GOOD DESIGN AWARD

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CC

2010

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
古民家の宿 [料理宿やまざき]
事業主体名
株式会社やまざき
領域/分類
仕事領域 - オフィス・店舗・生産関連施設
受賞企業
株式会社やまざき (福井県)
株式会社降幡建築設計事務所 (長野県)
有限会社金沢設計 (石川県)
鹿島建設株式会社 北陸支店 (新潟県)
受賞番号
10C05017
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

設計者が運営する古民家情報バンク(100件以上登録)の中から最適に選ばれた加賀地方の築百年以上の古民家を、越前海岸の老舗旅館に活用した移築再生である。古民家を取り込んだ本館棟、住宅に転用した白壁の土蔵棟を右脇に配し、植木までをも移植しながら塀を連ねた門で屋敷構えを構成することにより、素朴で逞しい外観にした。古民家の最も特徴的な構造体である柱や梁組みは要の用途であるロビーと大広間に用い、古い建具や座敷の造作材、その他の古材も再利用・転用しながら、新しく造る部分は伝統的な意匠で馴染ませることにより、この地に元からあったような古民家の老舗旅館として情緒性のある雰囲気にした。

デザイナー

株式会社降幡建築設計事務所 降幡廣信+有限会社金沢設計 赤坂攻、高川順正

(左)降幡広信、(右上)赤坂攻、(右下)高川順正

詳細情報

http://www.ryouriyadoyamazaki.jp/

利用開始
2007年11月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

福井県丹生郡越前町厨16-53-1

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

旅館としての機能や規模により古民家をそのまま活用することは出来なかったが、特徴的な木組みや造作、建具はそのまま活用して、全く新しい古民家の宿として再構築した。地域の古民家のように馴染ませることがこれから求められる移築再生であると考え、古民家の木の温もりのある究極の「癒し」と、その空間で「越前の味」を召し上がって頂けるような旅館造りを通じて、より良い景観を呼び覚ますきっかけとなることを目指した。

デザイナーのコメント

古民家は限りある貴重な文化的資産であるにもかかわらず、古民家の情報や専門知識の不足により数多く取り壊されていることから、私達は古民家情報バンクを運営して、古民家の評価や仲介と古民家再生の設計を一貫して行なってきた。今回のような移築再生で地域の民家を再構築することは、古民家の保存活用の可能性を高め、伝統構法の伝承と日本文化の再認識に繋がると考える。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

福井県越前海岸は冬季の「かに」だけでなく、一年を通じて良質な魚介が豊富な恵まれた温泉地で全国から利用者が訪れている。毎年「かに」のシーズンに訪れる常連客と、古民家の料理宿としてシーズン以外の新たな集客を想定している。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

以前の旅館はRC造で老朽化が意外に早く、雰囲気を大きく損ねていた。今回は古民家を移築して木の温もりによる究極の「癒し」と、その空間で「越前の味」を召し上がって頂く老舗旅館としての格式を取り戻した。常連客には予想以上に評判が良く、店構えに惹かれて新たな来客もあるようになった。一旅館のこの姿勢が注目され、他の旅館の建替えが伝統的な木造建築となり、この温泉街の人気回復のきっかけになりつつある。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

荒々しい日本海と山々が迫る越前温泉らしい素朴で逞しく歴史を感じる旅館を造るには、同じ文化圏である北陸の古民家を移築再生することがその解決に大きな可能性があると考えた。設計者が運営する古民家情報バンクの中から最適の古民家を選び、古民家の負のイメージ(暗い、寒い、不便)を払拭させ、気密断熱にも十分考慮しつつ、元々備わっている魅力を継承して次の百年に繋がる新しさのある再生を心がけた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

金沢・古民家リサイクルの会(古民家情報バンク)
http://www.h2.dion.ne.jp/~minka.rc/

審査委員の評価

古民家再生の特徴的な取り組みの例である。宿泊施設としての機能を損なわないために、古民家を部分的に移設しながら、新しい材を馴染ませることで新しくも味わいのある空間を表現している。 今後、古民家情報バンクが地域再生と活性の重要なシステムになることを期待する。

担当審査委員| 乾 久美子   千葉 学   廣村 正彰  

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