GOOD DESIGN AWARD

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CC

2011

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
村山市総合文化複合施設 [甑葉プラザ]
事業主体名
村山市
分類
公共用途の建築物・空間
受賞企業
村山市 (山形県)
株式会社計画・設計工房 (東京都)
株式会社日総建 (東京都)
受賞番号
11G11059
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

山形県のほぼ中央に位置する人口約3万の村山市は、市立図書館の改築に併せて多目的ホールや子育て支援施設、研修室などを一体的に整備し、複合的な文化施設を建設することになり、2006年に設計者選定の公募型のプロポーザルを行い、市民参加型のワークショップを経て2010年開館しました。建築は、その中心に一辺約30m角の広場を設け、その周囲に図書館や多目的ホール、カフェなどを配し、2階に設けた回遊動線とともに囲い型の構成でできています。この広場を中心に隣接する「ふれあい広場」、本館のロビー、そして多目的ホールが大きなイベント軸を形成し、いろいろな催しに活用され、特に夏祭りには大変な盛り上がりをみせます。

プロデューサー

村山市 佐藤清

ディレクター

株式会社 計画・設計工房 高宮眞介

デザイナー

株式会社 計画・設計工房 高宮眞介 川島茂 吉岡寛之 株式会社 日総建 泉健一郎

詳細情報

http://www.shoyo-plaza.jp/

利用開始
2010年5月29日
販売地域

日本国内向け

設置場所

山形県村山市楯岡五日町14-20

問い合せ先

株式会社 計画・設計工房
Email: hiroyuki.yoshioka@song.ocn.ne.jp

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

建築がサステナブル社会に資する方法として、それが物理的に持続可能であることだけでなく、デザインも消費され捨てられないことが重要だと考えます。建物のスケルトンは鉄骨構造で「100年建築」にふさわしい仕様とし、インフィルの更新しやすさに配慮しました。一方、デザインとしては質の高い成熟した意匠を求め、素材の選択では、いつまでも光り輝くようなものよりも、古くなる良さ、年と共に風格を増す仕上げを求めました。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

1年の1/3を雪とともに暮らすこの地の人々のため、木の温もりなどを大切に、柔らかく優しい建築をめざし、採光も反射光や天窓からの光を多用しました。また建物の際は深い軒を巡らし、歩行用に雁木的な効果を期待し、広場には融雪装置を敷設しました。天井の高い図書館の開架室や多目的ホールは、滞在型の居住性に配慮し、床輻射冷暖房により居住域空調を実現し、快適性と省エネルギーの両立をめざしました。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

この図書館は単なる「無料貸本屋」に堕すことなく、市民の豊かな日常生活のために情報を提供する施設をめざしています。また、施設全体の企画運営も市民委員会を立ち上げ、市民参加型の試みが続いています。建物の両翼は、図書館やカフェ、研修室、調理実習室などプログラム上固定的な施設を配置していますが、中央の広場やロビー、多目的ホールは、このような市民の自主的で創造的な活用に資する場所としています。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

県内には首都圏に多くを供給している優秀な鉄骨のファブリケーターやPCメーカー、木工所などがあり、それらを積極的に採用しました。一方、建設業全体の受注工事高が激減した現状は、中央の大手建設業者が地方の中小工事にまで進出し、地方の建設業が疲弊する状況をもたらしています。当該工事は、市内の零細建設業者が結集して施工に当たりましたが、技術、経験、人材などのマイナス面を克服し、大変な努力によって完工しました

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

村山市は夏祭りが有名で、その時期は地区ごとのコミュニティの結束やコミュニケーションの強さを発揮します。この建築の広場はそのメイン会場になりますが、それを見るにつけ、日本古来の「鎮守の杜」がもっていたような建築を含む環境と地縁の大切さです。この人々が集う風景が子供たちの原風景となり、また建築を含めた佇まいが彼らにとって誇るに足るものとなり、文化的、社会的な資産として次世代へ伝承されるものと信じます。

ユーザー・社会に伝えたいこと

戦後65年、災害に強い安全なビルト・エンバイロンメントの構築を名目に、景観や風景を犠牲にして魑魅朦朧の環境をつくってきました。このたびの大震災と原発事故は、その安全神話を完全に否定するものでした。この応募作品は、その場所の地相、地縁に根ざし、風景の点景となるような普通の建築をめざしデザインしました。これからの日本がめざすべき成熟した社会にふさわしく、また村山の風景にふさわしい成熟したデザインです。

審査委員の評価

祭りやイベントとしての多目的ホールや子育て支援施設、研修室等多様な用途の為の図書館を、末永くサスティナブルに愛され使われ続けるために、初期プロセス段階から、子供達や市民の参加型ネットワークを作る等、その活動のプロセスが高く評価された。永い使用に答える為に工夫されたシンプルな構造とデザインや雪国の中での交流の場としてふさわしい温かい素材でまとめられたインテリアデザインも好評であった。

担当審査委員| 黒川 玲   南雲 勝志   山村 真一  

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