受賞ギャラリー
2011
グッドデザイン賞
ダイニングセット
crypto
受賞対象の詳細
クリプトメリアジャポニカ(日本の隠された財産)という学名を持つ「杉」材を使用し、一般家庭用ダイニング家具『crypto(クリプト)』は製作されている。今回対象とした「杉」は、間伐材や節が入った材であるが、それらの活用は環境に配慮することを意味している。また、そのような材の魅力を活かすため、あえてカジュアルなデザインを心掛けた。「普段着の暮らし」に合うようなデザイン、そして子供からお年寄りまで安心して使って頂けるように丸みを帯びたフォルムに仕上げている。
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プロデューサー
飛騨産業株式会社 代表取締役社長 岡田 贊三
ディレクター
飛騨産業株式会社 デザイン室長 中川 輝彦
デザイナー
有限会社 川上デザインルーム 川上 元美

川上元美
詳細情報
発売
1970-01-01
価格
42,000円 〜 210,000円 (チェア42,000、テーブル210,000円)
販売地域
国内
デザイナーの想い
日本は戦後、広葉樹を伐採し針葉樹を植える拡大増林政策を行った。今となっては林業は衰退し、その頃植林した木材は伐期齢を迎えているが、放置しているのが現実と言えよう。そのことが生物多様性を含む、あらゆる日本の環境問題に直結していると言える。そこで美しい地球環境を次世代へ確実に渡してゆけるように杉の家具の開発に全力を注いでいる。
開発・企画について
サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと
日本の山から伐採した杉を使うことで、日本の山林の環境と林業を守っていきたい。そのため、椅子のフレームや背板、テーブルの脚など構造上強度の要する部分にも耐えられる圧縮工法の技術向上と構造の工夫とデザインで杉を目いっぱい使った家具作りを行った。より杉材を活用できるように、金属脚などの異素材に頼ることのない家具は、森林を循環させたいという想いを追い求めた形からきている。
使用者、社会等への取り組み
「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること
ダイニング家具として使い勝手の良いものを目指した。岐阜県の生活技術研究所と共同研究を進めている人間工学のノウハウを活かしている。
「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること
寄木天板の場合、見た目の面白さだけではなく、木口を表面に出すことは効果的な浄化力を発揮することが、京都大学の川井教授の研究から実証されている。室内の空気浄化作用や調湿効果に期待できる。
「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること
これまで付加価値があるとはみなされなかった間伐材等を高級家具に活用した点。
「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること
荒廃してゆく地球環境を保全することは近未来への火急な命題と捉え、国産材で家具を製作し、山林の循環と活性化、二酸化炭素の吸収と排出量削減への貢献できる点。
どこで購入できるか、
どこで見られるか
飛騨の家具館 東京・大阪・名古屋・北海道・福岡・高山
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
山本 秀夫岩崎 一郎川上 元美橋田 規子
評価コメント
杉材の間伐材や節のある部分をも使い、その魅力を引き出して、普段着の暮らしに合う家具としての適用を模索したもの。針葉樹のデメリットな部分を、乾燥や圧縮技術の開発、寄せ木天板の開発で強度を増すなど、国内の杉や森林を循環をさせることは、環境に配慮することである。
