GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
被災地支援活動の建築プロジェクト [みんなの家]
事業主体名
帰心の会
分類
都市づくり、地域づくり、コミュニティづくり
受賞企業
帰心の会 (東京都)
仙台市 (宮城県)
釜石市 (岩手県)
特定非営利法人@リアスNPOサポートセンター (岩手県)
受賞番号
12GC31049
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東日本大震災被災地を受けて、建築家に何ができるのかを問うために、伊東豊雄、山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世の5名の建築家が「帰心の会」を結成。10万人以上の人々が家を失い、無味乾燥な仮設住宅での厳しい暮らしが続く中、より人間的で居心地の良い場所を提供したいとの想いから、『みんなの家』プロジェクトを提唱。『みんなの家』とは、①家を失った人々が集まって語り合い、心の安らぎを得ることのできる共同の小屋、②住む人と建てる人が一体となってつくる小屋、③利用する人々が復興を語り合う拠点となる場所である。

プロデューサー

伊東豊雄、山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世

ディレクター

伊東豊雄(仙台市宮城野区、釜石市商店街、陸前高田市、東松島市グリーンタウンやもと、岩沼市)/山本理顕(釜石市平田地区)/妹島和世(東松島市宮戸島)

デザイナー

仙台市宮城野区:伊東豊雄、桂英昭、末廣香織、曽我部昌史/釜石市平田地区:山本理顕/釜石市商店街:伊東豊雄/東松島市宮戸島:妹島和世、西沢立衛/陸前高田市:乾久美子、藤本壮介、平田晃久

利用開始
2011年10月26日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東北地方

問い合せ先

株式会社伊東豊雄建築設計事務所

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

東日本大震災は、技術に全幅の信頼を置いた近代資本主義でつくられた世界の脆さを露呈させた。持続可能な社会とは、境界を設けて人と自然を隔てる近代主義的な発想ではなく、人と人、人と自然の絆を考え直すことから始まるのではないだろうか。「みんなの家」は規模としては大変小さなものだが、そのような思想に基づいた意義あるものだと思っている。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

自宅を失った被災者は、元々は庭付の大きな戸建住宅に住んでいた人も多い。仮設住宅の住民からは、狭小な部屋でふさぎ込んでしまう人も多く、少しでも開放的な場所があると助かるという声を多く聞いた。「みんなの家」では、そうした人々が少しでも人間らしい時間を過ごせるようにと考えた。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

「みんなの家」は、日常的な集まりや待合わせの場であるとともに、祭りや復興に関する打合せなど特別なイベントの際には拠点としても活用され、人々の生活の拠り所として根ざしつつある。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

「みんなの家」は被災した人々が集い、憩い、語らう場である。住民間での親睦から、失われた町の復活、失われた東北の漁業・農業・商業の再興まで、様々なことが話し合われるであろう。「みんなの家」一つ一つは小さな建築であるが、そこで語られることがやがて、地域の産業(漁業・農業・商業)の復活に結びつくことが期待される。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

「みんなの家」は、住まい手、つくり手以外にも、自治体、資金・物資提供者、学生を含むボランティアなど、多くの人々の協力で実現する。人々の間には、完成までのプロセスの中でつながりが生まれ、完成後も交流が続く。「みんなの家」という小さな建築をつくるうちに、人々のつながりをもつくられているということだ。「みんなの家」で生まれる相互の心の交感は、これからの人間関係や社会のあり方を考える鍵ではないだろうか。

ユーザー・社会に伝えたいこと

私達建築家は東日本大震災に直面した時、自分達のこれまでの設計手法に疑問を持たざるを得なかった。「みんなの家」の取り組みを通じて、住まい手や管理者と新しい関係性を築き、そこからデザインが生まれること経験した今、日常の設計行為までも変わる予感がある。もっと社会とつながる建築を目指したい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

釜石市商店街の「みんなの家」 釜石市只越町1-3-2

審査委員の評価

被災地では人は家と同時にコミュニティーを失ってしまった。行政の支援では、仮設住宅は供給されるが、人が集まり安らぎを得られる場所までは程遠い。人が集い、励まし合うことが重要な時に、その為の場所が無いのだ。その場所を作り上げようというのが、「みんなの家」である。みんなの家は住民と話し合い、住民と共に作り上げられる。住民以外にも多くの協力者を巻き込みながら、建物だけでなく、人のつながりをも生み出していく。出来上がった「家」は、人が集い、復興への希望を語り合う場所になる。そういう人々の心の灯火となるような場所を作り上げられたこと、そして、それを通じて人のつながりを生み出せたこと、そのための仕組みを作り、広げられたことは大変に意義深い。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

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