GOOD DESIGN AWARD

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CC

2011

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
道路信号機 [色覚異常者に優しいユニバーサルデザインLED信号灯]
事業主体名
九州産業大学、コイト電工株式会社
分類
公共用途の機器・設備
受賞企業
学校法人中村産業学園 (福岡県)
コイト電工株式会社 (静岡県)
受賞番号
11G10001
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

色覚異常は男性の20人、女性の500人にひとりの割合で存在し海外ではその割合が多い。色覚異常者の存在に配慮して信号灯の緑色はやや青色よりに設定されているが、黄色と赤色の区別は困難とされる。LEDに替わって省エネ、長寿命、西日擬似点灯などの多くの問題が解決したものの従来の電球式にあった透明感と明るさの違いというヒントが無くなり色覚異常者には一層判り難くなった。最も重要な赤色灯に特殊な×印のLED発光体を配列し100m離れると健常者には×が見え無くなり、色覚異常者にだけ×が見えて「必要な情報が必要な人にだけ届く」というユニバーサルデザイン信号灯を開発した。初めて見ても3色の違いが判る利点もある。

プロデューサー

九州産業大学 芸術学部 デザイン学科 落合太郎

ディレクター

九州産業大学 芸術学部 デザイン学科 落合太郎

デザイナー

九州産業大学 芸術学部 デザイン学科 落合太郎

落合太郎

発売
2011年4月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

300mmの信号灯を備える交差点で所管官庁からの発注により設置可能

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

省エネに優れるLEDによって環境性能が飛躍的に高まった交差点の信号機は皆で共有する社会インフラ。色覚異常者は特に位置が判り難い夜間では判別の困難を伴う。運転免許を取得させない国もあるがこうした社会差別は改善し、過度に色彩に依存しないような進化する社会デザインに注力すべきである。信号機の次世代ユニバーサルデザイン化は安易に人を排除するのではなく、インフラのほうで寄り添っていくべき視点に立脚している。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

色覚異常者が優れた能力を活かし、「健常者に見えないものが見える」という逆石原コンセプトで信号灯の色の識別を容易にした。従来のユニバーサルデザインの考え方を一歩進化させた。黄は交差点の直前で止まるか進むかの判断をする重要な信号であるが、赤はさらに止まれを示す最重要な信号である。3色の区別がすべての人々に明らかになることでより安全な交差点が実現し、潜在的な交通事故を未然に防ぐ社会貢献がなされる。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

電球信号の中央に色覚異常者が「ヘソ」と呼ぶ小円形の隈は、一般にはほとんど気づかれていないのと同じ状況で、逆石原コンセプトによって赤に仕組まれた×は健常者には見え難いように設定されている。色覚異常者にだけ×がくっきり見える「必要な情報が必要な人にだけ届く」デザインである。色覚異常者を排除することで得られる安全ではなく、健常者も色覚異常者もお互いの生活の質を担保する尊厳の分かち合いが重要である。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

近年のLED技術の進化に即応し、様々な色彩で高輝度化が可能になってきた。今後はより安価に指定色度での生産体制が進むと期待され、ひいては様々な都市環境・生活シーンへの安全対応に同技術によるデザインが応用されることを待望する。ストップ&ゴーの安全サインのシステムは道路・鉄道・航空などの交通分野のみならず、住宅・工場などの空間分野の細かなシステムに必要不可欠な存在であるため一定の産業波及が期待される。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

この信号機は単なる製品を越えた、社会運動を示唆するものである。日本の免許検定には適性検査があり色覚の検査もなされるが強度でも合格できるといわれている。しかし一般には色覚異常の人が黄と赤の信号が同じ色に見えていることは周知されておらず、この問題が不用意にメディアから流れるとより厳格な検査を要求する世論に発展し、時代の流れに逆行する。人間全てが公平な社会を享受する新しいインフラのかたちに貢献できる。

ユーザー・社会に伝えたいこと

信号機は世界共通の基準に基づいて設計されており、本件はCIE(国際照明委員会)にも有効な対策として認められISO共同出版の報告書に採用される予定。色覚異常者が健常者よりもむしろ優位に立つ「逆・石原コンセプト」を考案し、色彩差と明暗差の判別能力を効果的に組み合わせた独創的なアイディアで色覚異常の課題を次世代ユニバーサルデザインとして解決した。潜在的な交差点の事故を防ぎ、公共交通安全に貢献する製品。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

コイト電工株式会社本社工場

審査委員の評価

黄色と赤色の区別が困難とされる色覚異常者へ配慮したLED信号灯。省エネ、長寿命のLEDの採用により、従来の電球式の透明感と明るさの違いによる色の識別ができなくなり、色覚異常者には、一層黄色と赤色の差が分かりにくくなっている。そこで、この信号灯では、赤色灯に特殊な×印のLED発光体を配列し、100m離れると健常者には×が見えなくなり、色覚異常者だけに認識できるようにした。必要な情報が必要な人にだけに届くユニバーサルデザインによる信号灯の開発が評価された。

担当審査委員| 日高 一樹   五十嵐 久枝   森田 昌嗣   和田 達也  

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