GOOD DESIGN AWARD

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CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
医療機器 [GGアブソーテック]
事業主体名
川本産業株式会社
分類
研究・教育・医療のための機器・設備
受賞企業
川本産業株式会社 (大阪府)
受賞番号
13G070677
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「GGアブソーテック」は内視鏡外科手術用ガーゼです。近年、患者への負担が少ない内視鏡外科手術が急激に増加しています。光学装置の進歩によりカメラを通して映し出される画像は、より鮮明で細部まで見ることが可能になりましたが、手術中に白色の被写体が画像内に入ると画像処理機能により周囲が一気に暗くなるため、術者から突然視野を奪うという問題点がありました。「GGアブソーテック」は従来の「ガーゼ=白色」という固定概念を排除し、緑色にすることでその影響を最小限にすることに成功しました。また、血液を吸液後の臓器との判別性、三角形にすることによる操作性の向上などの工夫を施し、安全な手術をサポートします。

プロデューサー

川本産業株式会社 代表取締役 社長 川本 武

ディレクター

川本産業株式会社 商品開発部 部長 清家 信久

デザイナー

川本産業株式会社 商品開発部 山下 綾子

詳細情報

http://www.kawamoto-sangyo.co.jp/products/medical/operation/ggabsor/

発売
2013年3月4日
価格

24,000円

販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

本品は緑色であるため手術中にカメラを通して映し出される画像の中でガーゼ周囲の臓器が暗くならず、光学装置の拡大視野効果を活かした繊細な手術が可能であり、血管や神経が損傷しやすい患者への手術の安全性向上に寄与します。加えて三角形のため、体内と体外を結ぶトロカールへの出し入れがスムーズで、ピンポイントに止血が可能です。また、レントゲンで映る特殊な糸を使用しており体内残存のリスクを低減できます。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

白いガーゼは吸血すると赤く染まり、臓器と判別しにくいという問題がありました。ガーゼが体内に残存すると取り出すための再手術が必要となり、患者の負担となります。本品は吸血すると黒っぽく染まるため臓器と判別し易く、体内残存リスクを低減できます。また、本品を用いることで内視鏡外科手術の拡大視野効果が十分に活かされ質の高い手術が行われるため、機能温存、手術後の回復・社会復帰が早いといったメリットがあります。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

特殊な染色技術の確立により、体液で濡れても染料が溶け出さない安全性の高い緑色のガーゼが完成しました。色彩工学的に見ても血液等の赤色と補色関係にある緑色は、医療スタッフの目への影響が少なく、青色など他の色と比べても被写体による手術画面への悪影響が発生しません。画像システムの技術を尽くしても達成しえなかった手術画面のカラーマネージメントが安価に達成できたことに価値を見出しました。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

内視鏡外科手術の特徴である在院日数の短縮は、患者が今までの生活環境を大きく変えることなく早期に日常生活に戻ることができるというメリットと、医療経済の効率化に繋がります。本品は内視鏡外科手術の安全性を高めることにより、医療費削減が求められる現在の社会情勢に貢献できる製品と考えています。

ユーザー・社会に伝えたいこと

これまで内視鏡外科手術には特有の白色被写体の存在による画像処理が生じる映像弊害という問題がありました。しかし本品を使用することで、この問題を最小化し、この手術の特徴である拡大視野効果を十分に活かした手術が可能になります。本品の使用により手術の安全性を向上させ、医師の手術中のストレス軽減と患者のQOL(生活の質)の向上に貢献したいと考えています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

川本産業株式会社
川本産業株式会社 医療向け製品情報 GGアブソーテック

審査委員の評価

コロンブスの卵的な発想で開発された内視鏡外科手術用ガーゼである。従来の内視鏡外科手術では、白色のガーゼが使用されてきたが、内視鏡外科手術で用いられるカメラの特性として、白色の被写体が画像内に入ると、白色の被写体に自動的に露出が合うため、手術中の臓器の画像が一気に暗くなってしまうという問題があった。当内視鏡外科手術用ガーゼは、ガーゼを血液と補色の緑色に染色することによってその問題を解決している。応募者へのヒアリングにて使用シーンの映像を見たが、白色ガーゼと緑色のガーゼを挿入した場合の画像の差は歴然だった。これまでガーゼの色を変えるアプローチがなかった理由は、ガーゼは「純綿糸を平織りした原布を脱脂し漂白したもの」と薬事法で決められているからということもわかった。そのため当内視鏡外科手術用ガーゼは、ガーゼではなく血液吸収目的のスポンジと位置づけることによって緑色の染色を実現したという。緑色のガーゼは血液を吸収すると黒色になるため、血液を吸収すると赤色に変色し臓器との見分けが付かなくなる白色ガーゼのもう一つの欠点も解決している。内径12mm以上のトロカールからの挿入・抜去を容易にするために、形状を三角形にする工夫もある。年々高度化する内視鏡手術だが、ハイテク機器の欠点を大掛かりな開発ではなく知恵を使って解決した当内視鏡外科手術用ガーゼのデザインの取り組みから医療機器の開発現場が学ぶことは多いだろう。

担当審査委員| 安次富 隆   内田 まほろ   重野 貴   村上 存  

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