GOOD DESIGN AWARD

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CC

2011

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
東京都現代美術館企画展 [名和晃平-シンセシス]
事業主体名
公益財団法人 東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
分類
パブリックコミュニケーションのデザイン
受賞企業
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 (東京都)
受賞番号
11G12025
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

先鋭的な表現を展開する彫刻家・名和晃平(1975年生)の個展。ビーズやプリズム、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなど流動的な素材・メディアを情報社会の感覚・思考のメタファーとして扱い、身体と知覚、感性のリアリティの表現としてBEADS/PRISM/LIQUID/GLUE/SCUM/DRAWINGなど12の空間を創出し、音楽やファッション、プロダクト・工学領域とのコラボ、パブリックアートや、渋谷西武・アニエスベー・BEAMS・スワロフスキ―・ゆず全国ツアー等との連携を通して、展示照明/インタラクション/展示支援/広報出版/企画連携など総合的なデザイン展開をポスト震災の現代美術領域で実現した。

プロデューサー

森山朋絵(キュレーター・東京都現代美術館企画係主任 学芸員)

ディレクター

名和晃平(彫刻家・SANDWICH代表)

デザイナー

豊永政史(グラフィックデザイナー・SANDWICH GRAPHIC)

名和晃平ポートレート 撮影:表恒匡

詳細情報

http://www.mot-art-museum.jp/koheinawa/

利用開始
2011年6月11日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

東京都現代美術館 企画展示室B2F・アトリウム

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

芸術領域がライフライン・福祉や医療に比べて軽視されることのないよう、新世代の創り手による新たな創造活動が広く発信・共有されることが必要である。心の豊かさが得られるだけでなく、企業との協働による新領域・技術の開拓、クラウドソーシングという新しいプロジェクトマネジメントデザイン、次世代照明の活用等による省電力デザインについて実現できるということを、すぐれたアーティストの個展の成果としてアピールできた。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

私たちの脳内だけに見える色彩が部屋ごとに移り変わっていく照明演出や、床のイメージを通常と全く変えたホワイトアウトするような空間を巡り、クリスタルビーズで覆われた剥製の表皮やプリズムで偏光されたモチーフの陳列を見ながら日常を離れた異空間に没入することで、デジタルとアナログを行き来する私たちの身体性やリアリティの感覚を再考させる展示デザインの試みである。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

東京都現代美術館の企画展示だけでなく、半蔵門線でつながった渋谷西武での大型ビルボード、ウィンドウディスプレイや、アニエスベー南青山店、新宿BEAMS B GALLERY、スワロフスキー表参道店、ゆず全国ツアーのステージデザインなど、複数会場で総合的に展開される展示と、それをつないで共有させる解説マップを配備したインフォメーションデザイン、人を往来させるリレーショナルデザインを提案する。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

今回の企画展の作品群には、3Dスキャナによる人間像や三次元触感デバイスによる大型彫刻、トラールや発泡ポリウレタン、シリコーンオイルの応用、多重プロジェクションによる多層空間の創出など、彫刻や空間演出の成立過程の中に産業や工学に関わるプロセスが内在し、純粋な作品制作というより企業(丸紅情報システムズ他)や研究機関(東京大学、慶應義塾大学他)とのコラボレーションデザインが非常に効果的に実現している。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

震災後の状況下にも展示エンジニアリングデザインの見地からLEDや特殊照明を採用し、結果として節電を実現した。また企業との協働による新領域・技術開拓や、創造のプラットフォームSANDWICHによるクラウドソーシングなどのプロジェクトマネジメントデザインが、公開制作や公開授業等の教育活動を通して広く発信・共有され、芸術活動もライフライン/福祉/医療と同様に重要視されうることを証明した。

ユーザー・社会に伝えたいこと

今世紀に入り、メディアテクノロジーによる表現領域は隆盛を見せ、社会への発信/アイデア外在化のためのデザインツールとして力を発揮しつつある。ポスト震災の現在美術領域に展開する創作活動として、新たな技術や豊かな発想による提案を実現するプラットフォームとしての本展で試みた、展示照明/インタラクション/展示支援/広報出版/企画連携などの総合的なデザイン展開を共有・活用してほしい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都現代美術館 企画展示室B2F・アトリウム・1Fホワイエ(2011年8月28日まで)
http://www.mot-art-museum.jp/koheinawa/

審査委員の評価

美術展の広報には紙媒体が有効なのは、実物を実際に見たいと思う願望と紙を手にとる触覚性が相似しているからであろうか。本作も紙媒体の使い方が非常に効果的である。取り扱っている現代美術作品のエッジ感や疾走感と同調し、個々の制作物の作業レベルの高さも去ることながら、展覧会に訪れる人の行動と心理を理解した全体の構成力に力を発揮している。

担当審査委員| 永井 一史   左合 ひとみ   タナカノリユキ   松下 計  

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