GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
三島町宮下地区屋号サインプロジェクト [三島町宮下地区]
事業主体名
宮下・荒屋敷地区地域懇談会
分類
公共領域のためのメディア
受賞企業
会津大学短期大学部 (福島県)
受賞番号
12GC21019
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

福島県大沼郡三島町宮下地区はかつて林業や只見ダムに関連する産業等で賑わった地域であったが、近年は過疎化にある。昭和17年に大火で地域がほぼ全焼し、その後短期間に柱、梁、貫を表出させ芯壁で漆喰を塗った住宅が建設され、それを宮下型住宅と呼んだ。これらの住宅も近年までに多くが正面を新建材で覆い、または建て替えられ、以前の街並みは半分以下となった。このプロジェクトは、かつての木造住宅の街並みのイメージを強調し景観づくりを先導するために屋号サインを設置し、伝統的な街並みを守る意識を高めることを目的とした。50㎝角のボードに黒字に白で各家の屋号を入れ、立体的に見えるように軒等に取り付けている。

プロデューサー

宮下・荒屋敷地区地域懇談会 佐久間宗一

デザイナー

柴﨑恭秀

利用開始
2012年4月25日
価格

1,200,000円

販売地域

日本国内向け

設置場所

福島県大沼郡三島町宮下地区

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

この地域では過疎化が進んでいる地域であるが、住人が自分たちのためになるまちづくりを続けている。コミュニティーの形成も地区懇談会が発足してまちづくりに取り組むようになって以降は大きな成果をあげ、現在では景観や路地、小道によるネットワークづくりを住人自らが行っている。この屋号サインをきっかけに伝統建築に新建材等を張った住宅の外観をもとに戻す活動も始まっており、継続的持続的な活動が今後も期待できる。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

屋号サインは通りを歩く人々の視線を重要視して計画されている。通りを歩くと立体的に屋号サインが目に入るように取り付け位置を工夫し、特にいくつかのサインは手に届く程度の位置にも取り付けられていて、子どもやお年寄りでも近づきながらサインボードを眺められる工夫をしている。また屋号サインと一緒に路地の整備も行い、路地のサインも目線よりやや低い位置に、子どもや車椅子でも発見できるような高さにしている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

この屋号サインプロジェクトは、観光やはじめて地区を訪れる人のためというよりは、ここで生活している人々に提供することを一利としている。この地区の家々には古くからの屋号があり、商売などで用いられていたが、今ではすっかり意識されない状況にある。この屋号サインを設置することで、自分の家が以前はこのような商売をしていた等、近隣住人と既に会話が始まっており、コミュニティー形成に繋がっている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

このプロジェクトは観光化に結びつけるものではない。かつての通りの景観のイメージをこれをきっかけにして取り戻していこうとするものであるが、長期的には景観形成を進めて、かつての木造建築の伝統的な街並みに近づけていきたいと考えている。これにより住人が少しずつでも戻り、産業につながり地域が回復する第一歩がこのプロジェクトだと考えている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

既に他所で行われている屋号看板がなかなか景観づくりに結びつかない反省を踏まえて、地域のかつての街並みや色彩を調査した上でサインの大きさやデザイン、屋号の形を決定している。屋号のデザインは大火後に造られた住宅の、蔵に残っていたものを参考にしてデザインし、この地区ならではの景観づくり、環境づくりを目指した。

ユーザー・社会に伝えたいこと

まちづくりや景観づくりは行政が一方的に行うものではなく、そこで生活する人々が自ら行うことによってはじめてスタートするものである。そこにはきっかけとなるひとつのアイデアが、種がまかれるように存在している。この屋号サインもまちづくり、景観づくりを始めるためのアイデアの種だと考えられる。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

福島県大沼郡三島町宮下地区

審査委員の評価

かつて林業やダム関連産業で賑わいながらも現在過疎化にある、福島県大沼郡三島町宮下地区における地域アイディンティティの実践である。地域住民が無理なく自分たちで愛着が持てる方法として各家に屋号サインを設置した。このプロジェクトの興味深いことは、かつて職業的、立場的な意味があった屋号というものを再調査することで、現在の人々の中から忘れ去られたその地の記憶を呼び戻し、それをきっかけに、路地、小道のネットワークづくりや、まちなみのファサード整備などの取り組みが、住民主体で継続的活動が行われている。観光目的ではなく、自立した地域コミュニティーがそこから生まれている。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

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