GOOD DESIGN AWARD

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2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
事務所 [松田平田設計本社ビル リノベーション]
事業主体名
松田平田設計
領域/分類
産業領域 - オフィス・商業施設、生産施設
受賞企業
株式会社松田平田設計 (東京都)
受賞番号
08B09034
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

昭和35年以来数回にわたる増改築を経て現在に至った建築設計事務所である弊社のリノベーションである。今日的課題である持続可能な社会づくりの見地から、新築・増築するのではなく「減築」しながらさらなるリノベーションによってオフィス空間の質及びその環境の劇的な向上を狙ったものである。建物中央部分の床を抜いて「減築」し、3層にわたる吹抜空間(コミュニケーションボイド)を設け、新たに人と人の密接なコミュニケーションの場を作り出すことを試みた。この吹抜を中心に自然の光と風を導くなど建物全体に環境配慮の手法を数多く取り入れ、また建築的な新しい試みを随所に盛り込み「実験装置」としての場を創出したものである。

プロデューサー

松田平田設計 代表取締役社長 中園正樹

ディレクター

松田平田設計 総合設計室 室井一雄/プロジェクト推進室 宮田多津夫、富田誠

デザイナー

松田平田設計 総合設計室 野口達郎、平岡秀章、塩出和人、高谷貴之、渡辺真人、河原英則

代表 野口達郎

詳細情報

http://www.mhs.co.jp

利用開始
2006年8月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都港区元赤坂1-5-17

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

「減築」しながら改修するという制約の中でいかに劇的な変化を空間に与え、より快適なオフィス空間を実現すること。またその結果として、数多くある同規模、同年代のビルに対応できる建物再生のモデルケースとなりえること。また環境配慮設計の目標としてCASBEE(建築物総合環境性能評価認証制度)の改修認証第一号(Sランク)を取得すること、そして実験的に行った環境配慮の手法を事業提案につなげることである。

デザイナーのコメント

3層の吹抜けを上下につなぐのではなく横への「ずらし」の手法によって「出会い」の場である各層のミーティングスペースを緩やかにつなぎ、スムーズな視線の抜けと広がりを確保しながら南東からの自然光を建物奥深くまで引き込むことに注力した。既存社屋の低い階高に対し、天井を張る代わり工事足場に利用される有孔金属板を並べ、そこに配線配管ルートをまとめ、圧迫感の低減を図ると共に視覚的な効果を得ることを心がけた。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

建築設計行為とはそもそも様々な専門技術者の知識、能力の結晶であるといえる。それゆえ各々の能力を互いの度重なる議論の中で切磋琢磨し結実させていく集団といえる。また設計者の仕事そのものがデスクワーク中心であるため、比較的こもりがちな所員の意識を開かせるための様々な仕掛けの必要性を感じた。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

建物中央部分に3層にわたる吹抜け(コミュニケーションボイド)を設け、スピーディーで密接なコミュニケーションを可能とする立体的なクリエイティブ空間を構築したことにより、各技術者の能力を結集して設計を一体化させる場を創出したことである。また自然に人々の意識が開いていくように光を感じ、風を感じ、視線が広がるといった快適でリラックスできる空間を作りだしたことである。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

あえて外装はそのままの記憶にとどめ、執務スペースの「床を抜く」方法で3層の吹抜空間を設け、そこに自然の光と風を導くと共に建物全体に環境配慮設計の様々な取り組み(自然採光、自然換気、屋上緑化、断熱性能の向上、省エネ機器の導入他)を行い、その結果としてCASBEE(建築物総合環境性能評価制度)の最上グレードであるSランクを取得した。

その問題点に対し、どのように対応したか

サスティナブル建築が叫ばれて久しいが、スクラップ&ビルドの発想から抜け出せない現状がある。一方その間にも地球温暖化の兆候は拡大している。そこで解体→新築を行うのではなく48年間利用した社屋の再利用を前提に環境をテーマとしたリノベーションを行うことを考えた。また同時に街にあふれる同規模、同年代のビル(昭和30年?40年代における中小規模の建物)の建物再生のモデルケースになりうる一提案と位置づけた。

審査委員の評価

設計事務所が自らのオフィスをリノベーションを行い、継続的な実験を行っていることがまず高く評価される。床を抜く手法についても、上下階をずらしながら減築することによってより豊かなコミュニケーションが得られ、また空気の流れも複雑になることが容易に予想される。設計活動の場で実践されることに意義があり、サスティナビリティを実証しようとするものである。

担当審査委員| 安田 幸一   乾 久美子   川上 元美   北山 恒  

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