GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
図書館 [金沢海みらい図書館]
事業主体名
金沢市
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
金沢市 (石川県)
シーラカンスケイアンドエイチ株式会社 (東京都)
受賞番号
12GC10997
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

金沢市で4番目、約40万冊の蔵書(開架27万(内児童4.5万)閉架13万)で、交流ホールや集会室、グループ活動室など地域の交流施設をもつ図書館である。公共図書館にとって気持ちよく本が読める空間が必要であると考えた。多くの本がある場所で、実在する本に囲まれて本を読む豊かさが体験できること。便利な電子書籍では味わえない本の圧倒的な存在感は魅力的に違いない。開架図書と閲覧室を仕切りなく混ぜあわせて、約45m×45mの平面、高さ約12mの空間を25本の柱が支え、「パンチングウオール」が4面取り囲む単純な空間を提案した。この大きな空気のボリューム感が、図書館らしいリーディングスペースを表現する。

デザイナー

堀場弘+工藤和美/シーラカンスK&H

詳細情報

http://www.coelacanth-kandh.co.jp

開館
2011年5月
販売地域

日本国内向け

設置場所

石川県金沢市寺中町イ1番地1

問い合せ先

シーラカンスK&H
Email: kh@coelacanth-kandh.co.jp
URL: http://www.coelacanth-kandh.co.jp/

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

大きな空間により壁4面より自然光を採り入れているため曇天時の無点灯でも室内中央机上面で100ルクス以上確保できている。補助的な人工照明は手の届く範囲に器具を設置することでランプ交換、機器の修理等が容易におこなえるようにした。床吹出し、リターンシャフト、屋上排気塔を連動させ冷暖房期と中間期の開閉運転パターンを制御することにより空調、換気電力の省力化と快適性を実現させている。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

IT技術によって生活は大きく変化したが、重さや大きさ、肌ざわりといった五感に訴える本という実体は基本的には変化しない。図書館は、情報の保存・利用という意味でIT革命によってかたちを変えながらも存続していくに違いないが、便利なインターネットはどこでも気が向くままに場所を選んで使える道具であって、図書館とは知的好奇心を揺さぶり静かな時の流れを感じ、もう一度純粋に本と向き合う空間であってほしいと考える。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

大きな壁面と単純なシルエットが山並みや海側の開けた田畑などの地域の風景とも向き合った建築である。2011年5月21日開館の日には多くの人が訪れ、あっという間にこれから長い年月繰り返されるであろう日常になった。今までいなかった多くの人が街から現れ、あたかも数年前からそうであったように稼働し始めている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

パンチングウォールと呼ぶ壁は熱や音を制御するだけでなく自然光を優しく取り入れる装置でもあったため厚みを最小限とする必要があった。本体鉄骨材、内外装材および下地鉄骨材の精度がそのまま影響するため難度の高いものであった。高い技術によりそれぞれ工場で手作業により製作され、現場での組立工程も十分に練って施工に当たった。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

敷地は近隣の帰り道であり、回りの芝生で子ども達が遊び木陰では本も読める。地域の人が日常的に利用できる広場のような公共空間であるこの図書館は、敷地に対して周辺の住宅から距離をとったコンパクトな平面配置によって地域にオープンスペースを提供し、敷地全体を公園のような環境とした。全面道路と呼応した市街化されつつある金沢市の西部地域において新しいシンボルとなることが期待されている。

ユーザー・社会に伝えたいこと

この建物の独特の自然光によるワンルームのリーディングルームは、訪れる人々にとって、本との出会いを魅力的なものとします。図書館として、将来に渡って地域の住民にとって日常的に親しみのある空間となって、新しいタイプの公共空間として記憶に残る建築として生き続けてほしいと考えてます。建築は単純でも自然と共存しながら現れる空間に魅力があることで、将来に渡って永続的に空間の価値を社会に提供します。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

石川県金沢市寺中町イ1番地1
金沢海みらい図書館

審査委員の評価

パンチングウオールと呼ばれる小さな開口が無数の開いた均質な壁面は、印象的なファサードをつくると同時に、この図書館の内部の機能を表現している。その開口は内部では心地よい自然な優しい光を取り込み、熱や音を制御する働きもする。その大空間の中で、大量の本と物理的に向き合い、知的好奇心を揺さぶり静かな時の流れを感じる空間を提供している。いわば気持ち良く本を読むことの原点をつくり出しているとも言える。またコンパクトな平面配置によって地域にオープンスペースを提供し、夕刻からパンチングウオールの内部から漏れる灯りは地域に新しいシンボル性を与えている。

担当審査委員| 南雲 勝志   大島 礼治   黒川 玲   手塚 由比   堀井 秀之   森田 昌嗣  

ページトップへ