GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
ケヤキの前の集合住宅 [グランヴェルデ]
事業主体名
梅原秀之
分類
住宅・住宅設備
受賞企業
トレス建築事務所 (東京都)
トレス建築事務所 (東京都)
受賞番号
12GA10642
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

この建物は北側に甲州街道に面し南側は中低層の住宅群を従え、都市の動と静の狭間となるような敷地に位置しています。北向でかつ甲州街道という幹線道路は居住空間としては魅力的な要素とは言えませんが、この地域はケヤキが街並に季節感を与えながら生き生きと存在していることから、居住者には視覚的に季節を感じてもらうように開口部を積極的に作りました。住居内は仕切壁の無い南北の細長い形状で動と静を視覚的につなげるのと同時に風の通り道を確保し、可動家具によってスペース分けを行えるようにすることで、持続可能な用途対応と、居住者に対するニーズの多様性にも対応できる集合住宅となっています。

プロデューサー

トレス建築事務所 清水禎士+清水梨保子

ディレクター

トレス建築事務所 清水禎士+清水梨保子

デザイナー

トレス建築事務所 清水禎士+清水梨保子

詳細情報

http://www.tres-architects.com/works/architecture/ume/

利用開始
2011年12月15日
販売地域

日本国内向け

設置場所

杉並区上高井戸1-8-15

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

集合住宅建築の宿命として刻々と変化する居住者の生活スタイルにも対応することが求められます。ここでは賃貸面積40平米強の広さから居住者のターゲットを絞り込み、SOHOといった居住用途以外も対応できるよう間仕切り壁の無い住戸としました。また、戸境壁を乾式の耐火壁とする事でワンフロアをワンルームへの変化にも比較的容易に対応でき、シェアハウス等の広めの空間確保にも対応できるよう取り組みました。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

賃貸集合住宅は賃貸面積の広さで事業の是非を推し量る事が多々あります。その分、共用部等は最小限の広さでローコストに押さえることも重要なデザインとなります。ここでは最小限の広さでも共用部を単なる通過点ととらえるのではなく、各居室へ導くしつらえの場として、居住者に限らず訪問者も建物に入る前から期待感を持たせる演出をしています。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

賃貸集合住宅はあくまでも仮住まいであり、人生のすべてをそこで過ごす方は数少ないです。だからこそ通過点でもある賃貸住宅での生活は、形にとらわれない生活を楽しめる良い機会ともいえます。ここではあたりまえの日常生活の利便性快適性から大きく離れるデザインは極力減らし、疲れた体をいやし、「くすっ」と微笑んでしまうような、ささやかな楽しみのある生活をつくり出しています。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

避難のための外部階段、設備機器の設置場所としてのバルコニー、これらは必要不可欠でありながら人目につかない裏側に位置したり、表に出ても「避難階段」「バルコニー」と主張しているかのごとく存在しています。ここでは「避難階段」は甲州街道のケヤキに飛び込む踏み台のように、そして「バルコニー」はケヤキと対峙する巣箱の開口のように、デザイン転換させました。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

高齢化社会、人口減など、かつての経済成長を促していた社会とは逆転しつつある状況が唱われています。そこにはこれまでの生活スタイルとは違った新しいスタイルが生まれつつあり、これからは人と社会との接点が重要視されます。この集合住宅はそれらの変化に対しゆるやかにそして柔軟性をもって対応出来るように計画し、また、そうすることで建物の永続性をもたせることができました。

ユーザー・社会に伝えたいこと

デザインの持つ象徴性、求心性は、人々や社会に向けての明確なプロバガンダと言えます。特に建築という公共の目にさらされる外観などはその影響力は計り知れません。それに対し私達はこの集合住宅で人々に対して視覚的に訴えることがプロバガンダ全てではないと位置づけ、そこにある経済性、社会・環境、人々の生活といった内側の要素の集合体からデザインを行い、そのことから建物の持続性も持ち得ることが出来ました。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都杉並区
トレス建築事務所 ケヤキの前の集合住宅

審査委員の評価

交通の激しい幹線道路に面して立つ塔状集合住宅である。交通騒音から住戸を守るため、南北に二重のRC壁を建て、その間にバルコニーを置いて緩衝帯としている。この二重壁には正方形の開口が穿たれ、幹線道路に建つ欅の緑を垣間見せている。幹線道路に面した外壁の中央に縦の外階段を通し、ファサードのアクセントとしている。1フロア、2戸のワンルームマンションだが、界壁は解体可能な乾式防火壁なので、1フロア1戸に変えることもできる。さまざまな条件を単純な箱にコンパクトにまとめたキレのいい建築である。

担当審査委員| 難波 和彦   安積 朋子   篠原 聡子   安田 幸一  

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