GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|復興デザイン賞

受賞対象名
石巻工房 [石巻工房]
事業主体名
石巻工房
分類
社会基盤、プラットフォーム
受賞企業
石巻工房 (宮城県)
受賞番号
12GC31056
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

石巻工房は、津波による大きな被害を受けた石巻に、デザイナーを中心とした関係者によって設立された「地域のものづくりのための場」。地域の人々が復旧や復興のために自由に使える公共施設であり、コミュニティの場でもある。また、地元の高校生に技術指導をするなど人材育成にも協力。さらに、デザイナーによるワークショップを通して「手づくり」にデザインの付加価値を与え、主に地域圏外で販売するための「石巻工房ブランド」を立ち上げ、雇用の創出を目指す。最終的な目的は、地元の人々が自立運営する小さな産業を興し、地域全体を活性させる起爆剤になること。デザインに何ができるかのチャレンジング・プロジェクトでもある。

プロデューサー

石巻工房実行委員会:芦沢啓治(代表)、千葉隆博(工房長・石巻在住)、加藤純、佐野恵子(アクシスギャラリー)、丹青社、橋本潤、長岡勉

ディレクター

石巻工房実行委員会

デザイナー

芦沢啓治、ドリルデザイン、須藤玲子、トラフ建築設計事務所、橋本潤、長岡勉、藤森泰司 カイシトモヤ、SPREAD、アオイ・フーバー 他

詳細情報

http://ishinomaki-lab.org/

活動開始日
2011年6月
販売地域

日本国内向け

設置場所

宮城県石巻市中央2-10-2 新田屋ビル1階

問い合せ先

株式会社アクシス アクシスギャラリー
Email: ishinomakilab@gmail.com
URL: http://ishinomaki-lab.org/

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

現地でそこに住む人の手によってつくり出される家具は、時には使う人の要望に合わせてカスタマイズされ、顔が見えるつくり手からその家具を買った人は、永く大切に使う。そこに無駄なコストや流通が排除された、いたってシンプルな地産地消のサイクルが生まれる。また、身の回りにある材料を使い、自分自身で必要なものをつくるワークショップを通して、サステナブルな社会を実現する上で必要なスキルを身につけることができる。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

津波や地震により、喪失感のなかにいる人々が少しでも前向きになれるよう、工房ブランド商品の製作を石巻および南三陸の方々に仕事としてお願いしている。自らの手で1からつくり完成させ収入を得ることで感じる充実感や自信は、やがて生きる希望につながる。また、みんなが集まり、話をしながら作業することで孤独から解放され、ものづくりに集中することで気が紛れる。小さな手仕事が心の支えになってほしいと願う。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

不便を強いられる震災後の生活に必要なものや、現状をより良く、改善するためのもの、アイデア、スキルを提供できる。特に仮設住宅に住むお年寄りなど、住み慣れない環境にいる人々にとって、ニーズに合った家具、使いやすい家具は、生活の必需品である。(例;仮設住宅の収納家具や洗濯ものを干すための縁台、玄関のスツールなど)

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

これまで石巻に存在しなかった、商業でも漁業でもない新しいクリエイティブな業態は、地元の人々のニーズと相まって、地域に根ざしていくと思われる。一方で地域圏外に向けて販売する「石巻工房ブランド商品」は、ウェブという媒体を通じ、日本全国、さらには海外にも販路を拡げ、現地での雇用を促進する。石巻工房は、今後小さな産業として地域活性の起爆剤となるだろう。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

人が集まる「場」としての工房は地域のコミュニティスペースでもある。そこから人と人がつながり、新しい何かが生まれ、やがて町全体が活性する。震災被害により、さら地が増えた中心街で石巻工房は、既に復興のシンボル的な役割を果たしている。また、地域の高校生や子供たちにものづくりのワークショップを行なうなど、復興を担う人材育成の支援をしている。デザインが社会に必要だと認知され、地域に根付くことを期待している。

ユーザー・社会に伝えたいこと

デザインは何のためにあるのか。すべてがゼロとなった石巻で工房が行なってきた活動や、つくってきたものは何かの役に立っているという実感がある。人が集まる「場」をつくり、人が必要とする「もの」を自らの手で生み出し、それを使う人が喜ぶ。それは簡単につくれて、無駄がなく、機能的、荒削りだがどこか味があり愛着を持てるものだ。大量生産品の対極にある、このものたちは、私たちにデザインの本来のあり方を示している。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

商品については、ハーマンミラーストア(丸の内)、リビングモティーフ(六本木)(2012.6.1現在)

審査委員の評価

本当に必要なものは何か、本当に必要なものをつくっているか、この工房はその問いを私たちに突きつける。震災という未曾有の体験の中ですべてを奪われた地域に、必要なものをつくり、つくることが産業になり、地域の再生の軸になるための工房が活動している。まずは仮設住宅に必要なものをつくる。つくり手と使い手の双方の顔が見えるあり方がそこにある。かっては全ての産業がそうだったのであろう。その原点に戻らざるを得なかった被災地が、いま私たちに産業のあり方、価値のあり方を問いかける。私たちは石巻工房に教えられている。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

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