GOOD DESIGN AWARD

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CC

2011

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
母子健康手帳 [親子健康手帳]
事業主体名
博報堂生活総合研究所 島根県隠岐郡海士町 株式会社studio-L
分類
健康・ケア、育児・介護用品
受賞企業
株式会社博報堂 生活総合研究所 (東京都)
受賞番号
11G01065
受賞概要
2011年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

共働き世帯の増加、産科医不足、産後うつの問題など、日本の育児環境は厳しさを増しています。全ての母に配布される母子健康手帳はこれらの課題解決に貢献できるはずです。そんな思いから、海士町をはじめ全国のお母さんお父さんの声に耳を傾けてリデザインした新しい母子健康手帳です。医療・健康の記録を残せる記録欄、夫婦での子育てを後押しする情報やイラスト、妊娠・出産・育児の必須知識を確実に伝えるための情報の編集、精神的負荷の大きいお母さんを支える癒しコンテンツ。新しい機能とデザインで、お母さんお父さんが育児に悩んだとき、心が折れそうになったとき、何度も立ち返る場所として、この手帳が役立つことを願っています。

プロデューサー

博報堂生活総合研究所 筧 裕介

ディレクター

博報堂生活総合研究所 高橋哲久

デザイナー

design factory 小島竜介+博報堂生活総研 小林舞花+博報堂 杉山ユキ+studio-L 西上ありさ

詳細情報

http://mamasnote.jp

利用開始
2011年4月1日
価格

130円

販売地域

日本国内向け

設置場所

島根県海士町、栃木県茂木町他全国各地の地方自治体

受賞対象の詳細

開発・企画について

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと

持続可能な社会とは、誰もが安心して子どもを産み育て、次の世代へとつなぐことができる社会だと言えます。育児格差が広がっています。経済面だけでなく、情報面、産科・小児科へのアクセスなど医療面の格差も顕著です。海士町には産科医・小児科医はいません。全国の全妊婦に配布される母子健康手帳が、情報面の格差を埋め、必要な人に行政が手を差し伸べるためのセーフティネット機能を果たせる存在になることを目指しました。

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

産後うつの増加があらわしているように、育児に関する精神的負担が大きい時代です。お母さんの育児の喜びを増やし、不安を減らすために「お祝いメッセージ」「記念日カレンダー」「育児の名言」ページなどのオリジナルコンテンツを盛り込み、お母さんが楽しんで書き込み、育児に悩んだとき立ち返る場所となることを目指しました。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

母のものと認識されがちな手帳を、「父を含めた親子のもの」と捉え直し、男性の育児参加を促す効果をねらいました。通称を親子健康手帳(正式名称:母子健康手帳)とし、様々な動植物の家族をモチーフにしたイラストを用い、父親向けの情報を多数掲載しました。また、海士町では、島内に高校が1つのみで、中学卒業後に親元を離れる子も多いため、親から子への思い出と医療記録の継承を促すこともこの手帳の大切な役割です。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

今後の急激な人口減少は日本経済を停滞させる危険性を秘めています。過疎地域に指定されている海士町では50年前は約7,000人いた人口が今やその半数以下です。労働人口を維持する策の一つが、女性が子どもを産みやすい働きやすい社会システムの構築です。この手帳が男性の育児参加を促し、女性の負担を軽減することで、人口減少時代の日本経済を支える社会システムの一部として機能することを目指しています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

育児のセーフティーネットとして、日本社会に貢献できるものを目指しました。全ての妊産婦に必要な時期に必要な情報を確実に読んでもらえるように、言葉、図表、レイアウトを工夫しました。妊娠しても手帳を受け取りに来ないため、行政の目が届かない妊婦の存在が問題になっています。その数を減らすために、多くの人が欲しいと思い、行政に足を向けたくなる気持ちを喚起できる審美性を追求しました。

ユーザー・社会に伝えたいこと

「母子手帳って変えられるんですね」。このプロジェクトで出会ったママ、デザイナー、記者等様々な方から同様の言葉をもらいました。日本にはデザインの手が加わっていないことで、ポテンシャルを活かしきれていないものが多数あるはずです。その代表が妊娠・出産・育児という人間の根源的活動を支える母子健康手帳です。今回リデザインした手帳が日本の育児環境の改善に貢献し、デザインの可能性を広げることを願っています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

地方自治体の母子保健課等の窓口にて交付

審査委員の評価

母子手帳という、女性がある時期に限り必要とする対象を取り上げ、社会の移り変わりに対応し、母親だけでなく、父親も参加できる手帳としたところは高く評価したい。父親が母親に変わり、子供を育てるケースも珍しく無い昨今、母子手帳という名前を、例えば「親子手帳」とかに変更するところまで踏み込んではどうだろうか。手帳のデザインはグラフィカルな楽しさにあふれ、新しい命を迎える気持ちが伝わり、清々しい。

担当審査委員| 高尾 茂行   川島 蓉子   須藤 玲子   渡辺 弘明  

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