GOOD DESIGN AWARD

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2010

GOOD DESIGN|グッドデザイン・フロンティアデザイン賞

受賞対象名
無動力微生物処理 [水撃現象を応用したアオコ処理に関する研究]
事業主体名
日本大学生産工学部土木工学科遠藤研究室
分類
グッドデザイン・フロンティアデザイン賞
受賞企業
日本大学 生産工学部 土木工学科 遠藤研究室 (千葉県)
株式会社ワイアンドケイ企画 (千葉県)
受賞番号
10F01007
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

富栄養化した水域では水面が濃い緑色となり悪臭や景観の悪化、飲料水への混入といった環境問題を起こすアオコと呼ばれる微生物の異常増殖現象が発生している。本課題は持続可能な社会の構築のための自然再生エネルギーを用いた水域環境改善に資する技術開発のための取り組みで、水撃現象を工学的に発生させその時の衝撃的な「水撃圧」を用い水域に増殖した有害微生物の連続的破砕処理法の研究である。水撃圧を用いると高所への揚水も容易にできるが、ここでは流体中の伝搬速度が著しく速いという特性を生かし水中の微生物処理に適用した。その効果は顕著で衝撃を受けた微生物細胞は破砕され生命維持が不可能となり増殖の抑制効果が期待できる。

プロデューサー

日本大学 生産工学部土木工学科 遠藤研究室 教授 遠藤茂勝

ディレクター

日本大学 生産工学部土木工学科 遠藤研究室 教授 遠藤茂勝

デザイナー

日本大学 生産工学部土木工学科 遠藤研究室 教授 遠藤茂勝/研究員 濱田龍寿+株式会社ワイアンドケイ 企画 環境部技術課長 濱田龍寿

詳細情報

http://www.civil.cit.nihon-u.ac.jp/~endo/index.html

研究開始日
2005年4月1日
問い合せ先

日本大学生産工学部土木工学科遠藤研究室
Email: endo.shigekatsu@nihon-u.ac.jp
URL: http://URL: http://www.civil.cit.nihon-u.ac.jp/~endo/index.html

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

CO2の排出を伴わない自然再生エネルギーの利用によって水中の微生物を瞬時にしかも連続的に破砕し増殖を抑制して水質の悪化を防ぐことができる低炭素社会の持続的発展が可能な技術を構築することを目標とした。

デザイナーのコメント

生命に必要な水資源の確保、水辺環境の維持という視点から水質や水域汚染の改善は緊急な課題である。水域環境の改善を図る目的で、環境への影響が少なく低コストでアオコなどの微生物を破砕させるための生命工学的考察から水撃圧の微生物処理への適用を考えた。水撃現象は動力を用いることなく発生させることができるので、実用化や大規模化も容易で、深刻化する水不足や水質汚染への対策の一助と考えている。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

温暖化により富栄養化したダムや湖沼では藍藻などの植物プランクトンが大量増殖し、近隣への悪臭被害、景観阻害、飲料水への混入などといった現象が現れ水環境悪化への影響や人々の生活をおびやかす状況が進行しつつある。このような状況から貯水池や水質の管理者および水利用者や住民に対して将来に渡って安全な水の供給が阻害されることのないよう研究開発に取り組んでいる。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

研究開発の結果、無動力で水撃圧を発生させる装置を応用して、アオコに衝撃圧を作用させ完全に破砕させることができ、その増殖を抑制することができることを実証した。従来からアオコ処理について種々試されているが、本方法は電力、燃料を全く使用せずCO2を排出することもなく自然再生エネルギーを用いた手法であるため、他の方法と比べて環境への影響がなく、ランニングコストも殆どかからずエコ社会の構築に貢献できる。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

温暖化による気候の変化などにより、陸域では貯留水の減少などによって水不足となることが予想され、そのために多くの水を貯水池やダムによって確保しているが、最近の温暖化によってそれらの水域に微生物が増殖し水質が著しく低下しそのままでは利用ができない程悪化している。本研究は水そのものや環境に影響を与えることなく水撃圧の応用によりCO2を全く排出しない微生物処理の方法を実現した。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

日本大学生産工学部土木工学科遠藤研究室
http:URL: http://www.civil.cit.nihon-u.ac.jp/~endo/index.html

審査委員の評価

薬剤や燃料を使わずに重力だけでアオコが除去できるのは大変面白い。アオコとは、ダムや公園の池に発生する藍藻などの植物プランクトンが大量に発生する現象で、悪臭をもたらし、近隣に住む住民に被害を及ぼす。現状では放置されるか、抜本的な解決策が見つからず、さまざまな方法が試行錯誤されているが、アオコの除去コストが高いことが既存技術の普及の足かせになっている。本処理技術は、重力を生かして駆動するパイプを取り付けた極々簡単な弁だけで、この問題を解決できる可能性を秘めている。水撃ポンプ自体は昔からある技術だが、水圧や部材をアオコの細胞膜を破壊できるようにチューニングすることで、新たな社会的な効用を生み出しているところが評価に値する。自然再生エネルギーだけで処理ができるのでBOP社会にも展開が可能な技術である。普及のメカニズムの開発に今後大いに期待したい。

担当審査委員| 松井 龍哉   安次富 隆   タナカノリユキ   西山 浩平  

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