GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
公園 [みやした こうえん]
事業主体名
株式会社ナイキジャパン、渋谷区
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
有限会社アトリエ・ワン (東京都)
有限会社アトリエ・ワン (東京都)
受賞番号
12GC11006
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

宮下公園は山手線沿いの細長い敷地に建つ、駐車場施設の人工地盤にある区立公園である。東京オリンピックに合わせ1964年に建設されてから、すでに50年弱が経過し、施設の老朽化、植栽の徒長のため、改修が望まれていた。これに対し、ナイキ・ジャパンが、10年間のネーミングライツ契約とともに改修費を支援することになった。既存樹木の剪定、スケート場・クライミングウォール・エレベーターの新設、照明・ベンチなどの屋外ファニチャーを含む改修案をアトリエ・ワンが作成し、渋谷区に受理された。2011年春には改修工事が完了し、新生「みやしたこうえん」がオープンした。

プロデューサー

株式会社ナイキジャパン

ディレクター

株式会社ナイキジャパン

デザイナー

有限会社アトリエ・ワン

詳細情報

http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/park_miyashita.html

利用開始
2011年4月30日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都渋谷区神宮前6-20-10

問い合せ先

有限会社 アトリエ・ワン
URL: http://www.bow-wow.jp

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

築50年弱の公共施設が、健全な状態で人々に利用されるようにプログラムしなおすことで、施設の存在価値、都市空間への貢献度を高めている。運営監理を委託した専属のNPOスタッフによる毎日の清掃、市民有志による除草ワークショップの開催など、運営方法についても末永く人々に愛される施設になるように配慮している。施設への愛着を市民が持つことが、結果的に施設の寿命をのばすことにもなる。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

スケートボード、フットサル、ストリートダンス、ウォールクライミングなどの都市型スポーツが、まさに都市のまっただ中で集約的に楽しめる公園である。渋谷のような商業地においても、スポーツを手軽にできる機会を提供し、市民の健康増進に貢献できる。パフォーマンスの競演は、都市空間に活気を与える。豊かな植栽を維持することで、都市空間で一息つける、都市の中の自然を感じられる場となっている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

繁華街に位置することから様々な人々の利用を考慮した施設とした。平日の昼、授業の合間に練習におとずれる学生、競技者や電車を眺めてのんびりと時間を過ごす子連れのお母さんや祖父母、平日の夜、仕事の後に仲間とスポーツを楽しむ会社員、週末に訪れて半日過ごす家族など、様々なケースが想定されている。また複数種類のスポーツ施設の集約は、異なる競技コミュニティ間に交流が生まれる機会を増やしている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

人々の憩いの場の創出と、公共空間を維持するプログラムが公園には求められている。スポーツは社会文化活動であると同時に、アミューズメントのコンテンツにもなりうる。これを柱とした公園は、スポーツ産業、スポーツマネージメント産業を受け入れる公共空間となりうる。また公園の緑陰は、造園産業、ランドスケープ産業などを受けいれる。「みやしたこうえん」は、こうした異なる産業分野の出会いの場所としても位置づけられる。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

地方自治体の税収減少は公共施設の維持に問題となるが、今回のネーミングライツを利用した、官民が協力した公共施設の活性化の取り組みは、公共空間の持続性支援の担い手を広く社会に開き、企業の社会貢献の場を提供する枠組みになりうる。日本ではこうした事例が空間的デザインとともに実現したケースは少なく、その点において応募対象は先端的な取り組みであり、独自性と社会的意義があるものと考える。

ユーザー・社会に伝えたいこと

本応募対象は、公園という公共施設の改修に官民が協力する試みによって、さまざま立場の人が官民の仕切りをこえて公共空間を成立させる社会実験である。それは公/私のあいだの硬直した制度的な境界を流動化する提案でもあった。現代社会における「わたしたち」の居場所はいったいどのようにつくられるのか?このプロジェクトの成果と、その過程の議論は、現代日本における公共空間のあり方に対する重要な問題提起となった。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都渋谷区神宮前6-20-10
みやした こうえん

審査委員の評価

東京オリンピックの1964年に建設され50年近くが経過した東京都渋谷区立の宮下公園が、ネーミングライツ(施設命名権)を用いて、路上スポーツを取り入れた新たな公園にリニューアルした。渋谷の繁華街に近接する屋上緑化された立地を活かし、スケートボード、ストリートダンス、ウォールクライミングなどの都市型スポーツを緑と共存させるデザイン、NPOスタッフによる運営管理や市民有志の除草ワークショップの実施など、健全に楽しめる公園づくりをハードとソフトの両面からデザインする官民民協働による社会実験ともいえる試みが、今後の公園のあり方のひとつの方向を示唆する好例を創りだしたと評価される。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

ページトップへ