GOOD DESIGN AWARD

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CC

2011

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅 [筒の家2]
事業主体名
伊藤宏
分類
住宅
受賞企業
岩堀未来建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
11G05072
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

南房総の海岸近くに新たに計画された分譲区画の一画。都心に住む御夫婦が週末住宅として使用し、将来は移り住む計画。100坪の広い敷地の真中に矩形の床を造り平らな屋根で大らかに覆った。屋根は、スパン13.2m、成90cmの木造合成梁を90cmピッチで9本並べて構成し、南北に抜けた開放的な筒状空間を造った。大開口から光が入り、風が通り抜け、天窓や高窓からの光は木造合成梁に反射して柔らかく落ち、内部は変化に富んだ住空間となる。平面は梁下までの家具・建具により緩やかに分節されるが、梁成の空間で音や気配が伝わることで空間の一体感が生まれる。庭や街並に開放された空間は内外が一体化した生活を可能にする。

ディレクター

岩堀未来

デザイナー

岩堀未来

詳細情報

http://www.iwahorihideki.net/

利用開始
2011年3月12日
販売地域

日本国内向け

設置場所

千葉県

問い合せ先

岩堀未来建築設計事務所
Email: info@iwahorihideki.net
URL: http://www.iwahorihideki.net/

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

空間のフレキシビリティ、シェルターの高性能化、自然環境や街並との魅力的な関係について取り組んだ。無柱の筒状空間は将来の使い方の変化に伴うプラン変更を容易にする。外断熱・基礎断熱による熱橋の無い断熱、外壁屋根通気による排熱と除湿、蓄熱式床暖房による輻射暖房などシェルターを高性能化し快適性、耐久性を確保した。開放的な空間により採光や通風や視線の抜けを作り出し自然環境や街並との魅力的な関係を作り出した。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

南北の大開口から入る質の違う光、天窓や高窓から木造合成梁に反射して入る間接光、梁下の空間を南北に通り抜ける風、梁成の空間を東西に通り抜ける風、梁成の空間で伝わる音や気配、蓄熱式床暖房によるほのかに暖かい輻射熱、庭や街並と連続する視覚的な開放性など、光、風、熱、音、気配、視線の抜けなど目には見えないエレメントが身体に働きかけ、無意識のうちに心地よい関係を覚えるようにデザインしている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

一体感がある開放的な空間では、内部に居る人同士が違う場所に居て適度な距離感を持ちつつも、何となく気配が伝りつながっているような感覚が生じる。また外部に対して開放的な空間は内の人の気配を何となく外に伝え、また外を通る人の気配は何となく内に伝わってくる。このようにして家族同士や地域の人たちとの関係を緩やかに作り出すようにしている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

この住宅はほとんどの部分にあえて工業製品の部品を使用し、それらをアセンブルすることで構成している。外装材、屋根材、断熱アルミサッシ、アルミシャッター、アルミ採光通風雨戸、構造用合板、キッチンなど全て工業製品である。各分野毎に進化した工業製品は、住宅という複雑なシステム中で統合され生活と関わることでその性能の真価が問われる。よってその問われた価値を新たな製品の開発にフィードバックすることができる。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

開放的な住空間は住人と地域(他人)との関係を少しずつ緩やかに関係づける。このような開放的な住空間の提案は個人の生活と社会とを結びつけるきっかけとなる。光、風、熱、音、視線、気配など目に見えないエレメントのバランスと豊かな変化を敏感に感じとれる空間の提案は、環境エレメントが個人の生活に如何に豊かさをもたらすかを生活の中で認識することができる。

ユーザー・社会に伝えたいこと

目新しい形や空間を持つ建築は目立つがその消費のスピードも速い。現代で問われているのは、もっと普遍的な光、風、熱、視線、音、気配など目に見えないエレメントのバランスと豊かな変化を敏感に感じとれる開放的な空間をシンプルに創造することである。その過程を通して生まれる新しい空間の質や生活のあり方、人との関わり方を創造することが建築家の使命であり、そのような価値を認識することがユーザーの使命であると考える。

審査委員の評価

ゆったりとした敷地を活かして、南北に開放された一室空間的な別荘である。工業部品を組み合わせた単純明快な構法と周到な室内機構制御技術を高く評価したい。

担当審査委員| 難波 和彦   千葉 学   手塚 由比  

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