グッドデザイン賞とは

グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来約60年にわたって実施されています。その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,200件、59年間で約43,000件に及んでいます。また、グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。

グッドデザイン賞が考える「デザイン」

「デザインはいつもそばにあります」
あなたが商品や事業、プロジェクトを生み出した目的はなんでしたか?
その目的のための計画そのものが実は「デザイン」です。色や形、技術や機能は、その目的を実現するための手段のひとつです。デザインは常に「ヒト」が中心にあり、だからこそ社会を発展させる力を持っています。誰かの生活を真に豊かにすること、またはその可能性があること。それを実践しているものごとを我々は「よいデザイン」と考えます。

詳しくはこちらをご覧ください。

グッドデザイン賞の対象

グッドデザイン賞では有形無形を問わず、様々な物事を応募対象として受け付けます。また、審査においても成果物のみならず、その裏側に潜むプロセス、思想、意義など、様々な面を考慮し、総合的に判断を行います。
グッドデザイン賞では、家電やクルマなどの工業製品から、住宅や建築物、各種のサービスやソフトウェア、パブリックリレーションや地域づくりなどのコミュニケーション、ビジネスモデルや研究開発など、様々な物事が応募されます。

グッドデザイン賞の理念

デザインを「人間を中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する一連のプロセス」として考えた場合、グッドデザイン賞もまたデザインのひとつであり、常に社会と向き合いながらよりよい制度を目指して日々、改善に努めなければなりません。また、何を「よいデザイン」とするかについても、常に社会と向き合いつつ考えていかなければなりません。
このため、グッドデザイン賞では常に我々が向き合うべき根源的なテーマとして5つの言葉を「グッドデザイン賞の理念」として掲げています。

人間(HUMANITY)
もの・ことづくりを導く創発力
本質(HONESTY)
現代社会に対する洞察力
創造(INNOVATION)
未来を切り開く構想力
魅力(ESTHETICS)
豊かな生活文化を想起させる想像力
倫理(ETHICS)
社会・環境をかたちづくる思考力

これらを一つの文章にすると、「人間のために、高い倫理性を踏まえ、ものごとの本質を見据えたうえで、魅力的な創造活動をおこなうこと」となります。追求される豊かさの質が如何に変化するにせよ、この思想は普遍です。
そしてこの言葉は、グッドデザイン賞の行動ポリシーでもあり、グッドデザイン賞が掲げる「グッドデザイン」の定義でもあります。

グッドデザイン賞の仕組み

グッドデザイン賞は単に「よいデザインを選ぶ」制度ではなく、応募者とともに協働し新たな「発見」をすることにより、次なる社会の創造へ繋げていく仕組みです。

  • グッドデザイン賞の審査を通じ現在の社会におけるクオリティスタンダードや次なる社会への可能性を発見する
  • Gマークを使いながら受賞者とともに発見を広く共有する
  • その共有から新たな創造への気づきが生まれ、次なるクオリティスタンダードの糧となる

この3つの循環を通して社会発展の推進力をさらに高めていく。それがグッドデザイン賞です。

グッドデザイン賞が目指すもの

グッドデザイン賞は、デザイン優劣を競うコンペティションではありません。そのデザインが、「くらしや、社会を豊かにしうるのか」という視点、つまり、デザインの効果・効用という視点から評価を行い、顕彰します。
「よいデザイン」に込められた思想や方法論は、我々の次なる活動に対して手がかりを与えてくれます。その手がかりがよいデザインを生み出す源泉となり、そして社会を発展させる原動力にもなります。グッドデザイン賞は、そうした「次なる社会に向けた創造の連鎖」の推進剤となるような仕組みづくりを目指しています。では、この「創造の連鎖」において最も重要なことは何でしょう。

それは「気づき」です。

私たちの身の回りには様々なデザインが物事として溢れています。ですが、単にその物事を見ただけでは、その中にある思想や理念には中々気づくことができません。グッドデザイン賞では、それらの「よさ」や「可能性」をわかりやすい言葉で伝えることにより、より多くの人々に気づきと、創造の連鎖が生まれ、社会がより活発になるのではないかと考えています。

次なる創造への気づきを提供する

それがグッドデザイン賞のミッションです。
また、グッドデザイン賞が目指す理想像は「グッドデザイン賞に応募されたすべての対象がグッドデザイン賞を受賞する」ことにあります。応募された対象すべてが現在のユーザーや産業、社会に対して最大限その能力を発揮し、クオリティスタンダードを形成するとともに、次なる社会への推進剤となり得るような状況が生まれた時、グッドデザイン賞はその役目を終えるものと考えています。

