GOOD DESIGN AWARD

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2010

GOOD DESIGN|サステナブルデザイン賞

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受賞対象名
集合住宅 [高根ハイツ]
事業主体名
個人
領域/分類
生活領域 - 戸建住宅・集合住宅
受賞企業
株式会社青木茂建築工房 (東京都)
受賞番号
10B08024
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

昭和38年竣工のWRC造4階建て共同住宅の再生。建物の再生を選択された施主の思いは先代から受け継いで自ら管理を行ってきた愛着のあるこの建物を検査済証が存在しない状態から検査済証、構造評定を獲得することにより新築と同等の資産としての評価を向上させ次世代へ受け継いでいきたいというもの。 そして当時施工不良によりラーメンから壁式構造に変更された経緯のあるこの建物を安全性と法的正当性の立証を本計画にて実現させる。 躯体の修繕、老朽化設備の更新、新しいデザインの変更を試み、苗木から建物と一緒に育ててきた中庭の自然環境を残しながら大規模の修繕を行い建物の長寿命化を目指して再生した。

プロデューサー

小泉 昌子

ディレクター

株式会社青木茂建築工房 主宰 青木 茂

デザイナー

株式会社青木茂建築工房 主宰 青木 茂

(株)青木茂建築工房 主宰 青木 茂

竣工
2010年1月20日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都中野区東中野2-29-6

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

継承されゆく建物の再生計画にあたり、 ①安心して住み続けていくための安全性の確保及び建物の長寿命化  ②管理する上での負担を軽減するための運営やメンテナンスの省力化  ③価値ある資産として所有していくための各種証明の取得、法的正当性の立証 の3つを目標とした。

デザイナーのコメント

多様な再生建築手法の広がりつつある現在において、今回のプロジェクトは単なる改修のデザインに留まるものではなく、ひとつの建物を介して、親と子、孫の世代間をつないでいくプロジェクトであったことを強調しておきたい。現代における、個人所有の集合住宅の再生と、それに関わる人々の物語の一端を紹介できればと思う。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

都心部を生活圏としている単身者やDINKS、周辺地域を生活圏とする学生、そしてバリアフリー化を図る事で高齢者対応とした。さらには、以前からこの建物に住まわれている方などにもアンケートを実施し実際に帰ってこられるよう当時の居住者の愛着も尊重した。当時よりも幅広い層の居住者を想定している。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

屋外廊下を室内化することで雨水の侵入を防止、清掃やメンテナンスの省力化を図った。MB、PSを外部に集約させその分住戸専有面積に充当。更新の容易性も確保、これらの機能的なレイアウトを建物のファサードに表現。外壁を金属板等によりパッケージし躯体を保護、長寿命化を図る。階段一つを解体してEVを設置、利便性の向上とバリアフリー化により多様な居住者の利用に対応。色彩を含めユニバーサルデザインとした。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

自然環境を残す事、建物の形状維持に対する法的行政協議からはじまり安全・環境の視点からの正当性を立証した。閑静な住宅街で近隣に対し日頃から施主自ら細心の注意を払い、その精神が自然と現場にも伝わる事で毎日の工事前の挨拶から始まり近隣に対するケアが行われた。戦後よりここに住まわれて周辺地域と育んできた住緑環境が継承できた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都中野区東中野2-29-6

審査委員の評価

昭和38年に竣工した共同住宅の再生であるが、これは単なるリノベーションではない。リノベーションというと、構造躯体を残しながら内装、外装を変更するというイメージであるが、この建物においては検査済証が存在せず、構造についても曰く付きの状態であった。新たに検査済証を取得し、躯体を修繕して構造評定を通すというのは並ならぬ努力を要したことが想像される。一つ一つ問題を真摯に解決しリノベーションを成功させた努力に敬意を表したい。その努力が壊されてしまったかも知れない建物に新しい命を吹き込み、新築と見紛うばかりの建物を出現させている。古い建物に込めれらた施主の思いと重なってこの建築の存在感を強めている。建築の寿命は、それに込められた人の思いによって決まるということを新ためて感じさせられた。単なる建築のデザインを超えた社会的意義を感じるこの作品にサスティナブルデザイン賞を送りたい。

担当審査委員| 難波 和彦   高橋 晶子   手塚 由比  

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