GOOD DESIGN AWARD

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CC

2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
知的障がい者グループホーム [角地の小さなグループホーム]
事業主体名
NPO法人はな
分類
共同住宅
受賞企業
NPO法人はな (東京都)
SOGO建築設計 (東京都)
オンスタジオ構造設計事務所 (東京都)
受賞番号
20G140910
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

住宅街の一角、日当たりの良い南東の角地に建つ知的障がい者のグループホーム。4人の女性入居者が暮らしています。小さなグループホームを街の中に点在させ、連繋して運営することで、入居者の生活がまちと密接に関係し、積極的に地域社会の一員となれるようにすることが計画の狙いです。

デザインのポイント
1.空き家が増えつつある街に、施設を小さく分散させて建築することで、障がい者と街の接点を増やしています。
2.角地ならではの豊かさを活かし、全ての居室にふたつ以上、障がい者の暮らしに即した窓があります。
3.木構造の一部に鉄骨梁を用いて、ローコストながらバリアフリー性能の高い大らかな空間を実現しました。
プロデューサー

NPO法人はな

ディレクター

SOGO建築設計 十河彰、十河麻美

デザイナー

SOGO建築設計 十河彰、十河麻美、藤森あかね/オンスタジオ構造設計事務所 下久保亘

詳細情報

https://www.sogo-aud.com

利用開始
2019年5月
設置場所

東京都八王子市

受賞対象の詳細

背景

建て主は知的障がい者の自立支援を目的としたNPO法人。まちに開かれ、まちを活性化するようなグループホームを目指し、計画はスタートしました。当初、大規模な敷地を取得しての建設計画もありましたが、まちの中での生活から学べることの多様性は何ものにも代え難いとの考えから、空き家が増えつつある住宅地の中に、小さな建物を少し離して建て、それらを連繋して運営する計画となりました。敷地から徒歩30秒の距離に建てられた建物には、大きなキッチンとダイニングスペースがあり、この建物の入居者も一緒に食事をとることができます。一方、この建物には共用のリビングルームを儲け、入居者が寛いだり、運営者と家族を交えた面談の場として使う想定がなされました。毎日、わずかな距離ながら、ふたつの建物を往来する人々の動きがまちに現れることで、障がい者が自らが住むまちに参加するきっかけとなるのではないかと考えました。

経緯とその成果

敷地は住宅街の一角、空き家が残る日当たりの良い南東の角地に決まりました。まちをリノベーションするという志をもとに、見通しが悪く危険であった敷地のコーナーを開放する配置計画としました。また福祉施設として地域に受け入れてもらいやすいよう、高さを抑え、北西に隣接する住宅の窓への採光条件に配慮した建物ボリュームとしています。小さな建物の全ての居室には風が流れるふたつ以上の窓があります。雨の日に開けたまま外出しても運営者が立ち入らなくてすむよう、個室の窓は突出し窓となっています。個人を尊重し、自立心を育むための建築とすべく検討が繰り返されました。明るい共用スペースにふわりとかけられた傾斜屋根は、重力換気による爽やかな通風を確保しつつ、誰もが集まり寛ぐための心地良い日陰をつくりだしています。前面の路地に面した大きな窓と深い軒は、ここが街に開かれた場所でありたいという運営者の強い思いが表れたものです。

仕様

建築面積:61.03m2,延床面積:86.17m2,構造:木造+鉄骨造,階数:地上2階

審査委員の評価

知的障害者のグループホームは、社会に当たり前にあるべき施設だが、現実には近隣との関係や運営形態も含め、計画には困難がつきまとう。この計画もそうした施設の一つだが、設計者はすでに1期の計画をすぐ近くに完成させており、それを補完する形で展開した2期目の計画である。施設として過剰に閉じてしまうのではなく、窓や断面構成など、デリケートに場所同士の関係や地域との距離をデザインし、入居者がごく自然に地域の一員となれるような場を生み出している点は見事である。地域との親和的な関係を築いた設計/運営は、単なる建築の設計を超えたソーシャルデザインにもつながる試みで、今後の類似施設の手本にもなるだろう。

担当審査委員| 手塚 由比   小見 康夫   千葉 学   山﨑 健太郎  

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