グッドデザイン賞のプロセス

グッドデザイン賞では毎年4月の応募から、一次審査・二次審査を経て、11月の受賞発表会・表彰式、翌年3月の受賞年鑑の発行まで、ほぼ1年にわたって活動を展開しています。グッドデザイン賞のプロセスは大きく分けて「応募」「審査」「発表」の3つに分けることが出来ます。以下にそのプロセスを紹介します。

  1. 応募

    毎年4月にウェブサイトを通じて、その年度の応募ルールや審査委員会のメンバーなどを発表します。応募を希望する企業や団体、デザイナーは、6月初旬までにウェブサイトを通じて応募する対象(以下「審査対象」)のエントリーを行います。また「ロングライフデザイン賞」はユーザーおよびデザイナーからの推薦により審査対象を募集します。

  2. 審査

    審査委員会は、グッドデザイン賞の理念および審査方針を確認したのちに審査を開始します。一次審査では応募された情報をもとに、そのデザインの思想、意義などを中心に、グッドデザイン賞の理念および審査方針と照らし合わせて、その妥当性を判定します。
    二次審査では、審査対象の実物を前に、様々な視点から検討を行います。特に「優れているポイント」を積極的に発見することを重視し、何度も議論を重ねた上で「グッドデザイン賞」を選出します。

  3.    
  4. 発表

    9月下旬に「グッドデザイン賞」を発表します。こ日以降、受賞した審査対象(以下「受賞対象」)は「Gマーク」を使うことができます。その後、受賞対象全件による展示会(以下「受賞展」)を開催します。受賞展では、デザイン関係者をはじめ、流通関係者、報道関係者、学生、一般来場者、海外の視察団など、多数の方が来場します。また、同時期にプレゼンテーションイベントや販売企画など、様々なイベントを行います。
    グッドデザイン賞を受賞した応募者には表彰状が進呈され、表彰式が開催されます。その後、翌年の3月に、その年の全受賞対象を網羅したグッドデザイン賞受賞年鑑が刊行されます。

応募メリット

グッドデザイン賞を受賞すると社会を導く「よいデザイン」であることを人々に伝えることができ、受賞作のアピールや企業のイメージアップに役立ちます。また、受賞展への参加や様々な企画を通して受賞デザインの情報発信の機会を増やすなど、様々なメリットがあります。ここでは、その一端をご紹介します。

表彰状の発行

グッドデザイン賞の受賞者には、受賞対象ごとに表彰状が贈呈されます。「グッドデザイン・ベスト100」や「特別賞」の受賞者には合わせてトロフィーが贈呈されます。


グッドデザイン賞の受賞者には、受賞対象ごとに表彰状が贈呈されます。「特別賞」の受賞者には合わせてトロフィーが贈呈されます。

オンラインギャラリーでの紹介

これまでのグッドデザイン賞の全受賞対象を公開しているオンラインギャラリー「受賞対象一覧」にて受賞対象が紹介されます。2000年以降は、写真、スペック、企業名、デザイナー名だけでなく、受賞対象の概要、担当デザイナーのコメント、審査委員会による受賞理由などを検索閲覧でき、デザインの共通資産として刻まれます。このオンラインギャラリーは全世界中から閲覧可能であると同時に、新たなコラボレーションやデザインプロジェクトの機会創出に繋がります。

審査委員からのコメント

グッドデザイン賞の受賞者には、受賞対象ごとに審査委員より「どの点を高く評価したか」をまとめた評価コメントが送られます。

グッドデザイン賞受賞展(G展)への参加

その年の全受賞対象を集めた展示会(グッドデザイン賞受賞展)に参加いただけます。デザイン関係者をはじめ、流通関係者、報道関係者、学生、一般来場者、海外の視察団など、多数の方が来場します。多くの方にアピールする絶好の機会です。

表彰式/懇談会への参加

「グッドデザイン賞受賞展(G展)」にて行われる表彰式、またその後の懇親会へご招待いたします。メディアへの掲載や審査委員との交流ができる絶好のチャンスです。

Gマークの使用

受賞の証として「Gマーク」を使用することができます。Gマークは、「よいデザイン」として認められたもののみが付けられるマークであり、この社会的価値は大変高く認知され、生活者の方々に広く親しまれています。Gマークを利用し受賞対象のPRにご活用ください。


左:商品パッケージでの使用 中左:店頭POPでの使用 中右:商品カタログでの使用 右:WEBでの使用

受賞年鑑への掲載

受賞年鑑『GOOD DESIGN AWARD』に受賞対象が掲載されます。本年鑑はグッドデザイン賞についての公的な記録であると同時に当代のデザインをアーカイブし、後世に語り継ぐための書籍であり、まさに世界に誇るデザイン年鑑となっています。


