GOOD DESIGN AWARD

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2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
東北地方支援プロジェクト [だっこのいすを東北へ送るプロジェクト]
事業主体名
だっこのいすを東北へ送るプロジェクト事務局
分類
都市づくり、地域づくり、コミュニティづくり
受賞企業
だっこのいすを東北へ送るプロジェクト事務局 (宮崎県)
宮崎県木材青壮年会連合会 (宮崎県)
杉コレクション2011実行委員会 (宮崎県)
日向市 (宮崎県)
野田村 (岩手県)
日本全国スギダラケ倶楽部 (東京都)
受賞番号
12GC31054
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「大震災でお父さんやお母さんを亡くした子供たちを、ぎゅっと抱きしめてあげたい」。宮崎県日向市の小学3年生の女の子のそんな思いを込めた“だっこのいす”は、県内外の1200名もの大人を共感させ、その支援の輪が、この女の子と現地の子供たちが触れあう機会を実現させた。また、被災地から遠く離れた宮崎で、何をしてあげたらよいか戸惑う大人たちにとっても、ほんのささやかなデザインが、確かな形となっていくプロセスを体感しながら、大きな勇気をもらうことが出来た。ひとりひとりの“心”と“心”とを繋ぎ合う、そんな“デザイン”が、この作品から生まれた。

プロデューサー

内藤 廣(内藤廣建築設計事務所)

ディレクター

井上 康志

デザイナー

安田 圭沙(宮崎県日向市立日知屋東小学校3年生(2011年当時))

利用開始
2012年2月20日
販売地域

日本国内向け

設置場所

岩手県野田村立野田小学校

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

人と人が豊かに気持ちよく生きる。そのために人は支え、支えられて生きていく。ひとつの問題を共有し、仕組みづくりやルールづくりを行いながら、お互いに信頼関係をつくって行く、それなくして持続可能な社会はあり得ない。被災地を思う小学3年生の作者の気持ちを、快く受け入れてくれた野田村の皆さんの懐の深さ、そして作者と野田小学校の同級の3年生との交流は、地域や環境を超え、自然に繋がっていった。子供の力である。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

「だっこのいす」のデザインは、肉親を失い悲しい気持ちでいる同い年の仲間を、そっと抱きしめてあげる、というコンセプトである。抱きしめるという行為からくる愛情表現は何にもまして暖かい行為である。座ってみると分かるが、何とも言えない、優しい気持ちのいい気分になれる。椅子に対して抱きしめるという機能を埋め込んだことにこの椅子のデザインの本質的な価値がある。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

我々は知らず知らずのうちに、家具など生活のために存在する道具に対し既成概念を持ち、その形態や機能をイメージしてしまう。しかし本当にそれらの家具によって豊かな生活を送られているだろうか? この椅子に接するとそんな疑問を持つ。ひとつの椅子によって気持ちが繋がり、ものがたりが生まれ、思いを共有出来る。デザインからそのような価値が生まれることは、これからの生活において極めて重要なデザインの要素である。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

だっこのいす製作は椅子づくりの既成概念では作れない。製作者は効率やコストではなく、「作者の気持ちに忠実であること」を最も重要に考えた。製作は杉コレクションの主催者側のメンバーが担当したが、ものづくりにおいて作者の気持に答えるという試みは、ずっと大切にしてきた。今までの7年の積み重ねもあり、技術的な解決も含め比較的スムースに制作出来た。このような技術の確立が生まれることは地域産業にとって重要である。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

岩手県野田村、そして宮崎県日向市。遠く離れた二つの都市を繋ぐもの、それは経済ではなく、人の気持ちであった。経済主導の社会が崩壊している中での地方社会の自立と連携、これらの基になるものは何か?という大きなヒントをこのプロジェクトは与えてくれた。特別な方法や仕掛けがなくとも、人の気持ちを理解し、地域の力を高めていくが一番大切で基本的なことなのである。

ユーザー・社会に伝えたいこと

よいデザインは、個人を越え、社会の価値観をも変えていく“力”をもっていると感じている。しかし、この作品は、いわば、大人たちがどこかに置き忘れた素直な感性が具現化されたものとして、多くの共感を呼び込み、さらに、昨日までなかった被災地との縁を、いとも簡単に結んでしまう“力”を秘めていた。心と心を繋ぐ感性豊かな能力を引き出し、大切に育むデザイン教育が、今こそ、求められているのではないだろうか。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

岩手県野田村立野田小学校
月刊杉77号 特集:「だっこのいす」プロジェクト

審査委員の評価

震災で親を失った子供達をぎゅっとだきしめてあげたい。宮崎県の小学生の思いから、「だっこのいす」は始まった。思いは、だっこのいすを実現させ、そして椅子を被災地に送ることを実現させた。椅子を送るだけでなく、作者の女の子も被災地の学校を訪れ、子供達の交流も始まった。たった一人の子供の思いから始まった活動は、多くの人を動かし、人を繋げる機会となった。「だっこのいす」はイスであることを超え、思いを伝える媒体である。このイスによって多くの人が励まされたことであろう。被災地支援の取り組みとして高く評価したい。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

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