GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
市民協働による市役所建設プロジェクト [アオーレ長岡]
事業主体名
長岡市
分類
公共領域のための広報・公聴
受賞企業
長岡市 (新潟県)
隈研吾建築都市設計事務所 (東京都)
受賞番号
12GC21017
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

長岡市は戊辰戦争、太平洋戦争といった二度の戦禍で壊滅的被害を受けながら、その都度以前を上回る復興を遂げてきたまちである。今回のプロジェクトは、2004年にこの地を襲った中越地震の時に、老朽化が進み災害本部機能を果たすことができなかった市庁舎を、まちの中心部へ建替え移転する計画であるが、同時に中心市街地衰退に対してカウンターとなることも目指している。震災後にコンパクトシティを志向し、ワークショップで市民と協働しながら進行した本プロジェクトは、東日本大震災の後遺症に苦しみ、また中心市街地の空洞化に悩む地方自治体の復興モデルとして、多くの人々に勇気をあたえることができると考える。

プロデューサー

長岡市長 森民夫

ディレクター

隈研吾

デザイナー

隈研吾、森本千絵

詳細情報

http://www.city.nagaoka.niigata.jp/

利用開始
2012年4月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

新潟県長岡市

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

低炭素社会の実現に向けて、地元で産出される天然ガスをエネルギー源としたガスコージェネを採用し「エネルギーの地産地消」に取り組み、雪国に適した角度調整機構付き太陽光発電、ロスの少ない循環型融雪装置、屋上緑化、自然採光、地元産杉間伐材による内外装家具、日よけなどを組み合わせている。また、そうした技術の効果を市民の集う場所に「みえる化」し、問題の共有および技術の紹介、市井への波及をめざしている。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

35,000㎡になる巨大な建築にいかに親しみやすさを帯びさせるかに取り組んだ。タタキの土間や節や皮の残る木、和紙や紬といった自然素材のほか、元々敷地に建っていた旧厚生会館の廃材を用いた。旧厚生会館は成人式や様々なイベントの会場であり、長岡の市民の記憶のマスターピースとなっていた。ここで使われていた床材や緞帳といった素材を再利用し、市民の記憶に訴える、新しさと懐かしさが同居する建築をつくった。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

まちの真ん中にある市庁舎は、周辺地域からの交通手段の選択肢が多く、高齢化の進む地方都市においても人々の生活と密接な関係を築き易い。また用事を済ませた後には、施設内で行われているイベントや市民活動への参加はもちろん、周辺のお店も利用しやすい。こうした来訪者の「ついで行動」や、600人以上の職員の昼食等の行動により、まちの活性化、生活の利便性、さらなるまちの魅力の向上といったサイクルが期待できる。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

使い手の限られていた地元杉の間伐材を、風合いを保ったまま防腐性能や不燃性能を格段に高め都市の景観に忍ばせることで、使い方の可能性を広げた姿を広く市民に提示している。木のぬくもりに親しみを感じながらも、耐久性の面から使うことをためらっていた一般市民に訴求し、間伐材の販売先が限られていた地元林業関係産業を健全な状態に活性化していくことを期待している。木を通じてまち全体にぬくもりを取り戻す試みでもある。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

企画、設計、工事期間を通じ断続的に市民参加ワークショップを開催し、生活と切り離されたハコモノ建設に陥らず、市民の強い関心を引きとめることを心がけた。オープニングには市の人口の約10%に相当する2.5〜3万人が集い、一緒に完成の喜びを分かち合った。施設のロゴ、サインに用いられた「アオーレバード」を媒体に長岡の魅力を映像化した。施設内外で放映されることで、広く社会とつながることをめざした。

ユーザー・社会に伝えたいこと

皆様の手を借りて進めた建設プロセスは4/1のオープニングでひとつの区切りとなりましたが、各所に配置された市民スペース、ナカドマとアリーナ、さらにその先の大手通との一体利用も可能なアオーレは今後も皆様の手によってさまざまな使い方が発見されていくことと期待しています。生活と建築、市民と職員とがコミュニケーションして生まれる美しい響きを奏で続け、長岡の元気を世界に向けて発信していきましょう。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

新潟県長岡市大手通1丁目4番地10
隈研吾建築都市設計事務所
goen°
長岡市

審査委員の評価

市庁舎が行政のための施設から、市民と生活と街のための空間に生まれ変わった。まずこの発想の転換が嬉しい。郊外型店舗の発達に伴う中心市街地の斜陽化対策やコンパクトシティ化は全国的な課題である。一方向的な都市形成を進めてきた時代の終わりに当たって、どのような都市を創るか、今それが問われている。アオーレ長岡はその一つの回答であろう。ヒューマンスケールの重視、間伐材等エコの重視、市民の参加、歴史の再考など、学ぶべき点は多い。が、しかし、これを真似することが答えではない。「地域には地域の回答が在る」。アオーレ長岡はその始まりだと思える。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

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