Photo:Takashi Mochizuki

メディア掲載や、イベント等への参加のチャンスが広がります。

雑誌などの特集記事や、小売店の店頭での特設コーナー、海外の展覧会などで取り上げられる機会が広がります。また、グッドデザイン賞が主催、連携する様々な展示会やイベントにより、メディアや店頭への露出機会が増えます。


左:TSUTAYA六本木(ヒルズ) 右:渋谷ロフト

連携

グッドデザイン賞では、国内外の様々な機関との連携や、各国のデザイン賞との制度連携、各国デザイン機関との連携を通じて、主にアジア地域を中心としたグローバルなグッドデザイン賞の活動を進めています。

海外デザイン賞との連携

グッドデザイン賞では現在、アジア地域におけるデザインの振興を目的にタイ、インド、シンガポールのデザイン賞と事業連携を結び、グッドデザイン賞のノウハウ提供やプロモーション支援などを行っています。

タイ王国「デザインエクセレンスアワード」との連携

2008年3月、タイ政府はデザイン振興制度「Design Excellence Award」を創設しました。同賞の創設にむけてサポートを行ってきた日本デザイン振興会と、タイ王国商務省輸出振興局(Department of Export promotion)*は、「グッドデザイン賞」と「デザインエクセレンスアワード」の連携協定を締結しました。
以来、同賞への審査委員の派遣、同賞受賞デザインのグッドデザイン賞での審査など幅広い連携活動を展開するほか、両国で受賞展示会を開催するなど、両国でのそれぞれの受賞デザインのプロモーションにも取組んでいます。
* 現DITP (Department of International Trade Promotion)

インド「I Mark」との連携

日本デザイン振興会とインドのデザイン政策執行機関である「India Design Council (IDC)」は、2010年4月にデザインプロモーションに関する協力協定 (MOU) を締結して以来、当会主催のグッドデザイン賞に基づいて、インドの国政的なデザイン賞の設立および運営の支援活動を行ってきました。その結果、2012年から“India Design Mark”(I Mark)が設立され、日本からも専門家が審査に加わって、デザイン賞の運営が順調に続いています。また、I Markの審査会場の一般公開に合わせてグッドデザイン賞の受賞製品の展示も同時に行い、インド市場での日本製品PRにつとめています。2013年からは、I Markを受賞したものは、グッドデザイン賞の一次審査免除での参加が認められ、逆にグッドデザイン賞を受賞したものはI Markの一次審査免除での参加が認められるようになり、日本製品のインド市場へのPR活動がさらにしやすくなるなど、デザイン賞制度の相互連携が進んでいます。


シンガポール「SG Mark」との連携

日本デザイン振興会は、2012年からシンガポール政府の情報文化省の組織である「シンガポールデザインカウンシル(DSG)」に協力して、シンガポールのデザイン政策に基づいた国家的デザイン賞の設立に協力してきました。そして2013年12月に、DSGの下部組織で、デザイン事業者のアソシエーションである「Design Business Chamber Singapore(DBCS)」と、にデザイン賞およびデザインプロモーションに関する協力協定(MOU)を締結しました。2014年3月には、第1回の”Singapore Good Design Mark”(SG Mark)が開催され、日本からも専門家が審査に加わりました。SG Markについても、受賞したものはグッドデザイン賞の一次審査免除が認められ、逆にグッドデザイン賞を受賞したものもSG Markの一次審査免除が認められており、グッドデザイン賞を通じてアジアの経済拠点のひとつであるシンガポール進出への機会も提供しています。

デザイン関連団体との連携

グッドデザイン賞は、各国のデザイン振興機関との連携を進めています。

グッドデザイン賞審査における連携

グッドデザイン賞では台湾、韓国および香港において、以下のデザイン振興機関と連携し各地の審査委員を交えて現地から応募された対象を審査する現地審査会を実施しています。

  • 韓国デザイン振興院 (Korea Institute of Design Promotion / KIDP)
  • 台湾デザインセンター (Taiwan Design Center / TDC)
  • 香港デザインセンター (Hong Kong Design Centre / HKDC)

