GOOD DESIGN AWARD

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CC

2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
戸建て住宅 [「かいの家」]
事業主体名
株式会社連合設計社市谷建築事務所
領域/分類
生活領域 - 戸建て住宅、集合住宅
受賞企業
株式会社連合設計社市谷建築事務所 (東京都)
受賞番号
08A05028
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東京都内の閑静な住宅地の高台にある。敷地面積15坪、建築面積9坪の狭小住宅。土地の購入代金が起因し、施主はこの住宅に多額をかけることになるが、対価としての住宅はきわめて小さい。しかし、この計画はその額面に相応しい建築を考案することが絶対であった。限られた諸条件の中で、住宅の佇まいの上品さ、施主にとっていつでも愛着を感じずにはいられないチャームポイントの創出、そして周辺住民からも愛される存在としての住宅をつくることに力点を置いた。結果、隣地の空き地を持ち主が私費を投じて環境整備するほどに魅力的な住宅が生まれた。玄関前の軒下空間、真鍮製の伝声管など、住宅と人との接点としてのデザインが魅力を放つ。

プロデューサー

戎居連太 / 代表取締役 / 連合設計社市谷建築事務所

ディレクター

中田千彦+戎居連太 / 建築家 / 連合設計社市谷建築事務所

デザイナー

矢崎香織、越野俊、大塚広平 / 建築家 / 連合設計社市谷建築事務所

上段左から中田、戎居 下段左から矢崎、越野、大塚

詳細情報

http://www.rengou-sekkei.co.jp

利用開始
2008年2月16日
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都港区

問い合せ先

株式会社 連合設計社市谷建築事務所
Email: office@r.email.ne.jp
URL: http://www.rengou-sekkei.co.jp

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

住宅を設計する上で、住み手にとって絶えず愛着をもてる存在をデザインすることがその本質であると考えている。制約の中で、理想の全てを達成できないとしても、ここかしこに家族皆が愛さずにはいられない要素がちりばめられ、その感覚を共有できる建築とすることが必要とされた。「かいの家」ではそうした仕掛けが空間全体の脇役的存在でもありつつ、人と人とが接するコンタクトポイントとして重要な役割を果たしている。

デザイナーのコメント

地価の高さ故、小さくて都内に豊かな住宅を持つということがきわめて非現実的に思える昨今、建築の規模ではなく、建築への取り組みかたによって厳しい条件のなかでも地域の人たちから愛され、施主に敬意を払われ、豊かな空間性と魅力的な要素に満ちた住宅をこのような形で実現することができたことは、従来の都市型居住のありかたに大きな変化をもたらす試金石になったと実感している。この成果が今後の指標になればと思っている。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

住人は両親と息子の三人家族。1階に子供室、地下に水回りと主寝室が配され、日常生活の場はLDKのある2階とロフト。2階は小屋組も含め木造、漆喰塗の壁面とともに明るく肌触りの良い空間となっており、9坪の広さに張り出したバルコニーを加え内外が穏やかに繋がった快適な住空間に満足している。1階軒下は通りを行き交う人が一服できるような場となっており、地域に開かれた憩い空間として機能している。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

敷地が狭小であることから、小さな建築にならざるを得ないことも承知の上で、地域社会に開かれながらも家族のための住宅として堅牢で安全、そして明るさと開放性も併せ持つ建築を施主は求めていた。大きなキッチンカウンター、出窓におかれた薪ストーブ、ルーバーに囲まれた張り出したバルコニー、真鍮の伝声管とスイッチプレートなど、生活に魅力を付加するに相応しい設備には理解と助力を施主は惜しみなく注いでくれた。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

住宅が通りに面したスペースは、大きな軒下のおかげで坂道を上がってきた老人が一息つく場所にもなり、祭りや地域の活動の際には引き戸を開けて下足のまま入れるトイレを開放するなど、その形を行為として示す場面も用意されている。

その問題点に対し、どのように対応したか

町並みは古くからの住宅地で、周囲は昔ながらの地域に対する高い意識をもった住民も多く、その一部を切り取る形で新たな住民が住み着く事への最大の配慮を、この住宅は建築という形で表そうとしていた。佇まいも魅力的で、かつその存在が周囲の人たちから愛情をもって見守られるような建築であり、親近感をわかせ建築そのものが外の世界に語りかけるものであることを期待された。

審査委員の評価

都心の狭小敷地に対し、コンパクトで高性能な住宅を提案した秀作である。街並へ配慮した柔らかな外観とともに、室内では狭さを感じさせないような工夫が随所に見られる。厳しい設計条件に正面から真摯に取り組んだ健康的なデザインである。

担当審査委員| 難波 和彦   芦原 太郎   高橋 晶子   手塚 由比  

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