GOOD DESIGN AWARD

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CC

2010

GOOD DESIGN|中小企業庁長官賞

受賞対象名
ローカル鉄道駅のリノベーション [土佐くろしお鉄道 中村駅 リノベーション]
事業主体名
土佐くろしお鉄道株式会社
領域/分類
社会領域 - 公共・文化教育関連施設
受賞企業
nextstations (東京都)
土佐くろしお鉄道株式会社 (高知県)
受賞番号
10D06009
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

四万十川の畔にある、築40年のRC造駅舎を持つ鉄道駅のリノベーションである。公共交通や地方都市を取り巻く現在の状況を鑑み、次の時代の身の丈に合ったデザインを、利用者の視点で目指した。建築面積を増やさずに実質的な空間を拡大するため、改札口を撤去し、プラットホームの一部を待合いスペースに改装した。駅では見知らぬ他人同士が高密度に集い、「見る/見られる」関係が保たれている。彼らがより美しく見える照明の演出を施し、駅にしかない空間の価値を創造した。さらに、混乱しがちな掲示物やサインなど情報の優先順位を明確にし、現場関係者が継続的に空間の質を維持できるルールを構築した。

プロデューサー

川西康之 + 栗田祥弘 + 柳辰太郎 / nextstations

ディレクター

川西康之 + 栗田祥弘 + 柳辰太郎 / nextstations

デザイナー

川西康之 + 栗田祥弘 + 柳辰太郎 / nextstations

左から、川西康之+柳辰太郎+栗田祥弘

詳細情報

http://www.nextstations.com

利用開始
2010年3月20日
販売地域

日本国内向け

設置場所

高知県四万十市駅前町7-1 土佐くろしお鉄道 中村・宿毛線 中村駅

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

「公共の精神」を取り戻したい。地方都市では、大型商業施設や道路の整備が急速に進み、昔ながらの商店街がシャッター通りと化し、人の顔が見えなくなっている。見知らぬ人とコミュニケーションできることが「公共の精神」のひとつとすれば、旅人が行き交う鉄道駅は地方都市にとって最後の希望だ。いつも活き活きとした表情に溢れた駅を目指して、見る/見られる都市空間をローカル駅に実現した。

デザイナーのコメント

地方都市の疲弊は、絶望的な状況だ。モノや金に頼らず、ヒューマンと議論が尊重された方法論のが一筋の希望をもたらすだろう、と私たちは信じている。その地域だからこそ、実現+維持できる公共空間を再定義したい。都会の人々が羨ましがるような「地方都市復権の時代」を具象化した鉄道駅を作りたかった。似たような状況の都市は世界中にあり、ローカルの問題をグローバルで考えたい。次は世界のどこかで駅を再構築する。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

少子高齢化と過疎化が顕著な当地では、特にお年寄り、高校生など学生、いわゆる「交通弱者」が主なユーザー。四万十川を訪れる観光客、お遍路さん、中村市街へのビジネス・用務客も多い。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

自宅や自家用車のようなプライベイト空間の質に対抗できる、上質なパブリック空間を目指した。鉄道駅という「公共空間だからこそ」最高の四万十ヒノキを活用し、心地よい緊張感ある空間を目指した。学生さんには学校帰りに駅で自習できるように、ヒノキ製の机と椅子を用意し、お年寄りが安心して利用できるように、見通しの良い空間が維持できるルールを策定した。ローカル駅にしかない「待ち時間」は着実に変わりつつある。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

パブリック空間が「戦略と競争力」を持たなければならない。大都市の駅には真似ができない、利用者が少ない当駅でしか提供できない価値とは何か。お客様ひとりひとりをもてなすよう、過ごし方に合わせて多彩な家具を配置することはもちろん、人の肌を彩る照明デザインを取り入れた。通常の商業施設は商品を照らし、飲食店はテーブルを照らすが、当駅では人の表情にスポットが当たり、駅構内と都市空間が一体化してゆく。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

土佐くろしお鉄道 中村・宿毛線 中村駅
http://www.nextstations.com

審査委員の評価

中央集権から地域分権と移行が行われつつある中、地域は未だにその独自性を計るため試行錯誤している。中央が作り出した価値観を越えることはそんなに簡単ではないからだ。このくろしお鉄道中村駅のリノベーションはそんな不安な気持ちを一変させる気持ちよさを持っている。完成した中村駅をみると地方鉄道にしか出来ない事を楽しんでいるかのようだ。あるいは大手鉄道会社に対する中小鉄道の挑戦状とも受け取れる。そして利用者は実に気持ちよく自然にこの空間を利用している。おそらく大切な事は大胆な発想と少しの勇気、それを許容してくれるクライアントが存在することだ。中村駅はそんな希望を全国に与えてくれた。

担当審査委員| 南雲 勝志   森田 昌嗣   安田 幸一  

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