デザイン関連団体との連携

グッドデザイン賞は、以下に示す国内外の様々なデザイン関連機関との連携のもとに行われています。

  • ディー・アンド・エーディー (D & AD)
  • デザイン&クラフツカウンシル・アイルランド (Design & Crafts Council Ireland / DCCI)
  • フィリピンデザインセンター (Design Center of the Philippines / DCP)
  • デザインシンガポールカウンシル (Design Singapore Council / DSG)
  • グッドデザイン・オーストラリア (GOOD DESIGN Australia)
  • 香港デザインセンター (Hong Kong Design Centre / HKDC)
  • トルコインダストリアルデザイナー協会 (Industrial Designers Society of Turkey / ETMK)
  • 台湾工業技術研究院 (Industrial Technology Research Institute / ITRI)
  • インジーニアス・スイス (Ingenious Switzerland)
  • 国際デザイン協議会 (International Council of Design / ico-D)
  • 国際インダストリアルデザイン団体協議会 (International Council of Societies of Industrial Design / ICSID)
  • 国際インテリアデザイナー団体協議会 (International Federation of Interior Architects/Designers / IFI)
  • 公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会 (Japan Industrial Designers' Association / JIDA)
  • 公益社団法人日本インテリアデザイナー協会 (Japan Interior Designer's Association / JID)
  • 公益社団法人日本クラフトデザイン協会 (Japan Craft Design Association / JCDA)
  • 公益社団法人日本パッケージデザイン協会 (Japan Package Design Association / JPDA)
  • 公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 (Japan Graphic Designers Association / JAGDA)
  • 公益社団法人日本ジュエリーデザイナー協会 (Japan Jewellery Designers Association / JJDA)
  • 公益社団法人日本サインデザイン協会 (Japan Sign Design Association / SDA)
  • 一般社団法人日本空間デザイン協会 (Japan Design Space Association / DSA)
  • 一般社団法人日本デザイン保護協会 (Japan Design Protect Association / JDPA)
  • 韓国インダストリアルデザイナー協会 (Korea Association of Industrial Designers / KAID)
  • 韓国デザイン振興院 (Korea Institute of Design Promotion / KIDP)
  • 台湾金属工業発展研究センター (Metal Industries Research & Development Centre / MIRDC)
  • ソウルデザイン財団 (Seoul Design Foundation / SDF)
  • 台湾デザインセンター (Taiwan Design Center / TDC)
  • 国際美術・デザイン・メディア大学連合 (The International Association of Universities and Colleges of Art, Design and Media / CUMULUS)

プロモーション連携

グッドデザイン賞では国内外の様々な機関と連携し、グッドデザイン賞およびグッドデザイン賞受賞対象の広報活動を行っています。具体的な取り組みについてはこちらをご参照ください。

情報発信

グッドデザイン賞では様々なメディアを通じて情報を発信しています。

JDPウェブサイト

グッドデザイン賞の主催者である公益財団法人日本デザイン振興会のホームページです。グッドデザイン賞だけではなく、デザイナーが関わる新しい活動や、デザインをテーマとするイベントやセミナー、国内外のデザイン動向に関するコラムなどをピックアップ。社会、生活、産業、環境などに関わる広範な情報を提供します。刻一刻と変化し続ける“デザインのいま”を伝え、記録していきます。

無料メールマガジン JDP Mail Magazine

"JDP Mail Magazine" は、グッドデザイン賞に関する話題やデザインイベントを中心に最新のデザイン情報をお伝えするメールマガジンです。デザインに関わるあらゆる立場の人々とのコミュニケーション・メディアを目指して多様で幅広い情報を掲載していきます。変革を続けるグッドデザイン賞の「今」にご注目下さい。

グッドデザイン賞 公式Facebook

グッドデザイン賞の公式Facebookアカウントです。グッドデザイン賞の最新動向や関連イベントに関する情報を発信しています。

グッドデザイン賞 公式Youtube

グッドデザイン賞の公式Youtubeアカウントです。グッドデザイン賞審査委員のインタビューやグッドデザイン賞を受賞したデザイナーのプレゼンテーション、応募にまつわる説明動画など、グッドデザイン賞にまつわる様々な情報を発信しています。

グッドデザイン賞 公式Ustream

グッドデザイン賞の公式Ustreamアカウントです。グッドデザイン賞の記者会見、ベスト100デザイナーズプレゼンテーション、表彰式など、グッドデザイン賞の中で開催する様々なイベントのストリーミング中継を行っています。

各種調査

グッドデザイン賞に関する調査

グッドデザイン賞では定期的にグッドデザイン賞に関する調査を行っています。2014年に行った最新の調査では「グッドデザイン賞」が「良いデザインを選ぶ賞」であることを理解している人は53.8%、グッドデザイン賞という名前を知っている人も含めれば85.5%となっています。また、「Gマーク」が「グッドデザイン賞受賞の証」であることを理解している人は55.9%、このマークを知っている人も含めれば、認知率は79.0%となっています。
調査結果については以下よりご覧いただけます。

