GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
障害者多数雇用施設 [ニッセイ千船ビル]
事業主体名
日本生命保険相互会社
分類
産業領域のための空間・建築・施設
受賞企業
株式会社大林組 (大阪府)
受賞番号
12GB10859
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

障がいのある人を積極的に雇用するために設立された、日本生命保険相互会社の特例子会社のオフィスビルです。全従業員127名中、113名が何らかの障がいを持たれています。障がいの特性に応じた個々の能力を発揮して頂けるように、就業上のバリアーを無くす施設環境の整備と、災害時の安全の確保に様々な工夫を凝らしています。

プロデューサー

日本生命保険相互会社

ディレクター

株式会社大林組大阪本店 建築事業部 建築設計部 近井務

デザイナー

株式会社大林組大阪本店 建築事業部 建築設計部 岡村吉展

詳細情報

https://www.nissay-nnc.co.jp/index2.htm

利用開始
2010年3月1日
販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

窓はプライバシー確保と熱負荷低減のため、熱線吸収ペアガラス(ユーログレー)とし、上部に水平庇を設けています。また屋上緑化・人感照明センサー・節水型衛生器具等を採用しています。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

居室扉は車椅子使用者が使い易いディテールの引戸としています。輝度差の小さい間接光主体の照明計画とし、視覚障がいのある方の羞明(しゅうめい:強い光を受けた際、不快感や痛みを生じること)に配慮しています。カウンター・手洗・鏡は立位者と車椅子使用者それぞれが使用しやすい2種類の高さにしています。体温調節・保湿力が低下した方の為に、居室は加湿空調を行うと共に、個室トイレも空調を行っています。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

社会参画のバリアーの一つとして公共交通機関での移動がありますが、障がいにあわせた特殊仕様の自動車での通勤ができるように、全従業員127名に対して78台分の駐車スペースを確保し、内54台分は傘をさすことができない車椅子使用者の為に、屋根付きの幅広駐車スペースとしています。トイレは車椅子・オストメイト対応の個室を20室設けています。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

既成の製品の使用方法を工夫することで、バリアフリーの実現に役立てています。病院で使用される寝台対応エレベーターを採用し、車椅子が同時に14台収容可能です。熱負荷低減を目的に、かつてオフィスビル等で多用されていた熱線吸収ペアガラスを採用し、道路からの視線を遮り、プライバシーを確保しています。廊下手摺を引戸部分で立ち上げることで、車椅子のブレーキをかけることなく扉を開閉出来ます。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

建築基準法やバリアフリー新法では障がい者の災害時の避難に必要な設備に関しては規定がありませんが、自主的に階段付属のスロープや、50台車椅子が収容可能な避難バルコニー、屋上退避スペースを設け、障がい者社会参画の社会基盤として、必要な避難設備を整備しています。

ユーザー・社会に伝えたいこと

ノーマライゼーションの思想に基づき1993年障害者基本法が定められ、障害者の社会参画が促進されています。何らかの障がいのある方がお互いの能力を出し協力しながら、安全に仕事をする社会参加の場として、当ビルの果たす役割は大きく、今後同様にバリアフリーデザイン・災害時の障がい者の避難安全設備に特に注力したビルディングタイプが新たな社会基盤として、益々必要になってくるのではないでしょうか。

審査委員の評価

障害をもつ方々を積極的に雇用すべく、さまざまな生涯に対して配慮がなされたオフィスの提案。ひとつひとつのバリアフリー技術は目新しいというわけではなく、どちらかというと地味なもののあつまりである。しかしながら、そうした技術をできるかぎり取り入れて、障害をもつワーカーの方々を総合的にサポートするような計画という点は特筆に値する。こうした取り組みは、これからのオフィスを考える上での規範のひとつになりうるだろう。視覚障害者に配慮した色彩計画が、結果としてシックな印象のインテリアを生んでいることが面白い。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   北山 恒   廣村 正彰  

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