GOOD DESIGN AWARD

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CC

2009

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
トイレ [下館・時の蔵トイレ]
事業主体名
下館・時の会
領域/分類
社会領域 - 公共・文化教育関連施設
受賞企業
吉田周一郎建築設計 (東京都)
受賞番号
09D06022
受賞概要
2009年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

茨城県筑西市には大正から昭和にかけての石蔵が所々に残され、往時をしのばせる風景の断片が開発により失われた市街地に埋もれている。その一つの取り壊しを免れた蔵を、市民団体である時の会が「時の蔵」と名づけ、地域固有の歴史文化遺産を掘り起こす活動の拠点として活用してきた。当初から利用上必要不可欠なトイレが石蔵になく、長い間設置を望む声が上っていた。2008年秋、蔵に隣接した谷間のような敷地にトイレを設置することとなり、設計コンペが行われ、当案が採用された。蔵と共に時間を刻み、風景の一部となるような建築をつくろうと考えた。施工にあたっては、地域の方々の協力も手伝って実現することができた。

プロデューサー

下館・時の会 会長 一木努

ディレクター

吉田周一郎建築設計

デザイナー

吉田周一郎、高木次郎(構造設計協力)

詳細情報

http://kenchikusei.web.fc2.com/

利用開始
2009年5月30日
販売地域

日本国内向け

設置場所

茨城県筑西市甲939

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

石蔵付設のトイレという機能性を超えたデザインとは何かを考えた。過去から刻まれてきた時を引き継ぎ、現在から未来へと時を刻む建築をつくることで、失われようとする地域固有の風景を守るだけにとどまらず、新たな風景を創出する。

デザイナーのコメント

床面積わずか2.6坪のトイレは、街の持つ歴史や多くの関係者の方々の協力によって実現できた。時の蔵や周辺の街並みと共にさらなる時間を刻み、いつしか風景の一部となって静かに佇み続けることを願っている。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

隣接する「時の蔵」で展覧会などが催されるときに、訪れた人や近隣や通りがかりの誰もが利用できるトイレ。また身体の不自由な方、お年寄り、子供が無理なく使えること。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

トイレブースで一人になって過ごす静かなひと時に、上空からやわらかく降りてくる光と、蔵の石壁の切り取られた風景に囲まれることで、わずかな時間であろうとも豊かな気持ちになれること。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

時間を経過した隣接する蔵のある風景に馴染みつつも、建てられた現在から未来を志向する、この一見矛盾していることを克服し乗り越えるようなデザインとはなにかということを掘り下げて考えた。形態、工法、素材など総合的なバランスを重視し、常に現地の状況や人と向い合うものつくりの方法をとって、建築行為が人の記憶に残る努力をした。

その問題点に対し、どのように対応したか

敷地には大正から昭和にかけての石蔵が所々に残され、往時をしのばせる風景の断片が無秩序な開発により失われた市街地に埋もれている。このような良質の風景は放置しておけば失われ、やがて語り継ぐべき人の記憶からも消え去っていく。このことが住民や建築をつくる側共に受けとめ解決すべき課題だった。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

茨城県筑西市甲939
http://kenchikusei.web.fc2.com/

審査委員の評価

このような背景に設置されるトイレは、ともすれば保存建造物に似せた形態や素材が使用され、本来見せるべきものの価値が薄れてしまうケースがある。機能的には十分配慮しながら、建築そのものは新しいデザインコードを使用しつつも周辺環境に違和感を与えていない。保存すべきものと新しくつくるもののあり方の一つを提案している。

担当審査委員| 南雲 勝志   黒川 玲   田中 一雄   廣村 正彰   森山 明子  

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