GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
交番/立体駐車場 [八事交番/八事山興正寺 参拝者駐車場]
事業主体名
八事山 興正寺
分類
都市づくり、地域づくり、コミュニティづくり
受賞企業
八事山 興正寺 (愛知県)
株式会社三菱地所設計 (東京都)
受賞番号
12GC31036
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

開山300年を迎えた尾張の名刹「八事山興正寺」の境内整備の一環として、伽藍整備に先立ち行われた境内の歩車道線を整理する立体駐車場と参道脇に建っていた交番の建替え計画です。敷地は大きな街道と寺の参道に面した公共性の高い場所です。そのため行政に働きかけて隣接する市の児童公園や老朽化した交番なども合わせて整備しました。ひとつひとつの建築としてではなく参道周辺一体を地域に開かれた明るくあたたかい広場空間とし、豊かな景観づくりを目指しました。

プロデューサー

八事山 興正寺 住職 梅村 正昭

ディレクター

株式会社三菱地所設計 建築設計二部長 渡辺 顕彦

デザイナー

株式会社三菱地所設計 建築設計二部 担当部長 渡辺 稔/建築設計一部 主事 佐藤 琢也

竣工
2011年9月10日
販売地域

日本国内向け

設置場所

愛知県名古屋市昭和区八事本町

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

この計画では仕上げに塗装をせず素材自体を発色させて色彩を表現しました。これにより塗装のイニシャルコストを削減し、清掃の要らないランニングコストも抑えた建築を目指しました。そして最も重要な事は、10年、15年と時を経ることで劣化し、更新され使い捨てられるのではなく、時間を重ねる事で得られる深みのある色彩や豊かな価値をもち、永く愛されゆっくりと風景のように周囲に溶け込んでいく建築を目指しました。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

立体駐車場や交番の周りには様々な花や実を付ける草木を植えました。児童公園側には4月に花をつける桜の樹を、周囲には5月に白い花をつけるシャガを、交番脇には8月に花をつけるサルスベリを植えました。季節が移り変わるにつれ様々な花が咲いては散り、美しい色彩や薫り、風に揺れる音などを通して季節の訪れを伝える豊さを提供しています。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

八事交番はちょっと変わった交番として写真を撮られたりしてしまうこともありますが、地域の拠点交番として親しまれています。歩行者レベルは柱や壁のない開放的なガラススクリーンとし、気軽に立ち寄る事ができる街に開かれた交番としました。また日射や視線を調整する木格子が通りゆく歩行者に温かい印象を与えています。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

立体駐車場は、認定駐車場の外部にエキスパンドメタルを市松格子状に取り付ける事で、必要な開口面積を壁面全体で確保しています。これによりローコストな認定駐車場をベースにしながらも階構成や階高に囚われない自由な外装デザインを実現しています。これは認定駐車場が街並み景観に貢献できる可能性を広げるひとつの選択肢を提案できたと考えています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

立体駐車場のエキスパンドメタルの表面処理による黒や朱の色彩、交番のブラックコンクリートの艶のある黒。これら素材自体の色彩や微細な凹凸がつくる陰影の表情は、伽藍の黒い屋根並みや山の深い緑の複雑な色調と調和して豊かな景観をつくっています。今後もゆっくりと周囲の影響を受けながら色彩を変化させていき、塗装では獲得できない深い関係性を周囲と築いて新しい風景をつくっていきます。

ユーザー・社会に伝えたいこと

経済合理性が支配する現在のものづくりの中で、変わってきている街の風景や時間の流れに対し、改めてより多様でより豊かな生活とは何か・・・街に対する個々の責任は何か・・・ 周囲の環境に反応してゆっくりと色彩を変化させてゆくこの小さな建物が、300年を経た伽藍の景観や周囲の森の緑、八事の街と時間をかけてより深く関係を築いていく様子を見ながら一緒に考えていきたい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

八事山興正寺 参道 (名古屋市昭和区八事本町)
八事山 興正寺

審査委員の評価

境内整備に伴って立体駐車場を計画するにあたり、参道脇の交番や、児童公園も合わせて整備したこと、その結果周囲の緑と調和した明るい公共空間を実現できたことは評価に値する。立体駐車場も既製の駐車場を使いながら、スクリーンを施すことで駐車場らしくない外観を達成できている。ブラックコンクリートやコールテン鋼などの素材を生かし、時を経て味わいが深まる工夫もされている。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

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