GOOD DESIGN AWARD

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CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
電波望遠鏡 [アルマ望遠鏡モリタアレイ]
事業主体名
自然科学研究機構国立天文台
分類
研究・教育・医療のための機器・設備
受賞企業
自然科学研究機構国立天文台 (東京都)
受賞番号
13G070693
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

アルマ望遠鏡は、日本を含む20の国と地域が共同で開発・運用する革新的な電波望遠鏡である。パラボラアンテナ66台を南米チリの標高5000m地帯に並べ、山手線と同規模の電波望遠鏡として機能する。その中で日本が開発したモリタアレイは、超高精度パラボラアンテナ16台、超伝導受信機と専用高速計算機からなり、史上最高画質の電波天体写真の撮影を可能にし、銀河や惑星の誕生などの宇宙の謎に迫る。高地の砂漠という過酷な環境で100億光年もの彼方からやってくる微弱な電波を検出するため、高い天体追尾性能と鏡面精度を追求したアンテナ、極限まで高効率化した受信機、そして世界最高レベルの演算性能を持つ計算機を開発した。

プロデューサー

自然科学研究機構国立天文台

ディレクター

自然科学研究機構国立天文台

デザイナー

自然科学研究機構国立天文台

詳細情報

http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/

観測開始
2013年1月
販売地域

国外市場向け

設置場所

チリ共和国北部 アタカマ高地(標高5000m)

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

望遠鏡は標高5000mという高地に設置されているが、作業者の安全や効率を考慮して、観測は山麓施設(標高2900m)から遠隔操作が可能となっている。また専属スタッフが操作とデータ解析を行うため、研究者は在籍研究機関にいながらにして世界最高水準のデータを手にすることができ、身体的時間的負担を大きく軽減できる。充実した観測支援体制により幅広い層の研究者が使用でき、多様な研究の展開を可能にしている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

日本から見て地球の反対側から宇宙を観測する望遠鏡は、日常生活とは一見縁遠いように思われる。しかし、日頃見上げる夜空の先に潜んでいる根源的な謎を望遠鏡による観測成果とともに提示することは、「宇宙の中に暮らす私たち」という新たな日常感覚を得るきっかけとなる。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

世界最高水準の望遠鏡システムを構築するためには、営利企業による民生品開発では実現が難しく、非常に挑戦的な多くの開発項目をクリアする必要があった。金属や炭素繊維の超精密加工技術や巨大構造物の精密駆動制御、過酷な環境に耐える高速計算機の開発など、アルマ望遠鏡モリタアレイ開発の過程で獲得した非常に高い技術は、次の世代の製品開発に幅広く活かされることだろう。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

知的好奇心は人類が共有する特性であり、社会におけるイノベーションの起点である。天文学への興味はその中でも非常に普遍的なものであり、次世代の科学技術を担う若い世代への訴求力も大きい。日本の技術力で開発に成功したモリタアレイと、それを含み20の国と地域による国際協力で実現したアルマ望遠鏡は、「人類の新しい目」として星や惑星、銀河の誕生と進化の謎に迫り、21世紀の新しい宇宙観を構築する。

ユーザー・社会に伝えたいこと

アルマ望遠鏡モリタアレイは、日本の技術を結集して世界と手を取り合って宇宙の謎に挑む望遠鏡です。惑星や星そして銀河の誕生と進化、さらには生命の起源の謎を解き明かしていくことは、「宇宙に私たちのルーツを探す」試みと言えます。ここから出てくる成果にご注目いただき、21世紀の新しい宇宙観を共有し育てていく営みに、ぜひご参加いただきたいと考えています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

南米チリのアタカマ高地(標高5000m)に設置。高地のため現時点では一般見学は受け入れていない。
国立天文台アルマ望遠鏡

審査委員の評価

20の国と地域が共同で開発・運用する電波望遠鏡として、人類史上最高レベルの観測能力を可能にした。標高5000mという過酷な高地において、100億光年もの彼方からやってくる微弱な電波を検出するという課題に、天体追尾性を可能にする鏡面精度を持つアンテナ、高効率化された受信機、高い演算性能をもつ計算機を統合し、全ての開発において、厳しい精度を追求し実現させている。開発にあたっては、日本の研究者、メーカーらの技術の粋を結集し、日本らしい総合的なデザイン、精度の高いものづくりの力が、世界レベルによる人類の知の探求の営みに大きく貢献することを力強く示している。研究機器の開発、デザインという次元を超えて、地球と宇宙の関係を解き明かすことで「私たちはどこからきて、どこへいくのか」という人類の根源的な問いに挑戦する、人類の文化活動の歴史に刻まれるべき、価値の高い開発プロジェクトであると評価する。

担当審査委員| 安次富 隆   内田 まほろ   重野 貴   村上 存  

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