GOOD DESIGN AWARD

閉じる
キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
公会堂(劇場) [防府市公会堂]
事業主体名
防府市
分類
公共の建築・空間
受賞企業
防府市 (山口県)
公益財団法人防府市文化振興財団 (山口県)
株式会社佐藤総合計画 (東京都)
受賞番号
20G171094
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

今年還暦を迎える“防府市公会堂”。1600人収容のワンスロープ型ホールは、モダニズム建築特有のキーシンボルを多く携え、建設当初の原型を留めている。この先も永く活躍することを期待された今回の大規模改修では、既存施設が持つ独特の雰囲気は保存・継承し、今の時代に添うUD要素を加え、世代を超えて生き続ける建築へ再構築する。

デザインのポイント
1.モダニズム建築のシンボル性を保存・継承|地域のシンボル・記憶を継承
2.防災性能を備えた安心安全ホールに再生|地域の中で生き続ける建築へ
3.音楽利用にも優れた音響性能を発揮する「公会堂」へ再構築|世代を超え愛される建築へ
プロデューサー

防府市

ディレクター

株式会社佐藤総合計画 飛永直樹+公益財団法人防府市文化振興財団

デザイナー

株式会社佐藤総合計画 花本猛

左より、飛永直樹、花本猛

詳細情報

http://hcpf.sakura.ne.jp/

利用開始
2020年10月
販売地域

日本国内向け

設置場所

山口県防府市緑町1丁目9-1

受賞対象の詳細

背景

1960年10月竣工の防府市公会堂は、1980年の大規模改修以来、大きな改修工事はなく、ほぼ当初のままの意匠性・雰囲気を現代まで受け継ぎ、永く市民に親しまれてきた。「建築はもともと万人のものである。…控えめに、風土と市民の演ずる舞台の引き立て役であるべきだ」という設計者・佐藤武夫の精神を受け継ぎ、公会堂は地域の中でこの役割を体現し続けている。一方、築60年を経過して老朽化が進む中、構造上バリアフリー化が困難、耐震改修促進法上の耐震性能を満足していない、避難関係規定は既存不適格のまま等、多くの課題を解決するために2018年より大規模改修工事を実施した。建設当初のモダニズム建築の形態・意匠性を保存・再現することで公会堂が持つ社会的意義・使命を継承し、かつ今の時代に寄り添うUD建築へと再構築し、さらに市民に愛されるための息吹を吹き込み、世代を超えて永く愛される建築を目指した。

経緯とその成果

モダニズム建築を特徴付ける『塔』『ピロティ』の他、RC造のV型梁形式の大屋根、無骨な存在感を放つ杉板型枠・ビシャン仕上のRC打放し外壁、スレート波板のホール天井等、建設当時からの独特な構造・意匠性を今も残す。これらのキーシンボルを活かしながら保存・継承できる耐震補強方法を選定して安全性を確保。『塔』は時刻歴応答解析を行い「補強無しで耐震性能を満足」することを評定で証明。『ピロティ』は耐震要素の配置を極力避け、既存RC躯体の増打ちを中心に補強。ホール客席天井は下地鉄骨補強により耐震天井化して評定を取得。法令上の既存不適格項目(防火区画、内装制限、消防設備等)を洗い出し、現行法に適合する改修を実施。構造上法適合が難しい項目(排煙等)は、全館避難安全検証法により安全性能を確認。市民に親しまれてきた建設当初の意匠性はそのままに、仕上材の不燃化・見えない箇所での補強等により、防災性能の向上を図った。

仕様

[規模]敷地面積:12,679.27㎡、建築面積:3,298.72㎡、延床面積:5,575.94㎡、地上4階建 [構造]鉄筋コンクリート造

どこで購入できるか、
どこで見られるか

山口県防府市緑町1丁目9-1 防府市公会堂
防府市公会堂ウェブサイト

審査委員の評価

2020年には、築60年を迎えるモダニズムのホールを建て替えるのではなく、既存施設の特徴を残しながら、大規模な改修を施し、今日のニーズに応えたプロジェクトである。興味深いのは、ホールを得意とした佐藤武夫が、オリジナルを設計しているが、今回の改修は彼の事務所を継ぐ佐藤総合計画が担当したことだ。それゆえ、佐藤のデザインの特徴でもある塔、モダニズムらしさを感じさせるピロティなど、長く市民に親しまれたモチーフが保存・継承された。こうしたすぐれたモダニズムの改修が、もっと増えると、日本は豊かになるはずだ。

担当審査委員| 伊藤 香織   五十嵐 太郎   山崎 亮   山梨 知彦  

ページトップへ