GOOD DESIGN AWARD

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2011

GOOD DESIGN|サステナブルデザイン賞

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受賞対象名
賃貸長屋 [豊崎長屋]
事業主体名
大阪市立大学都市研究プラザ+吉田家
分類
住宅
受賞企業
公立大学法人大阪市立大学 (大阪府)
受賞番号
11G05001
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

大阪の原風景を残す長屋のデザインを見直し、住む場所としてリデザインする取り組みである。90年前に建てられた長屋群は建物の老朽化や住人の高齢化、空き家の増加などの様々な問題を抱えていた。しかし、大阪市立大学との出逢いをきっかけに、長屋の魅力や歴史的価値を見直し、住まいやまちを再生させる改修へと踏み出した。2007年から「長屋本来の魅力の再生」「住まいとしての改修」「耐震補強」の3つを柱とし、家主・大学・学生・地域住人が共に協力しながら継続して改修を行っている。この長屋群には、これからの住まいへの可能性やまちを再生させる「きっかけ」のデザインが詰まっている。

プロデューサー

公立大学法人大阪市立大学生活科学研究科 谷 直樹、竹原 義二、藤田 忍、小池 志保子

ディレクター

公立大学法人大阪市立大学生活科学研究科 竹原 義二、小池 志保子

デザイナー

公立大学法人大阪市立大学生活科学研究科学生 上原 充、菱川 菜穂、山田 久美、大塚 由梨子、丹治 麻奈美、松本 和喜、山川 公平、志野 千尋、末安 冬子、仲谷 拓也、蓑毛 あゆみ、板敷 文音+有限会社桃李舎+株式会社山本博工務店

一軒目の賃貸開始
2008年6月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

大阪市北区

問い合せ先

大阪市立大学生活科学研究科 竹原研究室

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

老朽化し、空き家になっていた建物を取り潰し、まったく新しいものに更新してし まうのではなく、耐震改修を施し、現代の住まい方に合うように直していくことで、廃れかけていた「住み継ぐ」という行為をよみがえらせることを目指した。また、一連の改修工事に学生が関わることでストック活用のノウハウ をもった人材の育成につながっている。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

豊崎長屋では、実際に身体で得られる感覚を大切にしている。江戸時代から受け継がれてきた長屋のスケールを用い、小さいながらも豊かに住まうことを考えたり、床材には木目の凹凸が感じられる材を使用し、心地よい肌触りの床を実現している。新たに加える材料には塗装を施さず、そのままの素材を使うことによって、人間が本来備えている感覚を日々の生活の中で体感することができる。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

失われていた庭を減築により取り戻すことで、建物の中に風や光が入ってくるようになった。それらは日頃忘れがちな四季の感覚を与えてくれる。長屋から一歩外に出れば、路地は日々の生活の情報交換の場であり、共に住むという意識が自然と芽生えてくる。大阪駅から徒歩15分、周囲には高層マンションが建ち並ぶ中、路地を介して繋がる長屋では地に足がついた生活が営まれている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

この改修プロジェクトは、非営利的な活動ではあるが、古い建物を保全、耐震改修する上で求められる技術の普及や、ストック活用のモデルケースとして、産業に貢献できると考えている。また教育機関が参加することで、改修のノウハウを蓄積するとともに、ストック活用力を持つ人材を実践から育成し、今後の長屋改修の足がかりとなることが期待される。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

豊崎長屋では改修を行うことで、建物の魅力を増し、空き家に新たな住人が入るようになった。その結果、お年寄りから若い世代まで幅広い層のコミュニティが形成され、高齢化していた地域の活性化に繋がることとなった。また、建物を新築するのではなく、今あるものを改修・再生することは、風景や生活の歴史を受け継ぐという文化的な側面だけでなく、建物の長寿命化という意味で、環境面からみても有効といえる。

ユーザー・社会に伝えたいこと

豊崎長屋は耐震補強による建物の再生、減築による採光や風通しの確保、住み継ぎによるコミュニティの維持など、リデザインによって魅力ある住まいへと生まれ変わった。日本に残る多くの木造住宅を再生するためのモデルケースとして、季節の移り変わりを感じられる生活空間、若者と高齢者が共に住み継ぐ居住空間を実現している。

審査委員の評価

再開発では決して実現できない、繊細な下町の雰囲気を残しながら、現代の生活、耐震性、防災の確保にも取り組んだ意欲的なリノベーションの試みである。大阪下町の長屋の再生計画として、ひとつの可能性を示した、プロトティピカルな提案として高く評価したい。

担当審査委員| 難波 和彦   千葉 学   手塚 由比  

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