GOOD DESIGN AWARD

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2009

GOOD DESIGN|グッドデザイン大賞

受賞対象名
駅舎および複合施設 [岩見沢複合駅舎]
事業主体名
北海道旅客鉄道株式会社・岩見沢市
領域/分類
社会領域 - 公共・文化教育関連施設
受賞企業
株式会社ワークヴィジョンズ (東京都)
岩見沢レンガプロジェクト事務局 (北海道)
受賞番号
09D06001
受賞概要
2009年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

2000年12月、3代目岩見沢駅舎が焼失。それから約8年の時が過ぎ、2009年3月、悲願の4代目駅舎が市施設との複合施設として完成した。2007年6月に開業した「JR岩見沢駅」に続き、市民に様々な活動の場と各種サービスを提供する「岩見沢市交流プラザ」・駅南北の街を結ぶ架け橋となる「有明連絡歩道(自由通路)」が開業し、岩見沢に新たな“まちの顔”が誕生した。この施設は、2004年度に実施された、JRグループでは全国初の試みとなる一般公募型コンペ「岩見沢駅舎建築デザインコンペ」(応募総数376案)にて(株)ワークヴィジョンズが最優秀賞を受賞し、その案に基づき設計と建設を進めてきたものである。

デザイナー

株式会社ワークヴィジョンズ 代表 西 村 浩

西村浩|常にまちを意識し、建築・土木空間等デザインに従事。

詳細情報

http://www.love-brick.com/

利用開始
2009年3月30日
設置場所

北海道岩見沢市

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

岩見沢は、かつて石炭産業を背景に物資輸送の要衝として繁栄を極めた“鉄道の街”である。しかし、現在の中心市街地には人々の賑わいのない凋落の風景が広がっている。この岩見沢複合駅舎には、単なる駅としての機能を越えて「まちの顔となり、変わらない価値を持つ駅舎」、「地域文化を担い、地域の交流拠点となる駅舎」、「中心市街地との積極的な関係を持つ駅舎」として、未来に向かってまち再生へ向かう強い意志が求められた。

デザイナーのコメント

4代目となる岩見沢駅舎には、建築という枠を超えて、街再生へ向かう強い意志が求められている。新しく生まれた駅舎は、これからの街を担う若者達に岩見沢の記憶を伝え、改めて岩見沢の未来を見据える舞台である。駅からまちづくりへ。この施設の本当の価値は、地域のよさを掘り起こし、人と人との繋がりを再生しながら、これからのまちづくりに繋げていくことにある。4代目岩見沢駅舎は、そのはじまりに過ぎない。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

駅舎という施設の特徴は、その日常性にある。まずは通勤や通学等、一般市民の日々の利用が前提である。また、新たな「まちの顔」となる賑わいのある複合施設として、市民の活動や憩いの場となることも目指している。駅は、外から訪れる観光客と、まちやそこに暮らす人々との出会いの場でもある。なお、岩見沢の街は全国的に有名な鉄道の“聖地”でもあることから、鉄路の風景に開かれた空間として“鉄道ファン”の来訪も想定した。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

まちの風景に開かれた駅舎は、市民の活動の場としてイベント等に積極的に活用され、また何気ない散策や憩いの場となり、単なる駅舎機能を越えて、街中に人々が日常的に集まる拠点が生まれた。また、外から訪れる来訪者や観光客を、鉄道やまちの風景に大きく開かれた空間で迎え、さらにレンガや古レールといった素材の力を借りて鉄道の街に相応しいデザインとすることで、岩見沢という街を積極的にPRする駅舎となった。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

鉄道の街を表徴する古レールとレンガという素材を駅のデザインの主役として使用した。これは鉄道の街としての記憶を、駅舎を通じてこの現代にもう一度回復し、地域の歴史や文化を未来へと伝え、これからのまちづくりに向けての基軸を再編する試みである。また、駅建設のプロセスを通じて市民参加プロジェクトを連続的に実施することで、人と人の繋がりを再生しながら今後のまちづくりに繋げていくことを目指した。

その問題点に対し、どのように対応したか

最大の課題は、新しく生まれる駅舎が中心市街地の活性化の契機と成り得るかということである。そこには、岩見沢の歴史や文化を表徴する駅舎であると同時に、まちやそこに暮らす市民との積極的な関わりを持つ駅舎であることが求められた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

JR岩見沢駅
http://www.workvisions.co.jp/

審査委員の評価

JRの駅舎としては、これまでにない画期的な「質」の高さを示している。北海道的なシンプルでクリーンな空間性を持ちながら、決して冷たいものではなく、むしろどこかに温もりすら感じられる。その、計画プロセスにおいては、積極的な市民参画が行われ、刻印レンガとして形態化されている。また、鉄道の聖地という土地の記憶を積極的に活用し、古レールを活用したガラスファサードは巧みである。そして、完成した今日、多くの市民が愛着を持って、駅空間に接していることが、何よりもグッドデザインの証しであろう。

担当審査委員| 南雲 勝志   黒川 玲   田中 一雄   廣村 正彰   森山 明子  

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