GOOD DESIGN AWARD

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CC

2011

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
建設業におけるビジネスモデル [職人大工集団を主体とした平成建設の内製化システム]
事業主体名
株式会社 平成建設
分類
ビジネスモデルのデザイン
受賞企業
株式会社平成建設 (静岡県)
受賞番号
11G14028
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

200名の建築職人集団を社内で育て、日本で唯一、建築のプロセスを「内製化」した建設会社のビジネスモデル。世界に誇る日本の木の文化。その伝統を創り上げた「大工」が激減し、優れた職人の不足が叫ばれる中、大工を育て、伝統・文化を守る組織を形成している。大工、鳶・型枠・鉄筋・土工、設計士、監督など建築にかかわる一連のプロセスをインハウスにおさめることで、ものづくりを基本とした責任・柔軟な発想・行動を軸とした建築を提供している。建築を「商品化」「工業化」することで生まれた重層的な下請け構造をあらため、多様化した社会の要望に応える一つの解答が「内製化」である。

プロデューサー

秋元 久雄

社長 秋元久雄

詳細情報

http://www.heiseikensetu.co.jp/

創業
1989年2月8日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

静岡県沼津市(本社)

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

職人の人口が激減する中、木の文化、技術を育て、守り、継承する集団として、大規模な職人の教育システムを確立し、現代の技術・道具と合わせ、21世紀型の棟梁(大工の長)を育て上げている。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

社内に職人工房を抱えることで、弊社の基準を満たす品質・安心・ものづくり精神を顧客に対して提供することができる。特に家づくりという過程において、営業や設計士だけではなく、監督や大工、基礎の職人なども顧客への安心・サービスを最初から最後まで途切れることなく提供することができる。また、大工の技術を活かした木の家、コンクリートの職人を活かしたRC住宅など多様な要望に対し、柔軟に応えることができる。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

自社の職人で建築をする以上、建築後のサポート(アフターメンテナンスなど)も自社で責任を持つことになる。施主の立場からは施工責任のたらい回しはあり得ず、現場では精度の高い施工、品質の高い工事をすることが当たり前になる。これらの一貫した建築システムにより、建築中のみならず、建築後の不安を解消することができる。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

平成23年現在、社員480名中200名が職人という一般とは異なる建設会社の形態を実現している。アウトソーシングがあたりまえの建設業では不可能と思われた職人の内製化を形成し、自分たちで「つくる」というものづくりの原点を通し、職人集団とともに建築をするという新しい経験を提供することができる。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

大工の減少による木の建築の衰退に歯止めをかけ、未来へ技術を伝えるために日本で唯一の大工集団を形成し、今後失われるかもしれない技術、木の文化衰退への警鐘を鳴らすことで、アウトソーシングという同じビジネスモデルに傾倒する建設業界へ影響を与える。

ユーザー・社会に伝えたいこと

1980年に98万人いた大工は2005年には54万人。内50歳以上が30万人である。つまり今後10年で大工は半減する。技術の習得に時間がかかる大工という職業が激減する現実に対し、工業化・マニュアル化で対応する一方、工業化では難しい多様化した社会の要望に対応する技術の継承、組織づくりを全国の建設会社が考えなければならない。その一つの手法が職人を育てる工房を持つ、内製化というシステムである。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

http://www.heiseikensetu.co.jp/

審査委員の評価

現在の建築業界は、元請けと下請けで分離され、元請けは主に上流を担う形になっている。また必要な職人はその都度アウトソーシングで揃えるスタイルが建設業では一般的である。同社のシステムはそうした構図から脱し、一体の集団として一貫した仕組みに変えようとした意欲的な試みである。社員480名中200名が職人という他にないビジネスモデルを維持し、大工という職人システムを内製化したことで、ものづくりに必要なスキルや経験を会得でき、信頼性の高い建物を建設することができる。減少していく大工という職能を、会社がリスクを負い、社員としてシステム化したモデルは新規性があり潜在的な可能性を感じる。賛否両論はあるだろうが、既存の建築業界への1つのチャレンジとして評価したい。

担当審査委員| 國澤 好衛   西山 浩平   吉田 順一  

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