GOOD DESIGN AWARD

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CC

2009

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
オフィス・工場施設 [アライブ本社工場]
事業主体名
株式会社アライブ
領域/分類
仕事領域 - オフィス・店舗・生産関連施設
受賞企業
株式会社アライブ (新潟県)
受賞番号
09C05017
受賞概要
2009年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

敷地は新潟市の北東に位置する工業団地の一角で、周囲には巨大な箱型の工場が点在している。施主は、地盤改良工事に関わる機械装置や各種ソフトウェアの研究開発に積極的に取り組んでいる会社で、手狭になった旧社屋と旧工場を合併させて新たに本社工場を建設することになった。ここでは、連続する1枚の壁をうねらせて、平面的に旋回させて幾重にも巻き込ませることで、その壁の内外にやわらかい布で多層的に包まれているような場をつくることを試みている。この壁は、地中より突き出した地盤改良を目的とする鋼管杭と、上部構造を支える鉄骨柱とを溶接により一体化させたコラムによって、地上面からやや浮かせた位置で固定されている。

プロデューサー

株式会社アライブ 代表取締役社長 成田芳文

ディレクター

岩岡竜夫(東海大学)

デザイナー

岩岡竜夫(東海大学)+藤田大海(藤田大海建築設計事務所)+横尾真(OUVI)

写真左:岩岡竜夫 写真中:藤田大海 写真右:横尾真

詳細情報

http://www.omi-arch.com/omiworks/omiworksalv/omiworksalv01.html

利用開始
2007年6月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

新潟県新潟市北区白勢町1-10

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

この建物では、地中からの鋼管杭に上部構造の一部である鉄骨柱を直接溶接接合するといった、新たな「掘立柱方式」による工法を試みている。それにより基礎工事を大幅に削減し、さらに杭を最大径に設定し本数を極力減らすことで、地盤環境を荒らさずに復元させることを目的とした。また、室内に露出したコラムにより分節された空間や壁の厚みを活用して通風や採光を確保し、サスティナブルな生産拠点の実現を目標とした。

デザイナーのコメント

巨大な工場群を周辺環境に控えた街区の端に位置し、小ぶりでいびつな形状の敷地に訪れた時の殺伐とした様相は今でも記憶している。三方を囲む道路を移動してみてもなんら変化のない風景だった。足がかりのつかない状況に有効な規範を設け、この空気を細切れに刻み、選別して織り込むことにより、断片化した風景を階層的に重ねて壁面と共につなげるとで、刻まれた風景を処々方々に散りばめた奥行きのある連続空間を思い描いた。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

施主の「美術館のような工場が欲しい」「泥臭いイメージを払拭したい」という要望から、来賓の客達が敷地内や建物内部を自由に歩き廻って、会社の取り組みや事業内容を閲覧できるような計画とした。また、本社の事務所機能を併せ持つ工場である以上、両者は密接な機能の連携を求められた。そのため、建物の使用者が労働の場として機能的で快適な空間を獲得し、作業空間の組み替えなど刻々と変化する業務に対応できるようにした。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

旋回させた連続壁によって囲われた空間に、各機能与えてゆき、機能的にも空間的にも行き止まりのない数珠繋ぎの連続空間を計画した。その結果、人々が歩きながら空間を繋ぎ合わせる事で、各事業内容が次々と連なる閲覧空間となったり、業務の生産ラインになったりもする。各室では杭とコラムの継目を見ることができる。事務所空間は、壁の厚みを活用した可動棚や高窓による通風や採光を確保した、機能的で快適な空間となっている。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

鋼管杭を地上に2m突出させ、鉄骨柱を直接溶接接合し、一体のコラムとして地上面からやや浮かせた位置で壁と床を固定し、建物全体は地面から浮いたような外観としている。さらに、杭を最大径に設定し本数を極力減らすことで、基礎工事を大幅に削減し地盤環境を荒らさずに復元させることができる。また、巻き込まれた外壁により分節された外部空間は、中庭や高窓を通して断片的な風景として室内部に取り込まれる。

その問題点に対し、どのように対応したか

工場建築の特性上、事業の変化に伴う増改築の繰り返しや再建築が想定され、大規模建造物の解体後の地盤面に与える影響は計り知れないし、解体時の廃棄物が膨大になることは明らかだった。これらの環境負荷やエネルギーの浪費を低減することは、本事業に限らない当然の課題であった。また、すでに乱立された工場群の環境の中であっても、生産拠点として周辺の風景を携えた奥行きのある豊かで開放された空間が必要だと考えた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

新潟県新潟市北区白勢町1-10
http://www.alive-net.jp

審査委員の評価

一般的な工場用建材を利用しながら、その利用方法を自由に展開することで、大変、楽しげな内観/外観をもつ工場になっている。地盤改良を目的とする鋼管杭をそのまま上部構造へと利用するなど、構造や工法への取り組みも先進的だ。雑多になりがちな工場の内部を、白黒のコントラストでまとめるなど、さまざまに注意深い配慮がなされている。

担当審査委員| 隈 研吾   芦原 太郎   乾 久美子   佐藤 可士和  

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