グッドデザイン賞認知率調査

  • 2014年度の調査結果(PDF/2MB)
    調査時期:2014年12月
    調査対象:全国の15歳以上男女(国勢調査の年齢・男女別人口の構成比を基に層化抽出を実施)
    有効回答者数:2,100名
    調査方法:インターネットアンケート調査
  • 2011年度の調査結果(PDF/1MB)
    調査時期:2011年4月
    調査対象:全国の15歳以上男女(国勢調査の年齢・男女別人口の構成比を基に層化抽出を実施)
    有効回答者数:2,100名
    調査方法:インターネットアンケート調査
  • 2007年度の調査結果(PDF/900KB)
    調査時期:2007年9月
    調査対象:全国の15歳以上男女(国勢調査の年齢・男女別人口の構成比を基に層化抽出を実施)
    有効回答者数:2,035名
    調査方法:インターネットアンケート調査
  • 2005年度の調査結果(PDF/130KB)
    調査時期:2005年8月
    調査対象:全国の15歳以上男女(国勢調査の年齢・男女別人口の構成比を基に層化抽出を実施)
    有効回答者数:2,015名
    調査方法:インターネットアンケート調査

グッドデザイン賞に関するアンケート調査

デザインに関する意識調査

グッドデザイン賞では定期的にデザインに関する意識調査を行っています。

デザインに関する意識調査(国内)

  • 2014年度の調査結果(PDF/3MB)
    調査時期:2014年12月
    調査対象:全国の15歳以上の男女(国勢調査の年齢・男女別人口の構成比を基に層化抽出を実施)
    有効回答者数:2,100名
    調査方法:インターネットアンケート調査
  • 2011年度の調査結果(PDF/250KB)
    調査時期:2011年4月
    調査対象:全国の15歳以上の男女(国勢調査の年齢・男女別人口の構成比を基に層化抽出を実施)
    有効回答者数:2,100名
    調査方法:インターネットアンケート調査

デザインに関する意識調査(海外)

  • 2014年度の調査結果(PDF/3.5MB)
    調査時期:2014年12月
    調査地域:韓国、台湾、香港
    調査対象:当該地域の20歳以上の男女(男女別、20代・30代・40代以上、均等割付)
    有効回答者数:各地域300名
    調査方法:インターネットアンケート調査

グッドデザイン賞の歴史とこれから

グッドデザイン賞は1957年(昭和32年)の通商産業省主催「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」創設以来、約60年にわたり「よいデザイン」を顕彰し続けてきました。この60年の間に社会や我々が向き合うべき課題も変化し、それに伴いデザインに求められる役割も変化してきました。そして今もなお、我々が向き合うべき課題やデザインに求められる役割は刻一刻と変化しています。
グッドデザイン賞も、このような状況変化に対してその仕組みを柔軟に変化させてきました。グッドデザイン賞の歩みは、日本のデザインと産業の「マイルストーン」とも言われています。ここでは、グッドデザイン賞が辿った歴史と社会状況や様々な指標とを照らし合わせつつ、日本のデザインと産業にどのようなマイルストーンがあったか、そしてこれからどのような時代が到来し得るのかについて歴史を5つのフェーズに分けて考察してみます。

