GOOD DESIGN AWARD

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CC

2019

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
寺院 [勝林寺 伽藍]
事業主体名
萬年山 勝林寺
分類
公共の建築・空間
受賞企業
株式会社手塚建築研究所 (東京都)
萬年山 勝林寺 (東京都)
受賞番号
19G141155
受賞概要
2019年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

先の戦災で失われた1615年創建の堂宇の再建。木造本来の嵌合結合を守りつつも、最先端の構造解析を使い400年の時を超えることを目指した現代建築である。永い寿命を持つ木造を再評価し、新しい和様建築のあり方を模索した。深い軒や裳階は堂宇を守るだけでなく、地域コミュニティーを育てる場となることを願って設えられた。

デザインのポイント
1.伝統を意識しつつも現代的なデザインの木造伽藍
2.400年の時を超える本当の木組み
3.軒の深いサスティナブルデザイン
デザイナー

手塚建築研究所 手塚貴晴+手塚由比

詳細情報

https://www.mannen-syourinji.com/

利用開始
2017年11月22日
販売地域

日本国内向け

設置場所

設置場所:東京都豊島区駒込7-4-14

受賞対象の詳細

背景

徳川政権名老中として知られた田沼意次公の菩提寺である。かつては江戸府内で三つの指に入る偉容を保っていたが、先の戦乱により堂宇が消失した。今回はその並々ならぬ継承を満を持して再興する機会である。単なる歴史を引き継ぐだけではなく、数百年の未来に向けて現在を発信する最新の技が求められた。日本では戦後の復興の中で急ごしらえされた寺院が寿命を迎え、世紀を超える本来の木造建築が求められている。伽藍建築にあたっては伝統の継承を求められることは当然であるが、旧来の木造建築様式は既に形式化し本来の構造的合理性を失っている。木造はせん断力と曲げの微妙なバランスの上に成り立っている。鉄骨やコンクリートと根本的に違う構造特性である。その木を木らしく解くことで、本当の木造建築が見えてくる。今、時代を超える新しい本物の木造堂宇が求められている。

経緯とその成果

歴史の重みを表現した本物の木造建築。現在の大規模木造建築では鉄骨を補強として使うことが多い。しかしながら鉄骨と木造では経年における収縮率が違う。そのため木本来の寿命を全うすることは難しくなる。今回の計画で使われている金物の役割はカシメのみである。短期および長期荷重は嵌合結合部を介して直接木から木へと伝えられる。木造の寿命を考える時、いの一番に考慮すべきは雨水の処理である。木は雨の処理さえしっかりされていれば、コンクリートや鉄を凌駕する寿命を全うすることができる。今回新造した本堂および庫裏には屋根に加えて幾重にも深い裳階が回しかけられている。雨を徹底的に木造本体から遠ざける為の措置である。架構には徹底的に最適化の検討が重ねられ、結果として何一つ無駄な部材のない合理的構造が組み上げられた。結果として様式に囚われずとも和の伝統を感じさせる現代の木造建築が出来上がった。

仕様

敷地面積:3033.92㎡ 建築面積:本堂195.80㎡、庫裏139.41㎡ 延べ床面積:本堂296.00㎡、庫裏463.93㎡ 構造:本堂木造地上1階+鉄筋コンクリート造地下1階、庫裏木造地上3階+鉄筋コンクリート造地下1階

どこで購入できるか、
どこで見られるか

設置場所:東京都豊島区駒込7-4-14
萬年山 勝林寺

審査委員の評価

戦災で失われた宗教施設の再建プロジェクトである。この種のプロジェクトでは、徹底的な復元を狙っても、復元物は所詮はイミテーションであり、コストの割には存在感のないものになりかねない。かといって完全にモダンなものでは一般の人々の心を包みがたく、何を復元するかのチョイスが担当デザイナーの手腕の見せ所となる。本プロジェクトでは、木造とそのディテールである嵌合結合に復元の鍵を見出したところが興味深く、高い評価を集めることになった。

担当審査委員| 永山 祐子   浅子 佳英   林 厚見   山梨 知彦  

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