GOOD DESIGN AWARD

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CC

2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
電子案内板 [さわれる案内板]
事業主体名
株式会社日立製作所+東日本旅客鉄道株式会社
領域/分類
産業領域 - ソリューションビジネス、サービスシステム
受賞企業
東日本旅客鉄道株式会社 (東京都)
株式会社日立製作所 (東京都)
受賞番号
08B08013
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

駅構内・周辺の施設を地図で案内するタッチパネル端末とコンテンツ編集ソフト。概してタッチパネル端末は利用率が上がらないという問題を抱えるが、この端末は利用者に端末の前に立ってもらうまでの仕掛けを考察することで利用率向上を図っている。駅のサインにより目的地を探そうとする利用者は、この端末のトップ画面のサインに倣った表現で大きく表示された施設名により、これが案内端末であることを一目で認識し、自然な流れで使用する。トップ画面に表示される施設名称は、利用者のアクセス回数に従って表示されるため、常に端末の設置箇所や時期に最適化された施設が並ぶ。またコンテンツの編集ソフトにより情報の更新も容易に可能である。

プロデューサー

株式会社日立製作所 情報制御システム事業部 部長 上坂直行+東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター フロンティアサービス研究所 次長 石塚哲夫

ディレクター

株式会社日立製作所 情報制御システム事業部 主任技師 安間弥人、伊藤雅一+JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所 課長 中川剛志、酒井敦司

デザイナー

株式会社日立製作所 デザイン本部 玉山尚太朗、柴田吉隆、設楽弥生、加藤真理子+株式会社アイウィーヴ 保坂謙知、荒巻賢一

利用開始
2008年8月
販売地域

日本国内向け

設置場所

2008年8月より東京駅にて試行開始予定

問い合せ先

株式会社日立製作所 デザイン本部
Email: webmaster.dehon.bk@hitachi.com
URL: http://www.hitachi.co.jp/design/index_h.html

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

駅利用者に対し、自然に利用してもらうことで確実に目的の施設までの行き方を案内することが第一の目標。インフォメーションセンタの営業時間外である朝や夜も、利用者の「快適な移動」をサポートする。また英語・中国語・韓国語の案内により、外国人の移動もサポートする。駅社員に対しては、単純な案内業務の機会を低減し、日常業務の負荷を下げると共に、対人だからこそ提供可能なより高度な案内を行なうための時間を提供する。

デザイナーのコメント

これまでATMなど利用者にとって不可欠なものを提供する端末を除いて「タッチパネル端末は利用されない」という考えが強くあった。なぜ利用されないのか。それは利用者が端末の前に立つまでのシナリオが描けていなかったからではないか。目的地への行き方が分からないときに「端末で探そう」と思う利用者はいない。利用者がサインを探しているのならタッチパネル端末もサインに倣えばいい。そんなシンプルな考えが出発点だった。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

駅に設置する案内板は駅利用者全般が対象であるが、特に端末の設置された駅を日常的に利用していない人を対象としている。近隣施設への買物客、出張者、旅行者などがそれに当たる。編集ソフトは、編集をするための専任スタッフだけではなく、端末の設置をより多くの駅へ展開した際にも、コンテンツの制作・メンテナンスが確実に行なえるよう、インフォメーションセンタのスタッフなど一般の鉄道会社職員を対象としている。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

駅に設置する案内板は、端末の存在や役割が利用者に確実に伝わることへ配慮することによって「使われる端末」となり、電子案内板が本来持つ価値を確実に利用者へ提供することを実現した。また編集ツールでは、ドラッグを中心にした操作で直感的にコンテンツを編集可能な操作環境をスタッフに提供することで、スタッフが頻繁に情報を更新し、常に最新のコンテンツが利用者へ届く安くなるような仕組みを提供している。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

ユニバーサルデザイン思想に基づき、より多くの人が分かりやすく案内情報を享受できるよう配慮した。4カ国語対応による外国人利用者のサポート、遠くからでもよく見える設置高さ、大きくコントラストが高いため読みやすいトップ画面のテキスト、タッチパネル端末であることを直感的に伝える手のアニメーション、ワンタッチで地図が表示される非常にシンプルな操作などがそれに当たる。

その問題点に対し、どのように対応したか

交通バリアフリー法の施行に伴い、エレベータが設置されるなど、ハードウェア面では駅のユニバーサルデザインへの取り組みは進歩したと考えられるが、構内案内など、情報面での取り組みが課題とされていた。駅係員によるスムーズな対応が難しい外国人や、従来型のキヨスク端末の操作を苦手としている利用者を含め、より多くの駅利用者が気持ちよく利用することのできる駅構内・周辺の案内サービスが望まれていた。

審査委員の評価

まず直観的に使いやすい。こういった案内板は従来、情報を読んでもユーザーの位置している場所との関係が掴みにくかった。コンピュータを利用した案内はユーザーを選んだ。駅のような立体的な構造をした空間ではそれらがさらに難しく、ターミナルで迷うというのは最悪の経験となる。それに対してこの「さわれる案内板」は、その場から見た情報を表示し、かつ、従来は紙ではできなかった階層別のスムーズな空間表示を可能にした。最近の駅は多様な機能が集積して新たな都市空間の顔になっているが、そういったなかでの情報の複雑化に対応した「理解のデザイン」のソリューションである。

担当審査委員| 紺野 登   國澤 好衛   西山 浩平  

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