1.第一フェーズ「復活の時代」

意識改革に必要とされたデザイン
「Gマーク制度」は1957年に設立されましたが、その契機となる出来事は8年前の1949年(昭和24年)に遡ります。この頃の日本はまだサンフランシスコ講和条約締結(1952年)以前であり、GHQの管轄下に置かれていました。この年、イギリスからGHQを通じて日本の輸出織物の意匠がイギリス製品を盗用していると抗議されたことを皮切りに、イギリスのみならずアメリカやドイツなどの先進諸国から輸出品のデザイン盗用問題の指摘が相次ぎ、外交問題に発展しました。これを受けて政府は輸出検査や輸出意匠の登録・認定などの制度整備を行いました。これらは一定の成果を挙げましたが、根本的に模倣を防止するにはオリジナリティのあるデザインを奨励するべきであるという動きが政府をはじめ民間企業の中でも起こり始めます。この動きのひとつとして1956年(昭和31年)に特許庁内に「意匠奨励審議会」が発足します。
一方、イギリスでは経済復興と貿易発展に対してデザインが大きく寄与するものとの考えから1944年(昭和19年)に「産業デザイン協議会(CoID)」が発足し、グッドデザイン商品を選定する取り組みを始めます。この動きはその後、様々な国に展開されていきます。日本も例外ではなく、有志がグループを結成し、デザインの国際交流や百貨店とタイアップした優良デザイン商品の展示、美術館でのデザイン展などに取り組み始めます。
こうした2つの動きが重なり、1957年(昭和32年)に意匠奨励審議会内にグッドデザインの選定事業を行う「グッドデザイン専門分科会」が発足し、建築家の坂倉順三氏を審査委員長とした専門家42名による「グッドデザイン商品選定」が開始されました。これがグッドデザイン賞誕生の瞬間です。
当時はまだデザインという言葉も一般的ではなく、企業でもほとんど実践されていませんでした。そこで審査委員自身が街へ出て、「よいデザイン」を探し出すことから始めたといわれています。大変な労力と根気を必要とする選定でしたが、我が国の産業と生活を発展させていくためには「デザインが必要だ」という強い思いが、この制度を生み育てていきました。
時を同じくして日本国内では企業の中にデザインを専門に行う部署(インハウスデザイン)を設置する動きが高まります。1951年(昭和26年)年には松下電器産業(現・パナソニック)内にデザイン部門、1953年(昭和28年)には東京芝浦電気(現・東芝)内に意匠課が発足し、その後も様々な企業においてインハウスデザインを設置する動きが広がります。
このように企業によって少しずつデザインが実践され始めたことを背景に、「Gマーク制度」は創設7年目の1963年(昭和38年)から「公募形式」へと移行します。また制度自体も、主催する通商産業省によって次第に整備され、この頃から「輸出振興のためのデザイン」という当初の目標が具体化されていきます。
当時の日本の輸出商品は、「機能が同じなら、より高品質で低価格を目指す」という方針で市場を獲得していきます。また企業が実践するデザインも「オリジナリティの追求」というよりは、デザインを通じて「作り込みをしっかり行う」ことに主眼が置かれるようになっていきます。これに応じてGマーク制度の審査も1967年(昭和42年)からは品質検査を導入するなど、「商品としてのトータルな質」を追求する方向へと転換し、「Gマーク」は「クオリティの高い商品」の基準(スタンダード)を示すものとなっていきました。
一方、経済の動きに目を向けると、1964年(昭和39年)の東京オリンピックを契機に消費主導型の「いざなぎ景気」が起こり、国内のインフラ整備が整うと同時に新三種の神器と呼ばれる車、エアコン、カラーテレビなどが広く普及し、経済大国へと成長した頃でもあります。また、これまで赤字続きだった貿易収支は黒字基調へと転換したのもこの頃です。
戦後の復興から経済大国への成長、盗用防止と企業内のデザイン導入、そしてグッドデザインの奨励制度の発足、この頃の日本はまさに失ったアイデンティティを取り戻すための「復活」の時代だったといえるでしょう。

2.第二フェーズ「ジャパンオリジナルの時代」

心の豊かさに着目したジャパンオリジナルと国際化
1970年代になるとデザインに対する経営者の認識も進み、Gマークに対する一般の認知度も65%を超えるなど、成果が目に見えるようになってきます。これに伴い、1969年(昭和44年)には総合的なデザイン振興機関として財団法人日本産業デザイン振興会(現・公益財団法人日本デザイン振興会、以下「デザイン振興会」)が設立され、さらに1970年(昭和45年)には日本商工会議所からGマーク商標権の専属的な使用許諾を受け、1974年(昭和49年)には通商産業省よりGマーク選定業務を受託したことにより、デザイン振興会が専属的にその業務を実施するようになります。
一方、日本経済の状況といえば、オイルショックによる一時的な後退はあったものの順調な経済成長率を示し、貿易量も堅調に増加します。また、1970年の大阪万博開催に象徴されるように国際社会への貢献が求められるようになってきました。これに伴い、経済政策や産業政策もそれまでの生産第一主義、輸出貿易重点主義から国民生活の質的向上へと目が向けられるようになりました。1970年代後半には「これからは心の豊かさか?それとも、まだ物の豊かさか?」という問いに対して「心の豊かさ」が上回るようになり、単なる物理的充足による効率化や利便性向上だけではなく、人間の心に内在する潜在的な「潤いある生活をしたい」という欲求に対してどのような解を提示するかがデザインの主題となっていきます。
このような状況下において、ソニーからは1979年(昭和54年)にウォークマン、1980年(昭和55年)にはプロフィール、本田技研工業からは1981年(昭和56年)にシティ、1983年(昭和58年)にはシビックなど、世界に対して発信力の高い製品が数多く登場するようになります。「心の豊かさ」にデザインの主眼が置かれ始めたがゆえに「ジャパンオリジナル」と呼ぶべき製品が数多く登場し始めた時代であるといえるでしょう。
Gマーク制度においても、こうした時代をリードする先端的なデザインを顕彰すべく、1977年(昭和52年)には「部門別大賞」を選ぶ特別賞、1980年にはその年を象徴するデザインを選ぶ「グッドデザイン大賞」が設けられました。また、1975年(昭和50年)にはドイツのブラウン社やオランダのフィリップス社から応募が行われ、徐々に国際的な色を帯び始めます。さらに「生活の質の総合的な向上」を目指して1984年(昭和59年)にGマーク制度はその審査対象を「すべての工業製品」へと拡大します。家電製品などの消費財の分野では、「よいデザイン」が数多く生み出されるようになり、生活者の製品に対する意識の向上とともに、個人生活には質的な充実がもたらされるようになりました。しかし労働や医療、教育などの公共的な環境の質はまだ十分とは言い難い状況でした。Gマーク制度はこうした状況に対し、「生活の質を総合的に向上させる」ことを目標に掲げ、デザインを積極的に導入することを振興しました。
これはデザインの対象を広げることでデザインマーケットを拡大するとともに、それまでは個々の消費財で蓄積されてきたデザインの方法を、新しい分野へと展開する契機ともなりました。審査委員会にもさまざまな領域の専門家が参加するようになり、Gマーク制度もより開かれた制度へと変化していきました。

