GOOD DESIGN AWARD

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CC

2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
動物用コルセット [エスツーコルセット]
事業主体名
東洋装具医療器具製作所
領域/分類
社会領域 - 医療・福祉に用いられる機器・設備
受賞企業
東洋装具医療器具製作所 (東京都)
受賞番号
08B10028
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

犬・猫を対象とした医療用コルセット。疾患によって背骨を安静にしたい場合に使用する本格的固定具で、チワワのような小型犬から、シェパードのような大型犬まですべて対応している。脊椎の運動制限を高めるために、硬い生地を使い、さらに厚さ1ミリの鋼板が4?10本背中とお腹側に縫込んである。また、固定性を維持するには様々な体型にフィットしなければならないため、オーダーメイドによる製法を採った。これによって、症状や体型別に鋼板の数を調整したり、後足が麻痺した動物には腰を吊り上げて飼主が補助する機能を付けられるようになった。動物用医療機器のため、獣医師の処方で使われる。カラーも6色用意している。

プロデューサー

東洋装具医療器具製作所 事業主 島田旭緒

ディレクター

東洋装具医療器具製作所 事業主 島田旭緒

デザイナー

東洋装具医療器具製作所 事業主 島田旭緒+富永真喜

右、富永真喜。左、島田旭緒。

詳細情報

http://toyosogu.hp.infoseek.co.jp/

発売
2007年7月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

全国

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

手術しない犬・猫の背骨を安静にするには、骨折用ギプスを体に巻きつけるか、檻に閉じ込める方法しかなかった。ギプスによる長期の固定は擦傷などの問題点が多くあり、また檻に長く閉じ込めることも難しいので、結局はそのまま放置することになる。こうした状況を改善するコルセットが求められた。固定力が高く、長期間装着しても犬・猫の生活に負担がなく、また飼主が一人で着脱・洗濯ができるコルセットを目指した。

デザイナーのコメント

動物の義肢装具(義足やコルセットなど)の開発は、人の義肢装具と獣医療の文化が融合したものだ。それは近年のペットを大切にする価値観から、より高度な医療を求めた時代背景によるもので、必然的だった。しかし依然、未開の分野であって、形にされていない製品・技術が数多くある。本製品もその一つだったが、思考錯誤によって開発できた。今後も動物の義肢装具を意欲的に開発し、獣医療を陰ながら支える製品を作りたい。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

使用者は動物病院の獣医師であり、利用者は疾患を呈した犬・猫とその飼主である。獣医療の現場で、獣医師が背骨に固定が必要である犬・猫に治療として使用する。病院から帰宅した後は、飼主がコルセットの着脱、洗濯などの管理を行う。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

従来、獣医療で使用するコルセットは存在しなかった。そのため本製品によって、長期間背骨を固定する治療が可能となった。老化や心臓が弱い原因などで、背骨の手術ができない場合や、手術をした後などの固定に使用されている。また、長期間装着して体型が変化しても微調節でき、飼主が一人でコルセットを着脱・洗濯するなどの管理ができたため、長く使用することができている。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

動物用の義肢装具は、2003年から現在まで、当社の義肢装具士と動物病院の獣医師が協力して開発を行った。様々な種類の義肢装具を製作したが、特に需要が多かった背骨を固定するコルセットは、早く完成度が高くなり、商品化することができた。販売の結果、獣医師同士の口コミで広く理解を得られるようになった。今後は当社以外でも多くの義肢装具士や獣医師が開発を行って、動物と飼主の役に立つ義肢装具を製作してほしい。

その問題点に対し、どのように対応したか

近年、ペットに対する価値観と共に獣医療も高度になった。そこへ人の医療で利用されている義肢装具(義足やコルセットなど)を応用して、さらなる高度医療を目指した。しかし、動物へ義肢装具を適応した例はほとんどなく、資料や文献は皆無だった。また、人の医療では義肢装具は欠かせないものであるが、社会全体から見れば知らない人も多く、動物用として開発しても獣医師に理解を得られるかどうか分からなかった。

審査委員の評価

動物用の義肢装具(義足やコルセットなど)の開発は、未開の分野であったことが想像できる。その分野に果敢に取り組み、商品化したことを評価したい。また出来上がった商品は単に技術的に優れているだけでなく、フォルムも美しく、かつ素材などディテールにこだわりを感じることができ共感できる。まさに、動物用義肢装具の第一歩を踏み出した商品であるといえる。

担当審査委員| 森山 明子   大月 ヒロ子   福田 哲夫   渡辺 誠  

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