋がる点も評価したい。住宅の空間自体は、細い鋼管を通して室内外が連続する、日本的な住まいが実現されている。今や人が技術に合わせるのではなく、技術が人に合わせる時代。本来あるべき快適な環境作りのための実験の場として大いに評価したい。

担当審査委員| 難波 和彦   篠原 聡子   手塚 由比   古谷 誠章  

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