GOOD DESIGN AWARD
受賞ギャラリー
2012
グッドデザイン賞
レインガーデン
青葉山レインガーデン

分類タグ

公共空間/土木/景観

事業主体名

東北大学

受賞番号

12GC11007

受賞対象の詳細

都市域において表面流出雨水を受け止めるレインガーデンを実践するための実証実験装置として、また将来のキャンパスモールのためのランドスケープ要素としての提案。単一機能に最適化された従来型の「グレイ」なインフラに代わる、多様で柔軟な生態系サービスに基づく「グリーン」なインフラによる都市デザイン研究の一環として考えられた。本件では隣接する社会環境工学実験棟の屋根雨水を引き込み、砕石のスロープを流し循環させる。砕石中の無数の空隙と変化する水位が生態系サービスを支えつつ、緩やかに分節されたオープンスペースを創出する。

※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります

プロデューサー

東北大学施設部 東北大学大学院工学研究科

ディレクター

石田壽一(国立大学法人 東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 教授、同工学研究科 キャンパスデザイン復興推進室 室長) 中野和典(学校法人 日本大学工学部 土木工学科 准教授)

デザイナー

小川泰輝(国立大学法人 東北大学大学院工学研究科 キャンパスデザイン復興推進室 助手) 小野一隆(国立大学法人 東北大学大学院工学研究科 キャンパスデザイン復興推進室 特任准教授)

利用開始

2011/12/22

販売地域

国内

設置場所

東北大学青葉山東キャンパス

デザイナーの想い

本件は実証実験用のひとつのレインガーデンに過ぎませんが、このような小さくて簡単な水環境装置が増えていけば、都市環境に与える影響には看過できないものがあると思われます。このレインガーデンの出来たばかりでまっさらな状態に、時間と共にいろいろな生物がやってきて生態系を形成していくことが、持続型都市デザインの展開への一助となればと考えています。これからの展開にご期待下さい。

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

都市表面での雨水浸透域減少により内水氾濫の頻度が増加、汚染物質の流出は環境負荷を高める。水質浄化、生物多様性、都市気候調整、非常用水源など多くの生態系サービスを提供するレインガーデンは、雨水流出抑制だけでなく、自立分散型環境調整装置やポケットパークとして、これからの都市環境形成に対し示唆に富む。本件では植物のない砕石だけのレインガーデンを提案。場所に応じた生態系が自ずと形成され、維持を容易にする。

使用者、社会等への取り組み

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

水環境管理を身体的空間の中に取り戻すこと。水音や生物、風などを楽しむ中で、環境情報の繋がりに対する空間的感覚を育むこと。水環境維持に関するリテラシーを高めること。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

かつて生活と水は密接な関係にあり、現在のような見えないところから与えられ、知らないうちに処理されるものではなかった。このレインガーデンが、手の届く水環境の回復に資する小さなインフラの嚆矢となり、水と生活の関わりのオルタナティブ提示を目指す。ヒートアイランド緩和、緊急時の水源となるなど、様々な場面に貢献できる。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

単一機能に最適化された巨大なインフラは、震災においてその脆弱性が露となっただけでなく、維持に関するコストも負担となる。多様なサービスを提供する小さな弱い自立分散型インフラとしてのレインガーデンの可能性は、想像を超える生物の環境変化への適応性によって支えられた環境変化に対しての柔軟性にある、主材料は現地で採れる安価な砕石であるゆえ汎用性に優れる。これからの水インフラのあり方にひとつの視点を提供する。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

近代化以降の都市は水を捨て続ける都市と言える。雨水浸透域が過小なため、災害や環境負荷へのリスクが大きいだけでなく、貴重な資源を失っている。レインガーデンは降雨に伴う表面流出水の敷地内処理を、生態系サービスを利用した様々な恩恵のひとつとして行うことが出来る。また本件のようなスロープを流して循環させるレインガーデンは、雨水の徹底的な再利用を図る点で、都市内の環境調整により貢献出来ると考えられる。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東北大学青葉山東キャンパス
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

審査委員の評価

担当の審査委員

南雲 勝志大島 礼治黒川 玲手塚 由比堀井 秀之森田 昌嗣

評価コメント

都市域において表面流出雨水を受け止めるという機能に加えて、ランドスケープ要素として提案されたレインガーデンである。多様で柔軟な生態系サービスに基づく「グリーン」なインフラと位置づけられる。建築と土木の領域横断プロジェクトであり、水を媒介に外構と建築、環境生態工学と建築学が接続されている。この実証実験が、仙台市を敷地に無数のレインガーデンを配置してスマートグリッドで接続する都市環境、スマートウォーターシティという提案の実現につながることが期待される。
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