3.第三フェーズ「価値変化の時代」

価値変化とグッドデザイン賞としての再出発
1980年代に世界中を席巻したジャパンオリジナルは貿易不均衡を生み出し、特にアメリカを中心にジャパン・バッシングと呼ばれる貿易摩擦問題を引き起こしました。一方、国内に目を向けると不動産投機をはじめとしたバブル経済状態にありました。ところが、このバブル経済は1991年(平成3年)頃を境に崩壊の一途を辿ります。これまでの価値観に疑問を抱くひとつのきっかけともなった出来事といえるでしょう。疑問を投げかける出来事はこれに留まりません。1995年(平成7年)には阪神・淡路大震災が起こります。倒壊した高速道路や建物は我々に多くの衝撃を与えました。また、同年には地下鉄サリン事件も起こりました。世界に目を向けると、1991年のソ連崩壊や2001年(平成13年)のアメリカ同時多発テロ事件、同年にはエンロン事件など、様々な事件が起こります。こうした事件は我々がこれまで信じてきた物事に対して多くの疑問を投げかけ、何に重きを置くべきかもう一度考え直さなければいけないという意識を生み出したのではないでしょうか。
一方、欧米のデザイン先進国では、地球環境問題などに積極的に取り組む新しいデザイン潮流も生まれてきました。1997年(平成9年)には京都議定書も合意され、デザインにおいても「エコロジー」や「ユニバーサル」、「サスティナブル」といった言葉が頻繁に登場するようになります。こうした状況の中Gマーク制度では、日本のデザインが国際水準をリードするために取り組むべき新たな目標として、「インタラクションデザイン(使用者との対話があるデザイン)」、「ユニバーサルデザイン(使用時に差別のないデザイン)」、「エコロジーデザイン(地球環境を考慮した持続可能なデザイン)」を掲げ、1997年にはこれに対応する3つの特別賞を新設することで、その具体的な促進を図りました。
時を同じくしてGマーク制度自体にも見直しが行われます。この制度が始まった当初の目的でもあった「産業へのデザイン導入促進」はその目標を一定程度達成したと見受けられ、「この事業を存続させるとすれば、どのような役割を果たすべきか」ということが多く議論されました。この結果、行政のスリム化を背景に通商産業省主催のグッドデザイン商品選定制度は1997年に終了し、翌年の1998年(平成10年)に日本産業デザイン振興会主催の「グッドデザイン賞」として再スタート(民営化)します。
この「選定」から「賞」への変更に伴い、審査基準も「優れたポイントを評価、推奨する」という方向性へ大きく改訂され、「よいデザインを見つけ、社会へ伝えていく」活動へとシフトしていきます。その一環として、それまで関係者のみに公開していた審査会終了後の審査会場を一般にも公開しました。また、デザインの概念もこれまでの「製品」から大きく広げ、デザインの新しい領域への挑戦を積極的に評価する「新領域デザイン部門」の新設(1999年)や、情報やメディアそのもののデザインを対象とする「コミュニケーションデザイン部門」の新設(2001年)が行われます。
社会がその価値観を徐々に変化させたのと同時に、グッドデザイン賞もまたそのあるべき姿を変化させた時代でもあります。

