GOOD DESIGN AWARD

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CC

2012

GOOD DESIGN|サステナブルデザイン賞

受賞対象名
UR賃貸住宅 [観月橋団地]
事業主体名
独立行政法人都市再生機構
分類
住宅・住宅設備
受賞企業
独立行政法人都市再生機構 (神奈川県)
受賞番号
12GA10563
受賞概要
2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

観月橋団地は京都市伏見区にある築50年を経たURの賃貸団地である。約3haの敷地に14棟の中層住棟が建ち住戸数は540戸。4棟は解体し新たな福祉機能や民間住宅等導入を図り、その他の10棟は団地内の高齢化や空住戸対策として、民間事業者と連携したリノベーションを実施。特に多世代居住を促進する若者層の居住者を拡大すべく、団地のトータル的なリ・ブランディングをはかり、ターゲット層に向けた戦略的な住戸プランの企画、設計から募集PRまで、民間のノウハウを活用した団地再生を実施。若者層からの大きな反響を得て多様な世帯が共存する団地として再生し、先進的な公団住宅の再生モデルとして各方面から注目を浴びた。

ディレクター

株式会社DGコミュニケーションズ

デザイナー

株式会社オープン・エー(馬場 正尊) 株式会社星田逸郎空間都市研究所(星田 逸郎)

詳細情報

http://www.ur-net.go.jp/kangetsukyo/

入居開始
2012年2月1日
価格

36,000 ~ 58,000円/月 (家賃)

販売地域

日本国内向け

設置場所

京都市伏見区桃山町泰長老

問い合せ先

独立行政法人 都市再生機構 西日本支社

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

既存の団地ストックを活用し、屋外環境や改修住戸では経年のデザインを踏襲することで、建替えに比べ多大な資源やエネルギーの節約となり、環境や地域への負荷も少ない。住戸は、通風や光環境の快適さを最大限生かした空間計画とした。また、新旧の住まい手の良き共存こそが環境のサステナブルの第一と捉え、屋外環境整備や住民へのヒヤリングなど、住民同士をつなぐ第2のフェーズに向けた仕掛けも開始している。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

既存住棟は、接地性や階段単位のグルーピングなど、高齢者や弱者(完全フラットなバリアフリー必要層と健常層の間には多彩な社会的・生活的弱者層が存在する)の暮らしに相応しい要件を備えている。また経年環境の持つ生活の継続性、思い出、肌合い、面白みなどを住環境の大切な要素として位置づけ積極的に保存・転用している。すべてレディメイドでなく、暮らしのセルフメイドを重視した舞台空間を用意した。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

コンパクトな面積の中で最大限広がりと快適性をもつ基本空間により豊かで創造性と自由度の高い生活がもたらされる。土間やオープンキッチン、素地感を活かした仕上げなど、団地に新しくバラエティに富んだ暮らしの価値観を提供した。また、空家の多い4・5階に若年世代を呼び込むことで老若のコミュニティ形成の種を植え、今後は外部環境の魅力付けなどによって発展的なコミュニティ形成が図れるような取り組みを継続する。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

これからの環境低負荷・サスティナビリティの時代に相応しい、団地リノベーションの労働と産業のあり方の模索ともなった。リノベーションの現場は、半システム・半アドホック、現場判断による手作り性・個人の判断力、現場に適したディテールや工法などが求められる。それを生かした設計・デザインの工夫、また現場を通して得た事が沢山あった。リノベーションの現場は新しい産業再編のための試験場であり、そのモデルとなった。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

資本主義の展開から環境の時代を経て、これからは開発・新築の時代から継続的リノベーションの時代へと移行する段階である。本プロジェクトは老朽化した団地が現代的価値観に合った住まいに変貌しうる発見を世にもたらし、実際に今までになかった都市型の世代(社会人単身者、女性単身、共働き層など)が団地居住の魅力に開眼し、既存の高齢者世帯と混ざり合うことで多世代の居住する環境に生まれ変わった。

ユーザー・社会に伝えたいこと

住まい空間の懐の深さや複雑さ:辻や露地、縁側や土間、家と近隣が触れ合える関係、幼児・子供・老人が身近に共存し人間形成できる環境を。住まい空間の生成変化への関わり:自ら考え手を掛ける住まい、四季の簾や障子、水打ちや道掃除などドラマや感受性、場と関わり自己を形成していける環境を。団地再生はこれからの時代の価値観とデザインの改革へのドラマに富んだ社会的なプログレスそのものである

どこで購入できるか、
どこで見られるか

京都市伏見区桃山町泰長老
観月橋団地リノベーションプロジェクト

審査委員の評価

日本住宅公団による初期の階段室型の低層の集合住宅は、間口も広く、完全な2面採光でコンパクトな面積ではあるが、そもそも住戸としての性能は高いと言える。そうした住戸に対して、何かをつけ加えるより取り去る手法で行われたデザインは、古い躯体やディテールを無理に隠そうとせず、むしろ時間の経過をデザインのリソースとしている点は、こうした団地のリノベーションに対して汎用的なスタンスを示したと言える。また、住戸の老朽化の状況に応じた改修が行われることにより、資源の節約と多様なプランを生み出している点で、評価できる。取組みの体制も、多様な人材のコラボレーションによって、古い団地が魅力的な生活空間に読み替えられている。ただし、これが住戸のリノベーションの留まるものなのか、団地全体の新しい構成を示してほしい。

担当審査委員| 難波 和彦   安積 朋子   篠原 聡子   安田 幸一  

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