GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2008

GOOD DESIGN|日本商工会議所会頭賞

このページの画像、テキストの無断転載を禁じます。 (C)JDP All rights reserverd.

受賞対象名
油津堀川運河整備事業 [油津堀川運河]
事業主体名
宮崎県油津港湾事務所 + 日南市
領域/分類
社会領域 - 土木環境・都市計画・まちづくり
受賞企業
有限会社小野寺康都市設計事務所 (東京都)
受賞番号
08B11019
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

宮崎県の歴史的水都・油津で近世?近代にかけて建設・整備された、堀川運河を歴史遺産として復元・保存しつつ、これを景観資産としてウォーターフロント・デザインを展開して、地域の歴史・文化に根ざした新たなまちづくりの方法論を実践した。市民参加型の完全オープンのデザイン会議によって、異なる管理者間調整を行いながら、水際空間、街路・広場といった、都市のオープンスペース全般のトータルデザインを実現した。また屋根付き木橋「夢見橋」は、地元職人ら「専門的市民」とのコラボレーションによって、地場材・金物を使わない伝統工法による地域性豊かなデザインとして評価高く、まちの活性化に大きく貢献した。

プロデューサー

株式会社アトリエ74建築都市計画研究所 佐々木政雄

ディレクター

政策研究大学院大学 教授 篠原修

デザイナー

小野寺康都市設計事務所 小野寺康+ナグモデザイン事務所 南雲勝志

小野寺康

詳細情報

http://www.onodera.co.jp/

利用開始
2008年4月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

宮崎県日南市

問い合せ先

小野寺康都市設計事務所 -
Email: info@onodera.co.jp
URL: http://www.onodera.co.jp/

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

竣工時にすでにその空間が市民に受け入れられ、さらには自らのものと思えるものとなるにはどうしたらいいか。デザインを地域から発想し、市民との会話の中からそれを実践することで、公共施設のあり方として新たな方法論を追求した。目標は、造形のクォリティはむろんだが、むしろそれを通じて地域のプライドをデザインすること。一般市民や職人ら「専門的市民」との夥しい会話からつむぎだされた造形が地域に共感と活力を与えた。

デザイナーのコメント

地域に根ざしたデザインとはいかなるものであるべきなのか。この問いを追い求め、住民参加やデザインの地域開発などに取り組んできた。この油津・堀川運河はその集大成であった。結果的に大きな手応えを得られたと思う。通常は竣工時まではそれはデザイナーの持ち物であり、それを引き渡すところだが、堀川運河では地元の多くの人々が「自分たちのもの」として感じてくれたと思う。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

地元・日南市民を中心とした地域に暮らす人々の日常的な利用を主として想定した。様々な地域イベントの場としても有効。ただし、その結果として外部からの旅行客、観光客が訪れることもまた想定している。駐車場の配置、平常時とイベント時の使われ方など、様々な状況を想定して、不特定多数が利用する公共施設としてのあり方が検討された。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

デザインのプロセスは、計画時から常に情報公開された。デザインが議論されるデザイン会議には、宮崎県、日南市はむろんのこと、一般市民も報道もいつでも参加できた。デザインは常に市民との議論から発想され、木橋「夢見橋」においては、実際に地元の職人らとコラボレーションでデザインから育てられていった。それが次第に評判となり、この堀川運河は、竣工時にすでに市民の施設、市民のデザインとして誇りを持って迎えられた。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

伝統工法での歴史護岸復元を実現するために、むしろ最先端技術でこれをバックアップした。表面に見えている護岸は、構造から歴史的工法で再現された。また、失われてしまった護岸を歴史的な形状に復元するために、一般市民を含む多くの人々の情報協力と理解が必要であった。結果的に堀川運河は、歴史的検証として十分「復元」といっていいレベルにまで到達した。

その問題点に対し、どのように対応したか

伝統工法を用いるとは、石積み一つにしても常に現行制度との調整が余儀なくされる。いくら事例を示しても伝統工法のみの石積みでは現行基準に合致しなかった。また、一部の護岸においては、すでに壊されて川幅が広げられたところを、かつて歴史的に存在していた位置まで復元することとした。しかし、試掘調査を行っても杭基礎一つ残らず失われてしまっていることが分かった。

審査委員の評価

地域に根差したデザインとは何かを語る好例であろう。ことさらデザインしているわけではないが、一つ一つが丁寧に創られている。それでいて、どこか個性がありつつ自然と場になじむデザインである。そして、何よりもその計画プロセスにおいて、市民が深く関わり、完成後も愛着を持って受け入れられている点が大変高く評価できる。

担当審査委員| 田中 一雄   隈 研吾   黒川 玲   南雲 勝志  

ページトップへ