GOOD DESIGN AWARD

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2005

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

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受賞対象名
大口径マルチスライスCTスキャナー [Aquilion LB TSX-201A]
部門/分類
商品デザイン部門 - 医療機器・設備
受賞企業
株式会社東芝 (東京都)
東芝メディカルシステムズ株式会社 (栃木県)
受賞番号
05A10055
受賞概要
2005年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

*人体の内部疾患を診断するため、架台内部に回転する1対のX線管球と検出器を持ち、螺旋状にデータを収集し断層像を描出する装置。*検出器の多列化と高速回転撮像によって検査時間は大幅に短縮し、患者の検査における精神的・肉体的負担は大幅に軽減されている。*定評ある当社マルチスライスCT(16列検出器・0.5秒/1回転)と同等の性能でドーム開口径を720mmから900mmに拡大した。大口径の特性を活かし、骨折などにより通常の検査体位を保てない患者を緊急に撮影する場合や、放射線治療を予定している患者を治療と同じ体位で撮影する事で、治療計画を立てる際の患部位置の特定精度を向上させる診断装置。

プロデューサー

東芝メディカルシステムズ株式会社 CT事業部 事業部長 利府俊裕

ディレクター

株式会社東芝 デザインセンター 参事 石本尚嗣

デザイナー

株式会社東芝 デザインセンター 主務 北山雅彦

開始日
2005年4月1日
価格

1,600,000,000円

受賞対象の詳細

デザイナーのコメント

操作者(医師・技師)と患者の双方に対して快適性を向上し、「人にやさしい装置」の実現を目指してきた。操作者に対しては、近接性や操作性を更に高め、患者に対してはマルチスライス機種と同等の性能でドーム開口径を拡大、開放感を飛躍的に高めた。また親近感ある丸い形のコンセプトを進化させ、明快で清潔感あるデザインで検査に対する心理的負担を軽減した。

デザインのポイント
1.現行高級機の造形コンセプト「人にやさしい丸い形」を進化させ、明快な円形デザインを実現。
2.大口径ドームとやさしい丸型デザインによって、患者対する開放感や親近感を高めた。
3.ドーム径の拡大による近接性の向上と、誰もが的確な操作を行えるグラフックユーザインターフェース。
使用者、社会等への取り組み

ユーザーの使いやすさや商品の親切さの向上のためにデザインが特に取り組んだ事項

《操作者》*拡大した開口径により、装置と患者への近接性が向上。患者の位置決めや造影剤処理などの作業性も大幅に改善。*救急救命の現場でも、撮影体位に制約されない迅速な検査が高い実用性を発揮。*放射線治療の姿勢保持具を使用して、治療時と同じ体位で撮影する事を可能にし、治療計画の精度を向上。《患者》*やさしく柔らかな丸い形で、装置の威圧感を軽減。*大口径開口部で閉塞感を軽減した。*人間の肩幅を考慮したワイド天板で、患者をしっかりサポート。*油圧昇降式寝台は最低高が30cmまで下降が可能なため、子供や高齢者に対し乗り降りの負担を軽減、ストレッチャーや車椅子にも自在に対応。

製品の寿命を長くするための工夫、あるいは寿命を全うした商品が廃棄される段階での対応

*現行高級機と85パーセントの部品を共有し、装置のランニングコストを削減した低コストメンテナンスを実現。*ケーブル等の削減により、リサイクル率を10%向上。*再生材の使用を推進し、樹脂部品に材料名を表示。*鉛シールドをネジ止め化する等、材料分離性を高め、部品点数の削減で分解時間を約20%短縮。*六フッ化硫黄ガス、ベリリウム化合物の使用廃止や、メッキの使用量を削減。

デザインが技術・販売等に対して行った提案

近年、病院では患者に快適な検査環境を提供しようとする意識が高まっており、装置のデザインも環境改善の大きな要素と位置付けて開発を行った。現行高級機で、高い評価を得た不安を和らげるやさしい丸い形のデザインコンセプトを進化させ、患者には心理的負担を一層軽減させるデザインを目指した。ドーム開口径の拡大によって検査時の開放感を高め、従来機種の複雑な造形要素を整理し、やさしさと清潔感を丸型デザインで提案。一方、操作者(医師・技師)に対しては、近接性の向上や高い作業性による緊急時の迅速な撮影を可能にした。また、本体カバーの細部形状や分割を見直し、製造性やメンテナンス性を改善した。

審査委員の評価

大口径のマルチスライスCTスキャナが実現したことで、狭い口径の中に閉じ込められるような不安感や圧迫感を取り去ることに成功している。また、今までの口径では計れなかった部位の測定が可能になったことや、計測時間の短縮化も評価できる。シンプルで美しい造形に高い信頼感とこれからの医療空間のあり方を啓蒙するところを感じた。

担当審査委員| 村田 智明   奥山 清行   河原林 桂一郎   渡辺 誠  

評価ポイント( :評価された項目)
1. 良いデザインであるか (グッドデザイン商品、建築・環境等に求められる基本要素)
  • 美しさがある
  • 誠実である
  • 独創的である
  • 機能・性能がよい
  • 使いやすさ・親切さがある
  • 安全への配慮がなされている
  • 使用環境への配慮が行き届いている
  • 生活者のニーズに答えている
  • 価値に見合う価格である
  • 魅力が感じられる

2. 優れたデザインであるか (商品、建築・環境等の特に優れた点を明らかにするポイント)
  • デザインコンセプトが優れている
  • デザインのプロセス、マネージメントが優れている
  • 斬新な造形表現がなされている
  • デザインの総合的な完成度に優れている
  • ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
  • 「ユニバーサルデザイン」を実践している
  • 新しい作法、マナーを提案している
  • 多機能・高機能をわかりやすく伝えている
  • 使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している
  • 新技術・新素材をたくみに利用している
  • システム化による解決を提案している
  • 高い技能を活用している
  • 新しいものづくりを提案している
  • 新しい売り方、提供の仕方を実現している
  • 地域の産業の発展を導いている
  • 人と人との新しいコミュニケーションを提案している
  • 長く使えるデザインがなされている
  • 「エコロジーデザイン」を実践している
  • 調和のとれた景観を提案している

3. 未来を拓くデザインであるか (デザインが生活・産業・社会の未来に向けて積極的に取り組んでいることを評価するポイント)
  • 時代をリードする表現が発見されている
  • 次世代のグローバルスタンダードを誘発している
  • 日本的アイデンティティの形成を導いている
  • 生活者の創造性を誘発している
  • 次世代のライフスタイルを創造している
  • 新しい技術を誘発している
  • 技術の人間化を導いている
  • 新産業、新ビジネスの創出に貢献している
  • 社会・文化的な価値を誘発している
  • 社会基盤の拡充に貢献している
  • 持続可能な社会の実現に貢献している

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