GOOD DESIGN AWARD

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CC

2009

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅 [STONE TERRACE]
事業主体名
土井一秀建築設計事務所
領域/分類
生活領域 - 戸建住宅・集合住宅
受賞企業
土井一秀建築設計事務所 (広島県)
受賞番号
09B08043
受賞概要
2009年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

棚田の風景の一部を改修して住居とする計画である。施主は代々この場所に住んでいる農家であり、この度、若いご夫婦とお子さんのための独立した住宅を建設した。棚田とは背後の森から染み出てくる水をより多くの水平面に供給する灌漑装置である。この地形はそれ自体が水と光と風を最大限に受けるための人工的なシステムとなっており、同時に自然環境と高度に調和する有機性を有している。もともと農作物のためにあったこのシステムを人間の生活を豊かにする手段に転用することでこの風景を住居とする。

デザイナー

土井一秀建築設計事務所 土井一秀

設計者 土井一秀

詳細情報

http://www.doi-architects.net/html/stoneterrace.htm

利用開始
2008年8月11日
設置場所

広島県

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

農山村地域の家はこれまで現代的な視点で考えられることが少なく、古いスタイルのノスタルジックな継承か、都市の建築をコンテクストとは無関係に移植したもののどちらかであったように思われる。この計画では、地形との視覚的な連続性だけでなく、水、風、光の循環の連続性によってこの場所の建築のあり方を導く事を目的とした。世界のどこでもなくこの場所で生活する事の豊かさを、建築を通して感じてもらいたいと思った。

デザイナーのコメント

その場所の特色を生かして、その地域に住むことの豊かさを、建築を通して伝えたいと思っている。この敷地に、住居として単純な長方形を置く事で、既存の地形との間に、光を取り込む中庭、風景を切り取る水の庭、北から南へ上昇しながら吹き抜ける風などが発見され、その場の特性に応じたアクティビティが見出される。風景が既に持っている形や流れの中に生活を快適にする手掛かりを発掘していくように住居がつくられる。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

施主は代々この土地に住んでいる農家であり、現在は4世代が共に働き生活をしている。この度、第3世代の若いご夫婦とそのお子さんのための独立した住居を建設した。長年自然と向き合いながら生活をしてきた農家と対話を重ねる中で、自然と人間の活動のバランスの取り方を学び、建築の設計に生かした。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

周囲の棚田と同じ既存の石を内外に使う事で、地形/建築、外部/内部の境界を曖昧にし、風景そのものに住む感覚をつくりだしている。石は全て敷地にあったものを使い、新たに持ち込む事も持ち出す事もなかった。既存材料を転用する場合、最小の材料で最大の効果を生むという定石に反して、多く使った方がその材料の搬出と廃棄を最小にすることになり効率的となる。結果として大量の石の存在感がこの建築の特徴となった。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

森の雨や雪は棚田に染み出し、建物北側の水盤を満たす。屋根に降る雨も石積み外壁にそって水盤に流れ落ち、石の表面を様々な色に変化させ、苔を生じさせる。水盤は水平に広がる田園風景に視覚的な効果を与えるだけでなく、夏場にはその足元から室内に取り込まれる空気を冷却する。水盤をオーバーフローした水は下段の農業用水の一部となる。全ての水の流れは棚田の高低差を利用して行われ既存の灌漑システムの一部となる。

その問題点に対し、どのように対応したか

農地とは作物を生産するための機械であり、建築と同様に人工的な施設であるが、永い年月の間に自然との間にサスティナブルな関係をつくりあげてきた。ポンプなどの動力を使わない水の循環、森と一体となった保水、広い水面による温湿度調整、水平面による日照の効率化、土・石・水・植物などその場にあるものの利用など、シンプルな自然エネルギーの活用の仕方が見られる。それらを建築に応用したい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

http://www.doi-architects.net/html/stoneterrace.htm

審査委員の評価

伝統的な棚田の風景の中に建つ住宅。既存の石垣、周辺の地形、棚田といったことが織り成す風景を尊重しながら、新しい住空間を巧みに配置している。古い風景を感じることができる透明度の高い空間も魅力である。

担当審査委員| 難波 和彦   高橋 晶子   手塚 由比   西沢 立衛  

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