4.第四フェーズ「価値多様化の時代」

情報の変化とグッドデザイン賞における軸足の踏み替え
2000年代に入るとICT(Information and Communication Technology)が急速に発展します。2000年(平成12年)以降、インターネット普及率は飛躍的に向上し、1997年には9.2%だったインターネット普及率は2005年(平成17年)には70%を超えるまでに成長します。また、1996年には867万台だった携帯電話の契約数も2005年には約10倍の8,577万台となります。ICTの発展は、ビジネスの世界においてグローバル化の波を生み出しました。グッドデザイン賞においても2000年(平成12年)よりインターネットによる応募受付を開始し、海外からの応募数が増加し始めます。こうした流れを受け、グッドデザイン賞では「よいデザインの推奨」を国内のみならず海外、特にアジア地域を中心に広げ始めます。2003年(平成15年)にはアセアン諸国のよいデザインを顕彰する「グッドデザイン賞・アセアンデザインセレクション」を3年にわたり開催しました。また、2008年(平成20年)にはタイ王国における新たなデザイン賞「デザインエクセレンスアワード」の創設サポートを行うと同時に審査委員の相互派遣などの制度連携を開始します。一方、ヨーロッパ地域においてはグッドデザイン賞創設50周年を機にイタリアのミラノサローネに出展を行います。この出展は反響の大きさから2009年にかけて合計3回にわたり実施しました。
ICTがもたらしたのはグローバル化だけではありません。ICTにより我々は様々な情報源から情報を入手し、誰もが全世界中に向けて情報を発信することが可能になりました。これによりマスメディアだけではなく一般生活者の発言が大きな影響力を持ち始めると同時に、これまで知ることが出来なかった考え方、生き方にも容易に触れることが出来るようになり、価値の多様化を生み出したといえます。
一方、こうしたグローバル化と多様な価値観が入り混じる中、デザインの役割はどのようにあるべきかについて議論がされるようになります。グッドデザイン賞においても今後のデザインの役割、そしてそれを踏まえた上でグッドデザイン賞がどのようにあるべきかについて議論を重ねました。そして2008年(平成20年)に、これまでの「産業的視点から審査を行う」という方針から「近未来の生活者の視点に立つ(サプライサイドからディマンドサイドへ)」という方針への転換を打ち出し、大きな改革に挑みました。これに伴い、審査区分は従来の部門別から「身体・生活・産業・社会」の4つの領域へと再編成され、新たに「サステナブルデザイン賞(2008年)」や「フロンティアデザイン賞(2009年)」を設けるなど、賞の構成も見直されました。また、グッドデザイン賞が常に向き合うべき根源的なテーマとして「人間・本質・創造・魅力・倫理」という5つの言葉がグッドデザイン賞の理念として掲げられました。
ICTの発展はグローバル化を促すとともに、情報とのかかわり方の変化や価値多様化をもたらしました。そして、グッドデザイン賞もこれまでの「供給側の論理」から、様々な関係性の上に置かれた物事を生活者の視点から観察するという「需要側の論理」へと軸足を大きく変えました。

5.第五フェーズ「共有の時代」

今、何がよいデザインなのか?
2000年代に急速発展したICTはさらにその速度を速め、今やあらゆるものがネットワークで繋がろうとしています。グローバル化も加速の一途を辿っています。グッドデザイン賞においても2008年のタイ王国「デザインエクセレンスアワード」に引き続き、2012年(平成24年)のインド「I Mark」や2014年(平成26年)のシンガポール「SG Mark」など、国際的な協調をさらに広げました。
一方でソーシャル・ネットワーキング・サービスの登場やクラウド技術の発達により、情報同士も繋がり、共有化されるようになってきています。こうした情報共有の流れはオープンソース開発やファブラボのように現実世界においても共有・協働という形に進化し、そのような活動が社会を動かす原動力となり始めています。グッドデザイン賞においても共有・協働の仕組みをどのようにして作り上げるかがひとつの課題と考えています。その取り組みの一つとして2013年(平成25年)より応募者と審査委員が直接、情報を共有する「対話型審査」を導入しました。
このような状況下において日本ではひとつの大きな出来事が起こりました。それは2011年(平成23年)の東日本大震災です。様々な想定を超える出来事が起こりました。そして多くの方が亡くなりました。震災直後にはスーパーやコンビニエンスストアの商品棚から様々な商品が消えました。夜景から電気の明かりも消えました。
こうした状況を目の当たりにして多くの方が「今、自分たちに出来ることは何か」そして「今、本当に必要なものは何か」といったことを考えたかと思います。ここにひとつの大きな価値観の転換が起こったのではないでしょうか。このことはグッドデザイン賞においても「何がよいデザインなのか?」を今一度考え直す契機となりました。これまでもグッドデザイン賞では「何がよいデザインか」を常に問い直してきましたが、価値観の転換が起こった今、もう一度「グッド、そしてグッドデザイン賞の再定義」を行うタイミングに差し掛かっているのではないかと思います。
近年、デザインはそれ自体が変化するとともに、社会におけるデザインのあり方も大きく変わってきています。身の回りのもののかたちが徐々に失われ始め、対照的に「サービス」や「システム」といった「機能」そのものが生活の中に顕在化しつつあります。この中でデザインは、人々が自らを取り巻く全体的な状況を察する能力を進化させるための、「環境の中における媒質」としての役割を発揮し始めています。今後はこうした視点からデザインの意義をとらえるニーズが高まるものと考えています。