GOOD DESIGN AWARD

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2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
教育研究施設 [九州工業大学先端教育コラボレーションプラザ]
事業主体名
九州工業大学
領域/分類
社会領域 - 公共施設・建築
受賞企業
国立大学法人 九州工業大学 (福岡県)
上野・藤井建築研究所 (東京都)
千葉大学 (千葉県)
受賞番号
08B11002
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

建設後40年を越えた建物の老朽改修を,単なる機能更新ではなく,創設の理念を失いかけたキャンパスの再生を目標として計画した、複数の建物に新たに個性を付与し,新キャンパスモールと接続することによって機能の複合化を図るネットワーク型の改修計画としている。「過去から未来へつながるキャンパスの再生」という理念の基、昭和2年に建設された標本館は,大学のアイデンティティを象徴する建物として再生し,他の建物は、高度なIT機能を持った講義室や学生ラウンジの配置によって,先端的な教育研究拠点とした。清家清氏設計による昭和35年に建設された事務棟も,当初の姿に再生しファカルティクラブとして新たな機能を付与している。

プロデューサー

九州工業大学施設課 折田龍彦/藤崎 司

ディレクター

上野・藤井建築研究所 藤井正紀+千葉大学 教授 上野武

デザイナー

上野・藤井建築研究所 佐々木將光

右から上野武・藤井正紀・佐々木將光

詳細情報

http://www.tobata.kyutech.ac.jp/data/HPmovie/kaiso_movie_top.html

竣工
2008年3月31日
販売地域

日本国内向け

設置場所

福岡県北九州市戸畑区仙水町1-1

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

過去から未来へつながるキャンパスの再生という基本理念のもと以下の目標を設定した。1)保存・改修建物群の耐震性・省エネルギー・バリアフリー等の機能向上。2)キャンパスの新たな軸線となるキャンパスモールによって教育研究のアクティビティ高揚。3)交流の場となるオープンスペースの整備。4)最先端の教育研究を行うための高度情報拠点整備。5)大学史料館の整備。6)校友会の拠点整備。7)ファカルティクラブの整備

デザイナーのコメント

大学キャンパスでは、教室・研究室・実験室等の施設設備が整っていることももちろん重要であるが、加えて大学の歴史・文化を創成する「隠れたカリキュラム(ヒドゥン・カリキュラム)」を醸成する場が不可欠である。学生・教職員だけではなく、OBや大学を訪れる人々にそれを感じ取ってもらえる場の実現を目指した。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

教養教育並びに情報教育を受講する学部1,2年生約1200名が主な対象である。その他教職員ならびに、展示施設を利用する学外からの来訪者を対象としている。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

学内導線を本計画の中庭とキャンパスモールを中心として再構成することで、これまでにない活気溢れる外部空間を実現した。内部空間においても学生の自習・談話スペースを木々の緑が見える北側廊下スペースやアクティビティーの中心となる中庭に面して配置することで、常に学内の活気が感じ取れるように配慮している。さらに、先端邸な情報教育が行えるフレキシビリティー溢れるコミュニケーションスペースを実現した。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

計画全体で大学の過去・現在・未来を象徴的に表現できるように、昭和2年築の標本館と創立50周年記念建物となる事務棟(清家清設計)は創建当初の姿を再現、戦後建設された老朽建物は耐震改修技術と省エネルギー技術によって現代を象徴するデザインとして再生、将来を担う情報リテラシー教育の場は透明感のあるデザインとし未来への可能性を暗示した。

その問題点に対し、どのように対応したか

築後50年を超える老朽建物を建て替えるのではなく、社会資産として再生する必要があった。一方、唯一大学の歴史を感じさせる昭和2年築の小規模な標本館は解体される予定であった。また、キャンパスマスタープランがないまま増築が繰り返されたため外部動線計画が混乱し大学全体のアクティビティーが希薄になり、明治から続くこの大学の歴史・文化が感じ取れないキャンパスになるおそれがあった。

審査委員の評価

建造物は時間経過と共に、二つの異なる方向性で変化していく。一つは「老朽化」であり機能的な寿命の終焉へと、否応なく移行する。もう一つは、「記憶醸成蓄積化」であり、その空間の体験を通してさまざまな人の想いが蓄積され、あたかも自分の人生の記録・痕跡のように心に定着する。「老朽化」を時代に見合ったものへと再構築する事は、ある意味ではたやすい(真剣に検討が成されれば)が、二つ目の「記憶の醸成の蓄積化」は、共有されるべき記憶が何であるかを特定する作業は容易とはいえない。その意味でこの大学の再構築再構成の方向性は評価出来る。

担当審査委員| 田中 一雄   隈 研吾   黒川 玲   南雲 勝志  

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