GOOD DESIGN AWARD

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CC

2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集合住宅(複合建築) [東京松屋UNITY]
事業主体名
株式会社東京松屋
領域/分類
生活領域 - 戸建て住宅、集合住宅
受賞企業
河野有悟建築計画室 (東京都)
株式会社東京松屋 (東京都)
受賞番号
08A05061
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「東京松屋」は「江戸からかみ」の版元問屋として江戸時代から伝統を今に受継ぐ。全体がその魅力を再認識し「伝える」ための場の計画である。低層に「見る、知る」ことで「伝える」ショールームが入り、多彩で多様な和紙の可能性を展開。上層には「住む、体験する」ことで「伝える」賃貸集合住宅が重なる。色彩や文様を施した和紙、引戸による可変空間、障子、欄間開口など伝統を引用した要素と現代的な生活空間の融合と共存をはかった。それらを中層の空中庭園と光風の道となる吹抜や共用廊下により全体を接続。都市の高層建築に心地よい外部空間を創るとともに、障子、縦格子、庇など多様な「内外の関係」で外観を構成し街並と対話させた。

ディレクター

河野有悟建築計画室 河野有悟

デザイナー

河野有悟建築計画室 河野有悟

河野有悟

詳細情報

http://www.hugo-arc.com/

利用開始
2007年6月8日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都台東区東上野6-1-3

問い合せ先

有限会社 河野有悟建築計画室
Email: contact@hugo-arc.com
URL: http://www.hugo-arc.com/

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

和室が住環境から減っていくごとに、襖や障子の伝統技術や文化も減少する背景にあって、「江戸からかみ」の魅力を再認識し「伝える」ため、障子、襖、和紙があり、実際に住んで体験できる現代の住空間をつくることで次世代への活きた継承を行なうことが計画の目標である。あわせて和紙の実物展示、和紙を使った商品、内装や建具への施工例の紹介、展示やセミナーの活動など行なうことのできるの拠点としての場も計画されている。

デザイナーのコメント

江戸の当時より上品、華やかで都会的であった「江戸からかみ」は、そのまま現代空間に持いることが十分に可能であり、その事実と魅力に感銘する。その魅力うぃ再認識することが生きた伝統として広く継承する事に繋がる。「江戸からかみ」の文化継承の場として、伝統素材と多様な空間の仕切りがおりなす伝統的な可変空間の要素を取込み、都市高層建築に於ける外部と内部空間の関係をテーマに伝統と現代の共生する建築を指向した。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

周辺の地域情勢の変動に左右されず価値を維持できるよう、幅広い世帯層の居住者を想定し、活き活きとした住の複合体としての集合住宅を目指した。関係者や専門家が訪れるのみの状態であった以前の店舗に対して、広く一般の人や道を行き交う人に開かれたショールームを目指した。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

40戸で13タイプ、25平米からメゾネットの95平米までの多様な住戸を設定。一部乾式よる戸境壁を採用し将来改修にも備え、SOHOやオフィス利用も想定したユニットを加えた。引戸による可変成ある空間がさらに多様な生活を受入れる。旅行者もよく通る浅草までの経路にあり、1階は店舗全体を開放した。店舗の内装にも施工例として「江戸からかみ」を多様に用いて、商品とともに通りを行きかう人々の意識を集めた。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

空間内の色彩は自然素材である和紙によって与え、色彩計画に日本の伝統色を使用。外部にも左官を用い伝統素材により現代の生活空間を包み込んだ。開口部には障子、軒の庇効果のスラブ、縦格子など伝統の日射遮蔽の要素を採用し外観をデザインしつつ熱負荷を低減。また、4階の空中庭園から最上階まで光風路となる吹抜けが伸び、それが住戸の生活排気を上昇排出しつつ太陽光を導く。住戸階共用廊下は十字状の水平風道ともなる。

その問題点に対し、どのように対応したか

東京松屋が今に受継ぐ「江戸からかみ」は、現代文化を背景に職人の数も減少している。課題は、次世代への継承のために、和紙文化の魅力を伝え、再認識を促し、新たな可能性を示すこと。また、その建築の有り方として、閉鎖的傾向にある高層集合住宅の共用空間に対し、伝統的建築物の要素である自然と一体となった空間を提案すること、デザインと一体となった伝統的な内外の仕切り方の工夫により環境負荷を低減することであった。

審査委員の評価

江戸唐紙老舗の本社と賃貸集合住宅の複合建物。和紙は伝統的素材として好感度が高い。しかしそれは工芸品的な側面で、建材として登場する機会は少なくなっている。住宅では和室の減少や、施工が簡単で防火認定もとれている安価なビニルクロスの壁が一般化しているのが現状である。建築の全体構成に行き渡る環境的配慮に加え、可変性のあるプランニングと和紙仕上のインテリアによって和の質を併せ持つ現代の住空間を提案する試みを評価したい。

担当審査委員| 難波 和彦   芦原 太郎   高橋 晶子   手塚 由比  

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