GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
グループホーム型児童養護施設 [グループホームアスター]
事業主体名
渡辺チイ
分類
住宅・住宅設備
受賞企業
株式会社JWA建築・都市設計 (東京都)
受賞番号
12GA10646
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

この計画は、味の素スタジアム直近の郊外住宅地の一角に建つ4寝室からなる計6人の子供達が住まうグループホーム型児童養護施設である。従前の収容数優先のいわゆる「大舎式」児童養護施設(かつて孤児院と呼ばれた)とは一線を画し、健常者としてごく少人数にて、当たり前の感覚に準じて住宅地のごく普通の住まいに、静かにそして豊かに住まうことができるようなデザインを目指している。建築家は事業主と同一であり、予定された運営主体者との密な打合せを経て、プロジェクト完成に至ったことが特徴的である。東日本大震災後の社会空間におけるデザインとして、存在の意義を求めつつ建築の在るべき姿を探ったプロトタイプにしたいと考えた。

プロデューサー

渡辺 純

ディレクター

渡辺 純

デザイナー

渡辺 純

詳細情報

http://www.jwa-tec.com

利用開始
2005年4月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都調布市

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

人々の意識はかつてのバブル時代の浮かれた調子から昨年の東日本大震災を経ることで変化した。戸建て住宅感覚に近いこうした普通の佇まいにこそ大きな意味がある。見棄てられ精神的にも痛手を負った子供達が収容されている児童養護施設ながらごく身近に在ることにより、サステイナビリティも視野に入れる昨今の地域社会に対して、自身の社会問題解決として子供達に手を差し伸べ共生していけるよう契機づけとして建築実現を図った。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

児童養護施設としてあたかも戸建て住宅に見紛うことを積極的に求めている。ヒューマンスケールを求め、皮膚感覚の延長として身近な建築であることを図っている。拠り所となるようにと図り、大黒柱に近いものを敷地北東に位置させている。地に足を付けて「しっかりそこに在る」コーナー支持柱である。一方でエントランスキャノピーは支持柱によって、大らかに地域に対して開いており近所の住民たちに対する誘いの表情を見せている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

子供達6名は近所の公立校に通う。彼らにとって学校の友人達を大舎式の「施設然」とした雰囲気の建築へと迎えることははばかられる。ヒューマンスケールを持つ本計画のような戸建てに近い住まい空間に迎え入れる方が、ノーマライゼーション達成としても理にかなっている。アットホームに、敷居も低く気兼ねなく訪ねてもらえることは大変重要だ。建築として誇らしい佇まいにまで達している住まい空間が望ましいのは言うまでもない。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

全国にある児童養護施設のほとんどは「大舎式」であり6名収容のグループホーム型施設はまだまだ数少ない。しかし昔のように身寄りがなく「孤児」になったからとのことが理由ではなく「見棄てられ」精神的に痛手を負った子供が大多数を占めていることを考える時、今後グループホーム型のそれに対するニーズは強まるばかりである。よって本計画はこれからの社会ニーズに向けての格好の建築デザインモデル提供をなしたと考えられる。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

社会善を建築デザインも目指すべきである。特に「環境」に対して想いをはせる時、歯車が嚙み合った社会空間構築の重要さが浮かぶ。市民一人一人が互いのことをケアし合い、特に弱者に対する支援の意識を積極化する時、それはひいては無駄な出費、無駄なエネルギー消費を抑えこむことに繋がろう。ノーマライゼーションを図り、子供達が当たり前のように地域に融け込むことを意図した本計画は、環境に対する貢献も十分成していよう。

ユーザー・社会に伝えたいこと

一見華やかに見える現代日本の社会ではあるが、実は「見棄てられ」そして必然的に精神的な痛手を負った子供達が増加する現象と表裏一体の関係にある。数の供給を重んじたかつての「大舎式」児童養護施設は既に時代にそぐわず、グループホーム型式の小振りな戸建て感覚による施設が俟たれていた。本計画ではこうしたグループホーム型小規模児童養護施設に対し、プロトタイプとして正面から取り組んだ建築デザイン展開を図っている。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都調布市飛田給1-16-27 及び 株式会社JWA建築・都市設計
株式会社JWA建築・都市設計のウェブサイト
ウィキペディアの「児童養護施設」のウェブサイト 大舎式とグループホーム式の説明等あります
児童養護施設二葉学園のウェブサイト

審査委員の評価

東京の郊外住宅地の一角に建つグループホーム型児童養護施設である。従来の施設は収容数を優先した、いわゆる大舎式児童養護施設であったが、ここでは少人数を対象として、普通の住宅地に溶け込むように戸建て感覚で建てていることを評価したい。住まい空間も表現がモダンであり、トップライトを設けるなど豊かな生活が期待できる。住宅のスケールを持ち、周辺住居者との関係にも連続性が生まれている俊逸な作品である。

担当審査委員| 難波 和彦   安積 朋子   篠原 聡子   安田 幸一  

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