GOOD DESIGN AWARD

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CC

2008

GOOD DESIGN|ライフスケープデザイン賞

受賞対象名
サイレントバイオリン [SV-120]
事業主体名
ヤマハ株式会社
分類
ロングライフデザイン
受賞企業
ヤマハ株式会社 (静岡県)
受賞番号
08L01003
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

高級手工ギターの製造ノウハウとデジタル技術の融合で作られた。主要部分にはバイオリン用の部品をそのまま採用し、重量バランスを考慮しながら軽量化と静粛性を実現、音のエネルギーを約100分の1にまで低減した。弓で弾いた弦の振動を本体に内蔵したセンサーで感知し、音色補正した後デジタル信号処理による残響効果をつけてバイオリンの音色を実現している。その為初心者でも簡単に安定した音を出すことができ、ヘッドフォンで静かに演奏を楽しむことが可能。また必要に応じてアンプなどに接続して音を出したり、CDプレーヤーや電子楽器などと接続して合奏するなど、電気バイオリンならではの新しい楽しみ方を提案している。

プロデューサー

ヤマハ株式会社 管弦打楽器事業部 技試補 田村 晋也

ディレクター

ヤマハ株式会社 デザイン研究所 マネジャー 峯 郁郎

デザイナー

ヤマハ株式会社 デザイン研究所 本田 敬(当時)

本田敬は開発当時ヤマハデザイン研究所勤務、現在フリーで活躍

詳細情報

http://www.yamaha.co.jp/product/strings/silent/violin/index.html

発売
1997年7月1日
価格

69,000円

販売地域

国内・海外共通仕様

問い合せ先

ヤマハ株式会社 国内営業本部 管弦打学校営業部 弦楽器営業グループ
Email: akihiko_toshima@gmx.yamaha.com
URL: http://www.yamaha.co.jp

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

伝統的なバイオリンの演奏感覚はそのままに、消音化と軽量化を実現する為に、共鳴する部分を素材を選びながら極限までそぎ落とし、ミニマムな基本構成とした。また本体右側にはバイオリンをイメージする曲線のフレームを残し、適正な弓角度の練習の助けになるという機能を有しながら同時に伝統的なバイオリンのイメージを表現することで、伝統を活かし最新技術や環境との融合をめざすという基本コンセプトを具現化した。

デザイナーのコメント

伝統的なバイオリンの演奏感覚はそのままに、消音化と軽量化を実現する為に、共鳴する部分を素材を選びながら極限までそぎ落とし、ミニマムな基本構成とした。また本体右側にはバイオリンをイメージする曲線のフレームを残し、適正な弓角度の練習の助けになるという機能を有しながら同時に伝統的なバイオリンのイメージを表現することで、伝統を活かし最新技術や環境との融合をめざすという基本コンセプトを具現化できた。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

その特徴的な音色や演奏スタイルで人気の高いバイオリンは、正確な音程で美しい音を出すには長年の練習が必要で、大人になってからはじめるには難しい楽器とされていた。また、音量も大きく、特に初心者の練習は「近所迷惑」にもつながり、演奏したいという憧れはあるもののはじめにくい楽器と考えられてきた。そういった潜在的な演奏願望者に向けて開発した。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

7万円を切る定価設定も相まって、特に初心者の演奏願望を持った人たちの背中を押すことができたと自負。楽器という一種のハードウエアが音楽の楽しみの為の「障害」になってはならないという考え方の下、更にその可能性を拡大させた。一方、プロを含む演奏経験者の方々には新しい音楽領域への可能性を広げるトリガーにもなっているようである。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

1993年のアップライトピアノに始まり、グランドピアノ、金管楽器、ドラムセット、バイオリン、チェロ、ビオラ、コントラバス、ギター、大正琴へとサイレント化をはかって来た。

その問題点に対し、どのように対応したか

弊社の一連のサイレント(消音)楽器群の目的は、直接楽器に触れるお客様の生活環境を勘案し、必ずと言って過言ではない周りの人たちとの共存の必要性を強く意識しており、比較的大音量で且つ演奏に憧れる人たちが多い傾向のカテゴリーを優先させながら開発することに配慮してきた。

審査委員の評価

「2つの価値のバランスの美しさ」 価値には「変わることに価値があるもの」「変わらないことに価値があるもの」の2つの方向性があるが、このサイレントバイオリンはまさにこの2つの価値を過不足なく表現していて美しく、その後のこの種の楽器の典型になったと言える。楽器の習い始めは、いわば騒音としか言いようのないものだが、その中でもバイオリンは聞くに堪えない。そのことを誰でも知っているせいか、周辺の環境(人や住宅の狭さなど)に気を使い、習熟する前に諦めてしまうことが多い。そのような諸事情に配慮したサイレント性はまさに「変わることの価値」であるし、バイオリンといえば誰もが思う「優雅なカタチ」を美しいラインで表現していることは「変わらない価値」であり、その双方がバランス良く「新たな美しい価値」を生み出してその後のこの種類の楽器の典型に成り得たのではないだろうか。

担当審査委員| 内藤 廣   川上 元美   黒川 玲   稲葉 賀惠  

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