GOOD DESIGN AWARD

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2011

GOOD DESIGN|サステナブルデザイン賞

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受賞対象名
プレオーガニックコットンプログラム [PRE ORGANIC COTTON PROGRAM]
事業主体名
株式会社クルック+伊藤忠商事株式会社
分類
ビジネスモデルのデザイン
受賞企業
株式会社クルック (東京都)
伊藤忠商事株式会社 (東京都)
受賞番号
11G14026
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

プレオーガニックコットンプログラムは、インドで貧困と農薬被害に苦しむコットン農家がオーガニック栽培(無農薬が3年間続く畑での栽培)に移行できるよう、農家、紡績会社、アパレルブランド、小売店、消費者が一体となり、農家に負担がかかる移行期のサポートを、ビジネスを通してサステナブルに運営するプロジェクトです。農薬を使わず収穫量が下がる分、オーガニック栽培支援費を綿花購入時に上乗せして農家収入をサポートするのに加え、オーガニック栽培農法の指導やオーガニック認証取得のサポートを行います。2007年に活動を始め、国内アパレル約40社が参加して、3年間でのべ2,500農家の支援を行っています。

プロデューサー

株式会社クルック 伊藤忠商事株式会社

詳細情報

http://www.preorganic.com

発売
2009年2月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

問い合せ先

株式会社クルック プレオーガニックコットン事務局
Email: preorganic@kurkku.jp
URL: http://www.preorganic.com

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

インド等の綿生産地では多量の農薬使用による健康被害や土壌汚染が進行しています。この問題は農薬を使わないオーガニック農法で解決しますが、オーガニック農法の導入には3年間無農薬で作物を育てる必要があり、その移行期間は農家に大きな負担がかかります。そこで消費者やアパレルブランドにこの事実を告知し、商品の購買を通じて問題解決に参加できる仕組みを一緒に構築することで、多様な人が参加できる運動体を作りました。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

通常の綿花栽培で使用する殺虫剤や農薬を使わないオーガニック栽培を推進していることから、皮膚病や呼吸器系の疾患を患うインドの貧困綿農家の生産者の健康被害を軽減。また、消費者が開発途上国の問題を知り、身近なものとすることが購買において責任を担うことに繋がり、選ぶことが社会貢献になっています。農薬の購入時の借金が不要になり、借金の重圧により自殺するインド農民の数の削減に繋がっています。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

インド綿花の生産状況や生産者の生活環境を明確にすることで信頼性と安全性が高まり、国を越えた生産者と消費者との関係が生まれます。インドの生産者がオーガニック栽培へ移行することにより生活環境や経済状況が改善し、消費者はプログラムを通じて環境問題や発展途上国の社会的問題を知ることができます。購買を通じた社会問題への取り組みにより、地球環境を意識した新しい形の社会参加型のライフスタイルを提案しています。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

世界の綿栽培の僅か1.1%である綿花のオーガニック栽培をプログラムを通じて拡大しています。アパレル企業が取り組みに参加し易いよう、訪印の現地アテンドや、小売店頭のディスプレイ提案まで、生産から販売まで一貫してサポートすることで、参加企業を増やしています。震災後、消費は自粛ムードとなり、厳しい状況でしたが消費が誰かのためになることの意味や意義が一つのムーブメントとなり受け入れられています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

プレオーガニックコットンプロジェクトはインドの綿農家と紡績工場、日本のメーカー、そして消費者まで全てが参加型のビジネスモデルであり、国際協調の下に成り立っています。消費者がオーガニック移行期間中に綿製品を購買することで、オーガニック賛同の意思表示ができ、インドの綿農家は無農薬栽培へ後押しされるという、消費者と生産者との新しいコミュニケーションスタイルとなっています。

ユーザー・社会に伝えたいこと

日常生活で何気なく購入する衣服の生産の裏側に、開発途上国の貧困層の健康被害や生活環境の悪化の犠牲があってはなりません。プレオーガニックコットンプログラムではトレーサビリティを明確にし、消費者に生産者の顔が見えることを大切にしています。生産者の顔が見えることで開発途上国の実状を知ることができ、一人一人の意識が向上することで、人と環境に配慮したサスティナブルな社会を選択することができると考えます。

審査委員の評価

このプログラムは、農家、紡績会社、アパレルブランド、小売店、そして消費者が一体となり継続性をもち社会的課題を解決していこうとするプラットホームのデザインである。また地球環境を意識した新しい社会参加型のライフスタイルのデザインでもあり、ビジネスを通してサステナブル社会を目指すプロジェクトである。農家への支援を生産の側面からだけでなく、流通や販売および消費に至るまでをサークル化させビジネス的にも循環する仕組みを構築し実現している。この循環によって開発途上国の発展だけでなく、途上国の実状を知ることなどで、日本人の意識も変容し生活の豊かさにもつながる。オーガニックというと日本ではまだ無農薬という意味合いが強いが、ナチュラルで持続性や倫理性もある豊かな新しい生活価値として発芽しつつある。そうした中、このプログラムはフェアトレードやエコロジーデザインの概念を越え、サステナブルな社会の実現に大きく貢献するものとして高く評価できる。

担当審査委員| 國澤 好衛   西山 浩平   吉田 順一  

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