GOOD DESIGN AWARD

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CC

2010

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
展示館 [中国2010年上海万博ベストシティ実践区B4エリア展示館]
事業主体名
中国2010年上海万博
領域/分類
社会領域 - 公共・文化教育関連施設
受賞企業
HMA建築設計 (海外)
受賞番号
10D06004
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

2010中国上海万博ベストシティ実践区内B4エリアに位置する展示館。ベストシティ実践区とは「持続可能な都市」をテーマとし、パリ・バルセロナ・大阪など世界各国の都市で実践されている環境対策を展示する計画である。本件は1970年代に建造された造船工場を改修し、近代工業の歴史的遺産として保存すると同時に、環境対策を施した展示館として再生すること、また万博閉幕後には地域文化施設として恒久的に活用できることが求められた。弊社は要求に対し、建物改修時に発生する赤レンガの廃棄物をリユーズすることで低炭素建築物とし、工業遺産の再生を試みた。

デザイナー

HMA建築設計 東 英樹

上海を拠点に中国にて建築の設計を行っています。

詳細情報

http://en.expo.cn/indexn.html?id=15300007

利用開始
2010年5月1日
販売地域

国外市場向け

設置場所

上海万博

問い合せ先

HMA Architects & Designers
Email: azuma@hmadesign.com
URL: http://www.hmadesign.com

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

急速に経済発展する中国において、物理的な耐用年数に満たない近代建築物が経済的な利用価値を失い、建て替えを迫られるスクラップビルドの現状において、本件は一つの解決案を提示した。万博展示館として多く方に本件を体感してもらい、本件が産業遺産近代建築物の再生利用及び建材の再利用の先行事例として広がることで、中国における高環境負荷の建築サイクルを少しでも低減に繋がることを切望している。

デザイナーのコメント

現在中国国内にて低炭素型建築の設計を多数行っている。スクラップアンドビルドを繰り返し、環境問題を発生させる発展途上国においてエコ建築の設計を行う事は、先進国の建築家の使命だと自負している。万博にて中国の来場者が低炭素型建築の良さに触れ、エコに対する意識が少しでも高まる事を期待している。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

上海万博は来場予定者数7000万人のうち90%が中国人である。中国では一級の歴史的建造物であれば保存されるが、それ以外の再利用可能な建物は大開発とともに壊されるのが通常だ。発展途上国の国民は、新築の建物に非常に憧れが強く、万博の中でも最新テクノロジーに完備された建物の見学を目的に万博に来場する人が殆どである。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

産業遺産建築物を、展示館として生まれ変わらせる事により、壊してしまわなくとも、再利用価値のある建物がある事を作品として提示した。利用者がリノベーションに興味持ち、歴史のある街並みの良さを感じ取ってもらいたい。市民の賛同があれば、中国において今後無駄な開発も減って行くと考えられる。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

既存赤レンガ壁から再利用可能な赤レンガを取り出すには、レンガが欠けない様、一つ一つ丁寧に解体することが求められた。膨大な手間と時間を要して解体が行われた。同様の改修案件と比べ、本件で発生した建築廃材は、赤レンガを再利用することで建築廃材を約半分にまで削減している。撤去が完了してから、機能的に必要な壁を新たに新設し、再利用レンガは様々なパターンで積み上げることで仕上材として再利用した。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

上海万博ベストシティ実践区パビリオンケース4
http://en.expo.cn/indexn.html?id=15300007

審査委員の評価

持続可能な都市をテーマに世界都市別に持続可能性の実践状況を展示する「ベストシティ実践区B4エリア展示館」の建築デザイン。既存の工場施設をエコロジーの観点からリノベーションし、産業遺産の価値を保存しつつ現代の価値形成に結びつけた。再利用による低炭素型建築のあり方を提示する優れたデザインである。特に、現在の上海では山の保護のために赤土堀削を禁止していることから新たなレンガ使用ができないことを利用し、既存建物のレンガを用いたきめ細やかなファサードデザインを行っている。また新規に編み込まれたテント屋根との調和が生みだす地域性は、博覧会閉幕後のこの地の展示館としての価値を持続させることが期待される。

担当審査委員| 南雲 勝志   森田 昌嗣   安田 幸一  

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