GOOD DESIGN AWARD

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CC

2010

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
広場 [旧佐渡鉱山 北沢地区工作工場群跡地広場 および 大間地区大間港広場]
事業主体名
佐渡市
領域/分類
社会領域 - 土木・環境関連施設
受賞企業
株式会社文化財保存計画協会 (東京都)
有限会社イー・エー・ユー (東京都)
ナグモデザイン事務所 (東京都)
受賞番号
10D07001
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

日本海に浮かぶ佐渡ヶ島に所在する旧相川町は、幕府直轄領となった鉱山都市であり、近世の都市骨格を色濃く残す町である。明治以降も日本で最も早く鉱業の近代化が進められ、生産量・技術ともに日本国内の貴金属鉱山をリードする存在であった。平成元年まで操業を続けた旧佐渡鉱山には、一連の施設群が良く残っており、国指定史跡としての保護がはかられている。今回の応募対象は、新たなまちづくりの舞台として、旧佐渡鉱山全体の一大拠点となった北沢地区および鉱石や資材を搬出入した大間港の一部について、周囲に残る歴史的施設群と一体的な広場としてデザインしたものである。

プロデューサー

佐渡市(観光課、世界遺産推進課)

ディレクター

篠原修(政策研究大学院大学教授/アドバイザー)+株式会社文化財保存計画協会(計画)+新潟県教育庁文化行政課世界遺産登録推進室(調査指導)

デザイナー

崎谷浩一郎、安仁屋宗太(有限会社イー・エー・ユー) 南雲勝志(ナグモデザイン事務所)

左から安仁屋宗太、南雲勝志、崎谷浩一郎

詳細情報

http://www.eau-a.co.jp

利用開始
2010年4月18日
販売地域

日本国内向け

設置場所

新潟県佐渡市相川

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

あらゆる来訪者が、直感的に、素直に感動を覚える場所をつくること。今まで感じたことが無いような圧倒的な風景を体感できる場所をつくること。また、それらを可能な限り史実に基づいて構成すること。さらには、この場所がまちづくりの新たな舞台となり、地域に生きる人々の心のよりどころとなり、誇りとなって未来へ息づくこと。

デザイナーのコメント

デザインがまちにできることは何か。高齢化、過疎化が進む日本の地域社会は至るところでその崩壊の危機が叫ばれている。まちは次に進むべき道を見失い、路頭に迷いつつある。中央集権社会の中で、消費と経済の波に押され、時代に埋もれてしまった地域本来の価値を掘り起こす。地域に生きる人々の暮らしの中に普遍的な価値・誇りを取り戻し、後世へ継承していく。それこそがまちづくりにおけるデザインの使命であろう。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

公共広場のため、国内外問わず、佐渡ヶ島および佐渡金銀山を訪れる観光客・訪問客など、その場所を初めて目にすると思われる不特定多数の利用者を想定している。また、日常的な活動の場として、散歩や余暇を過ごす場所でもあり、相川に暮らす生活者も使用者・利用者として想定している。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

整備以前は、柵で仕切られた荒れ地であったため、外からの来訪者や地域住民も立ち入ることが無く、その存在すら忘れかけられていた場所が、埋もれていた鉱山関連遺構とともに広場として開放されたことにより、広く来訪者を受け入れ、今まで見たこともないような風景を感じることができる場所となった。また、そのことにより、イベントなど地域住民の活動の場、もてなしの場として創出され、まちの活力、PRへとつながっていく。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

その場所が、地域に暮らす人々の活動の場であるとともに心のよりどころとなり、時代の変化に流されない不動の価値を持った空間として創出され、本物の‘地域資産’として後世に継承されていくことを目指した。長年、土や草木に埋もれていた遺構を発掘調査によって掘り起こし、訪れるあらゆる人々がその場所にしかない「本物」に触れることができる広場を実現し、地域の日常の中に溶け込む状態こそが課題解決の糸口と考えた。

審査委員の評価

世界遺産登録へ向けて最終段階まで近づいている佐渡の鉱山跡地を一般公開するための広場計画である。北沢地区での明治、昭和の階段状製錬所やシックナーの遺跡は圧巻であり、和太鼓等のコンサートなどにも使用されている。雄大な遺跡を仰ぎ見ることができる広場は、その歴史的景観を尊重しながら、自己主張せず、工場痕跡をシンプルに対峙させることによって、より回りの状況を際立たせている。シンプルなデザインの中で、手すりやベンチ、サインなどのデイテールと質感が広場全体を昇華させることに成功している。将来の佐渡島を考えて、こうあるべきという姿勢をここで示したことに大きな意味がある。この広場が示した方向性は、今後佐渡島全体の観光地化が進むときにめざすべき指標となるようなプロジェクトである。

担当審査委員| 南雲 勝志   森田 昌嗣   安田 幸一  

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