GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|復興デザイン賞

受賞対象名
仮設住宅団地 [釜石・平田地区コミュニティケア型仮設住宅団地]
事業主体名
岩手県、岩手県釜石市、東京大学高齢社会総合研究機構
分類
住宅・住宅設備
受賞企業
岩手県 (岩手県)
岩手県釜石市 (岩手県)
東京大学高齢社会総合研究機構 (東京都)
受賞番号
12GA10559
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

高齢者、子育て層など、震災後ケアが必要とされる世帯を中心に、被災者が安心で快適に生活できる物的・医療福祉的・社会的環境の形成をはかるコミュニティケア型仮設住宅団地をデザインした。具体的には1)ケアゾーンを設定しウッドデッキでサポートセンター、商店街そしてバス乗り場を繋ぎバリアフリー化、2)向かい合わせの住棟配置とすることで近所付き合いの促進を図った、3)クリニック付のサポートセンターを配置し、さらに商店街も配置し生活に必要な機能を擁した仮設の「まち」とした、4)商業者、医療・福祉事業者、住民自治会、行政等からなるまちづくり協議会をたちあげ、弱者の見守りや居住者の共助活動を持続的に展開している。

プロデューサー

岩手県+東京大学高齢社会総合研究機構

ディレクター

岩手県釜石市+平田仮設団地まちづくり協議会+東京大学大学院都市工学専攻大方・小泉計画研究室

デザイナー

東京大学大学院建築学専攻西出・大月研究室+岩手県立大学狩野研究室

詳細情報

http://www.iog.u-tokyo.ac.jp/shinsai/shinsai.html

利用開始
2011年8月
販売地域

日本国内向け

設置場所

岩手県釜石市

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

大きなデザインの変更を加えるのではなく、仮設住宅を向い合せにするだけで長屋のようなコミュニティ空間が生まれること、生活に必要な施設を併設すること、ウッドデッキをはりバリアフリーにすることなど、簡単な工夫でも多様な関係者が協力すれば実現できるようなデザインを心掛けた。次に予想される大震災時にも汎用可能なデザインである。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

通常の仮設住宅は砂利敷きで住戸との段差が30cmほどある。本仮設住宅はケアゾーンを設定し、ウッドデッキをつけて段差を解消するとともに、サポートセンター、商店街そしてバス乗り場までをつなぎバリアフリー化した。また住棟を向かい合わせに配置しており、住民同士が挨拶をし声を掛け合う、人と人とのつながりを強め、近所付き合いを促している。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

仮設の「まち」には社会的弱者を支えるサポートセンターがあり、クリニックも併設しており(平日13時ー15時)、生活に必要な医療・福祉サービスが日常的に受けられる(ケアのデザイン)。また商店街・スーパーも配置し生活に必要な機能を住民に提供している。住民の満足度も高く、また医療関係者からも、高齢者の生活が安定しているとの評価を受けている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

通常の仮設住宅は、大手プレハブメーカーが供給の量とスピードをアップさせるためにプレハブ小屋を設置していくが、本仮設住宅は、地元企業が木造で建設したものである。地元企業との打ち合わせの中で、仮設の「まち」のあり方について議論をしており、このノウハウは、復興まちづくりへと引き継がれる(地元産業へのデザインノウハウの提供)。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

仮設住宅団地が完成した後も商業者、医療・福祉事業者、住民自治会、外部支援組織、行政担当からなるまちづくり協議会をたちあげて、弱者の見守りや居住者による共助活動を持続的に展開してる(コミュニティデザイン)。まちづくり協議会は、自分達の「まち」を仮設であっても住みやすくするべく、コミュニティカフェや環境改善活動などに日々取り組んでいる。

ユーザー・社会に伝えたいこと

避難所で出会った高齢者が「私は2度流される。1度は津波で、2度は復興の波だ」と訴えました。い(医療・ケア)・しょく(職・食)・じゅう(バリアフリー住宅)の機能が揃わなければ社会的に弱い立場の方は安心して暮らし、復興を目指せません。被災者自身がコミュニティを築き、支えあえる仮設の「まち」は、少しの工夫とみんなの協力で実現すること、また急ピッチで進む復興まちづくりへも適応可能であることを伝えたいです。

審査委員の評価

仮設住宅に居住する人々は、被災者ではあるが、その年齢や家族構成は様々である。そうした多様性に対して、面積以外での対応がほとんどみられない中、高齢者や子育て層など周辺からのサポートが必要な世帯に着目して、居住者同士の見守りや支えあいの構図を仮設住宅のゾーニングや屋根付きのウッドデッキの建築空間として実現している点は、大いに評価できる。また、仮設住宅地を単なる住戸群としてではなく、商店やクリニック付のサポートセンターなどを配し、ひとつの街として計画している点は、今後の仮設住宅の計画に重要な示唆を与えるものと言えるだろう。

担当審査委員| 難波 和彦   安積 朋子   篠原 聡子   安田 幸一  

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